夢工房 2期の同期會(夢2會)が東梅田で行なはれることになつた。
題して、「夢2會 キックオフ2011 やる気をださう、そして、復興を應援しよう 關西大會」
それについては別に書くとして、久しぶりに夜の梅田界隈に出られるので、私は計畫を立てた。
夢2會は19時からなので、1時間早く出かけて、準備體操をしよう。
ついては、大阪でいいワインバーを見つけたい。
で、食べログで探し出したのが、 「Vintage Inn」 。
18時少し前に到着。
ドアを開けると、こんなに早い時間にも關はらず、すでにカウンターに5人の先客。
17時オープンとはいへ、たいしたものだ。
耳に入つてくる會話から、みんなリピーターであることが知れる。
小さな空間に、親密な空氣が滿ちてゐる感じで、一見(いちげん)の私にも心地好い。
カウンターの中には、柔和なおやぢさんと女性が一人。
どちらもソムリエバッヂを胸につけてゐる。
どうやら、このおやぢさんが、シニアソムリエのオーナーらしい。
寫眞を撮つて良いか確認したところ、快く快諾頂いたばかりか、リクエストまで頂いた。
これは初めての經驗。
1枚目が上の寫眞。
私がグリーン系の色が好きな所爲かもしれないが、これ、なかなかいいと思ふ。
ワインカラー系を使ふと陳腐なものになりかねないが、これはいい。
「ステンドグラスもありますよ」by オーナーソムリエ
うん、いいですね、これ。
こちらは私が勝手に撮つたもの。
カウンターの上にグラスがぶら下がつてゐる。
照明がグラスに反射して、燦めいてゐるのが綺麗。
で、このグラスたち、みんなさりげなく 「RIEDEL(リーデル)」 だつたりする。
かういふところにも拘はるあたり、やはり、このおやぢさん、タダモノぢやない。
最初に頂いたのは、アンリ・ジロー。
スパークリングでいいかと思つてゐたのだが、シャンパーニュをグラスで飮めるとなると・・・
「ぢや、せつかくなので、アンリ・ジローください」
¥1,800也。
いやいや、さすがはアンリ・ジロー、華やかな香りもさることながら、ほのかなトースト香が舌や鼻を活性化してくれる。
ボトルを買つたら¥5~6,000くらゐかな?
店で出されたら、¥15,000くらゐ?
ボトルだと2人以上ぢやないと飮めないし、やはりグラス1杯から飮めるのは一人客には嬉しい。
ちなみに、あてはフルーツトマト(¥400)。
赤ワイン。
この店ではカウンターの前にずらりとボトルが竝べられてをり、全てがグラスで頂ける。
その殆どが(もしかしたら全てが)アメリカのワイン。
私のやうなワインに暗い人間には選びやうもないが、そこはシニアソムリエ、アバウトなイメージを傳へるだけでも選んでくれる。
どんなものがよいかと聞かれ、「纖細なものぢやなくて、剛速球ど眞ん中ストレートみたいな」とお願ひしたら、これを薦められた。
「Woodward Canyon 」、ワシントン州にあるワイナリーで、これはカベルネ・ソーヴィニオン種。
私の右隣に座つてゐたご夫妻が、「それ、美味しいですよ」と聲をかけてきた。
美味しかつたのでボトルを買つたのだとか。
なるほど、確かに美味い。
「剛速球ど眞ん中ストレート」的な力強さを感じるが、それが野暮つたくはならない。
赤ワインのあてに選んだのは、鴨のロースト。(¥600)
私は鴨が好き。
なので、鴨があると必ずと云つていいほど注文する。
1切れ食べたところで、おやぢさんが「すみません、脂が多くなつてしまつて」。
バジルソースが見事だつた所爲か、云はれるまで氣が付かなかつたが、確かに。
2切れ目を食べたところで、少し脂が氣になつてきて、3切れ目からは少し脂を取りよけて食べた。
3切れ目を食べ終はつたあたりでワインがなくなつた。
時間は18:40。
まだ待ち合せまで15分あるなどと思ひながら、心の中では、少し遲れてもいいや。
今度は纖細なものを選んで貰つた。
「delinea 300」、オレゴン州ウィラメット・ヴァレーのワイナリーで、ピノノワール種。
「delinea」といふのは等高線のことで、つまりは標高300フィートのことなのだとか。
300フィートつて100mくらゐでしたつけ。
そんな話をしてゐたら、おやぢさんが、ひとりの客に話を振つた。
なんと、このお客さん、ブドウ畑のテロワールに關する本を出してゐる方。
とても面白いお話をうかがふことが出來た。
ブルゴーニュには國道74號線が走つてゐるが、ブドウ畑はその74號線より上が良い。
特にソーヌ斷層とローヌ斷層との間にグラン・クリュやプルミエ・クリュが集中してゐる。
ややこしいのは、ソーヌ斷層の下にはソーヌ川が流れてゐるが、ローヌ斷層のところにローヌ川は流れてゐない。
ローヌ川はまつたく別のところを流れてゐたりするのだとか。
なにせ、當方はフランスの地理に疎いので正確に理解出來たかといふと疑問なのだが、ま、それはそれで。
とにかく、ブルゴーニュは國道74號線の上、ソーヌ斷層とローヌ斷層の間に限る。
まるで「目黒のサンマ」みたいだけど。
カウンターの奧にある個室スペース。
4人掛けソファがあつて、ゆつたり座れさう。
じつは、これ、おやぢさんに「あそこの寫眞も撮つてください」とリクエストされた。
自分たちだけの世界に入り込むにはいい空間だらう。
ちなみに、おやぢさんに聞いたら、2人で豫約してもいいらしい。
冗談で、別れ話をするのにいいんぢやないか、と云つたら、カウンターの客でまたひとしきり盛り上がつた。
「いやあ、別れ話もカウンターでええんちやう?」
「せやね、聞かんふりして實は聞き耳をたててたりね」
「男の味方と女の味方に別れて、應援したりして!」
そんなこんなで、樂しい時間を過してゐるうちに、あつと云ふ間に1時間以上が過ぎた。
19時10分。
飮み會の開始時間を10分過ぎたところで、店を出た。
いい店だつたなあ、としみじみ。
またいつか、今度は時間の制約のない時にゆつくりと來たいものだ。
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夢2會で、遲れた理由を説明したら、Yさんが
「その店、これが終はつたら行きませう、案内して下さい」
9時半を廻つた頃だつたか、今度はYさん、Oさん、Iさんと4人でお邪魔した。
「またいつか」がわづか2時間半後にならうとは。
週末だし空いてゐない可能性も高かつたが、1人のお客さんに動いて貰つて、4人が固つて座ることが出來た。
しかし、私たちが席についてから何度もドアが開かれ、そのたびに「やつぱりダメか」と歸つて行くお客多し。
さすがに、いい店はみんな知つてゐるといふことか。
「Star Lane Vineyard 」、 カリフォルニアは Santa Ynez Valley (サンタ・ワイネズ・ヴァレー)のワイナリーでカベルネ・ソーヴィニヨン種。
たぶん、お任せで選んで貰つたやうな・・・そろそろ記憶が曖昧。
「Ken Wright Cellars」、オレゴン州はウィラメット・ヴァレーのワイナリーで、確かこれはピノノワール100%だつたと思ふ。
ラベルに描かれてゐるのは、ブドウ畑の手入れをしてゐる男女の姿だとか。
右の女性はともかくとして、左の男は結構怖い。
さて、一日2度目の訪問であつたが、今度は仲間と連れだつての訪問だつた所爲か、1度目にも増して樂しかつた。
私の右隣は女性の2人組だつたが、いつのまにか私たちと一緒に盛り上がつてゐた。
京都でお薦めのワインバーを訊かれたので、 「ワインバー ヴィオラ」 を教へ、京都でお薦めの店を訊かれたので 「京都ネーゼ」 を教へて差上げた。
私のHN「仙丈」もお教へしたので、もしかしたら、これもご覽になつてゐるかもしれない。
京都へ行かれたら、この2つの店で樂しい時間を過してくださいね!
世間は狹い。
Yさんがかつて勤務してゐた會社の取引先の酒屋さん?で、いまでもYさんが親しくしてゐる方が、こちらの店の取引先でもあつておやぢさんもよくご存じの方だつた。
そろそろ醉つてゐたので、いまの説明が正しいかどうか自信はないが、奇遇といへば奇遇だ。
これを機に、Yさんもこのお店の常連になるかもしれない。
1990年あたり。
その頃同期のK君が奈良にいたので遊びに行ったことがありました。
その間、梅田には5回くらいしか行かなかったような。
毎月のように何やら用事をつけて千葉に行っていましたが、職場と住居が千里線沿線だったので、南方で降りて、西中島南方から新大阪に出るか、そのまま南方から新大阪まで歩いて、新幹線に乗ったような気がします。
乗換えで大阪駅を使ったことはありますが、梅田の街を歩いたことは数えるほどしかなったような。
梅田の街は地下街が広いんでしたよね、確か。
聲をかけてくれたら良かつたのに!
だんだん正體が明らかになりつつありますね(笑)
ヌマタくんとは年賀状のやりとりをしてゐますが、彼はずつと東日本在住。
同期のKくんといふのはきつとKoくんのことだし、同期のNくんは神戸にゐたことはあるけど大阪にはゐなかつたと思ふし・・・
となると、殘るは2人。
そのうちの1人、Kiくんとは、私が大學在學中に一度キャンパスで會つたことがあります。
さういへば、いま思ひ出しましたが、Kiくんは山岳部の部報に「~の所爲で」といふ表記を使つてましたね。
あ、もうひとつ思ひ出しました。
Kiくんは確か東大の理學部系に進學した筈。
ぶたここさんは原子爐に詳しいやうですし、もしかすると・・・
梅田の地下街は廣いですよ。
20年前よりさらに擴がつてゐます。
私などは、地上に出れば方向感覺があるのですが、地下ではまつたくダメ。
大まかに西は判つても、西北と西南までの90度の範圍内での識別が出來なくなります。
山でホワイトアウト状態になつたら確實に遭難することでせう。