ドラマ： 「相棒」 最終囘 ２時間ＳＰ

毎週見てゐたドラマ「相棒」の最終囘。
今クールにおける最終囘といふ意味であつて欲しい。

今囘はたうとう、警察廳長官を辭任させる事件となつた。
長官に辭任を「通告」する小野田官房長には迫力があつた。
相變はらず岸部一徳の不氣味さが見事。

それにしても、地方公務員法の第４９條と第５０條を使つて、警察といふ組織そのものに威しをかけるとは、さすが杉下右京。
彼は國家公務員だから、この手を使へるのは龜山薫ちやんだけ。

右京さんが龜ちやんに、「警察を辭めて貰へますか」と云ひ、龜ちやんが「一緒に辭めませう」と云ふ。
すると右京さん、「いいえ、辭めるのは君だけです」。
これはなにかあると思つたが、さういふ奧の手があつたとは！

「省」といふ縱割り組織の弊害ゆゑに未解決となつた１０年前の事件。
その事件を解決できなかつた４人のキャリア官僚が、國益のために「省」組織の枠組を越えた情報組織を立ち上げようとした。
その意氣やよし。

しかし、國益を優先するあまり、「超法規的措置」に慣れて、人としての感覺が麻痺してしまつたことが今囘の事件を惹き起した。
右京さんの云つたセリフ。
「君たち自身がテロリストになつてしまつた」

人さへ殺してゐなければ、軍事衞星プログラムを完成させてやりたかつた、といふのが私の率直な氣持ちだ。
ＧＰＳデータを書き換へるプログラムなんて可能なのかどうかはわからないが、もし可能だとすれば、ミサイルの照準すら合せられなくなる。
核兵器がまさに「張り子の虎」になるかもしれない。

最終囘に相應しい、じつにスケールの大きなドラマだつた。
龜山薫ちやんも懲戒免職を免れたことだし、いつの日にか、またこのシリーズを復活させて欲しいものだ。