ライブでは、ずっとソロの作品をさせていただいていたのですが、
今回は江ノ上さんの作品に参加させて頂きました。
江ノ上さんからは、存在感のある強烈な?見た目(衣装)と
キャラクターを持つホームレスの老婆とのオーダー・・・・・
今までにないオーダーのされ方に私は五里霧中、右往左往状態。
作品もやることもよくわからないまま、衣装を決め、ウィッグを作ったり、
歩き方を考えたり・・・キャラクター創り。
1回目のリハーサルで「歩き方も存在も軽すぎる」とダメ出しがあり、
そこから、私と老婆の悪戦苦闘が始まりました。
たまたま、バレエクラスが夏休みでスタジオが空いていたので、
毎日、毎日、一人でスタジオを歩きながら、老婆の人生を生きてみました。
楽しく笑いながら軽やかに歩いたり、苦しみや怒りで固まった身体を引きずるように歩いたり、
狂わんばかりの悲しみに感情もなくただ涙を流しながら歩いたり・・・・・
自分の人生を呪い、他人を羨み心が砕け散る。
その欠片を一つ一つ拾いながら、老婆は何を思い、悟ったのか?
そんな自分でもよくわからない稽古?を2周間近く続けました。
私の出番は作品の後半。
舞台の下手から傘をさし、上手へ歩く。
上手から下手へ歩く。
その途中で
男(江ノ上さん)が絶望という暗い穴に落ち、寒さに震えている姿を見て
老婆は「辛くとも、立ちあがって、歩くんだよ。歩き続けるんだよ。」と思いを託し、
男の前に黙ってコートを置き、袋を抱え、下手へ歩き去る。
そのあと、また、下手から上手へと歩く。
終演後、このお婆さんで物語が出来そうだねという感想を頂きました。
大袈裟な演技やマイムのテクニックもない、「歩く」という行為で
ひとりの人の人生感を表現する。
まだまだ私では力不足の大役でした。
また、今回の衣装のスカートは20年近く前にメンバーのソロ公演の為に作ったもので、
本公演でも江ノ上さんが地獄の老婆の役で使った衣装。
まさか、自分が着るなんて・・・
タフタやチュールやバックサテンのロングスカートを重ねて作ったので
とにかく、重くて暑い。
毛糸で作ったナンチャッテウィッグも暑く、
ビーズの上着も重くて暑い、
そのためか?・・・、私やパネル操作のリハーサルは1回30分でした
灰色の街〜エピソード0〜
人生、何があっても前を向いて歩きつづけなきゃね。
パントマイム、面白いなぁ。これだから辞められない(^o^)
スーパーパントマイムシアターSOUKI新関祐子