「オーケストラ・プロジェクト2011」を東京オペラシティコンサートホールで聴く。山下一史指揮 東京交響楽団
4曲目の宮崎 滋「《想夫恋Ⅱ》ソプラノとオーケストラのために」は圧巻だった。
オーケストラの演奏者は、与えられた音型を各自自由なリズム・テンポでしばらく反復し、指揮者の合図で別の音型に切り替える。
その結果生まれる音響は、森のざわめきが刻々と変貌するごとく、深みと豊かな色彩を湛えた、連綿たるパノラマとなった。
それを背景にソプラノがメリスマで歌う、国も時代も異なる3つの詩が、一つの世界に融合した。
3曲目の高嶋作品はウェーベルンやブーレーズにも通じる極めてテクニカルなもの。
予期させないイベントが鋭いアタックで繰り広げられ、緊張感と厳しさを維持しながら大規模な力学的構築を作り上げた。
前半の2作品は、魅力的なオーケストレーションの幕の内弁当のような、お買い得な作品だった。
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