5月23日
本日、ちゅーピーカレッジクレド教室講座
身近なものが長生きとなる食べ物
実は、橘は「不老長寿」の食べ物であった
垂仁天皇は、多遅麻毛理(神功皇后の段、丹波にきた天之日矛の末裔)に常世の国に「登岐士玖能迦玖(ときじくのかく)能(の)木(きの)実(み)」を求めるよう指示を受け、蔭橘子(枝葉つき柑橘類)、矛橘子(やや長く折れた枝葉つきの柑橘類)を採ってきたものの、天皇は153歳で崩御され(書紀によると11年経過の崩御翌年帰還)、持ち帰った柑橘類半分を御陵前に捧げ、大声で泣いてそのまま亡くなっている。
宣長は「橘は、和名抄に、橘和名太知波奈とあり、此名は、将来(もちてき)つる人の名に因て、多遅麻花と云なるべし」と氏名から名前がつけられていることを肯定している。
正月飾りの橙や蜜柑に枝葉がついている理由は、不老不死への願いが込められているかもしれない。特に橙は枝に刺があり矛橘子の名に相応しいし、冬に収穫しないでいると、翌夏にはまた緑色になり冬に橙色になる、血行促進や滋養保健効果があるらしい。
常世国については本居宣長は『古事記伝』で少名毘古那命の段にあるように「常世国は、・・皇国(みくに)を遙に放離(さかり)て、たやすく往還(ゆきか)ひがたき国を泛(ひろ)く云称(な)なり」と解している。さらに日本書紀の表記に「神仙の秘区」とあることに対して「常世国、則神仙の秘区など云る言は、甚(いた)く古の意に違へることなり、ゆめかかる虚文(うつけごと)に勿(な)惑はされそ」と批判している。
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