づれづれ気儘日記です

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書いた人、採用した人、そして読んだ人、それぞれの期待

2013年02月05日 16時41分38秒 | 日記

 今日の朝日新聞 ”声”に載っていた投稿記事。

その内容にグイッと惹かれた。

と、同時にこの投稿を採用した担当者の粋な計らいにも興味を持った。


 投稿者は、93歳の男性。

中身は、なんと60年前の恋の話だ。

当時、恋い焦がれた女性がいたが、うぶな男性は何も出来ずに時は過ぎたという。

そのことが今になっても思い出され、死にきれない苦悩だと綴られている。

奥様を3年前に亡くされ、思いはより募るばかりという。

60年前というと、日本がようやく戦後を乗り切って、成長に向かった頃。

人々は、裕福でもなく、日々の暮らしに精を出していた時期だろう。


 投稿には、お相手やご自分の具体的な勤務先や所属、住んでいた地域を書かれてあった。

ということは、この投稿、もしかすると、そのお相手が見つかる可能性がある訳だ。

・・・・・投稿者もそれを期待しての投稿だったに違いない。

おそらく担当編者も、そういう展開を思い描いて、採用したのかもしれない。



 しかし、なんとも微妙な内容である。

その方の今置かれている状況、永年培ってきた社会環境がきっとあるはず。

93歳になった今、このような投稿を書いて出す、ということ自体、

相当な思い切りがあったことだろう。

 そして、それでも忘れられない、会いたい、という心情を思う。



 だが、いい歳をして、とか、奥様がかわいそう、という意見も多くあるだろう。

そんなこともご本人は承知の上で、書かれたような気がしてならない。



 個人的に『マディソン郡の橋』という映画が好きだ。

名作なので言うまでもないが、

年老いて亡くなってから、すれ違った恋人への思いを果たす、そんな映画・・・。


 93歳のその方の清々しい、純粋なお気持ちに拍手を送りたい。

 そして、思いが叶うことを心から願う。後日談、是非期待したいところだ。