昨日は、スマホとPCと衛星放送を駆使して、MLBのエンゼルス戦、将棋の棋聖戦第3局を同時に楽しめた。どちらも素晴らしい戦いで、感動を消化しきれないくらい良い戦いであった。
藤井聡太棋聖が後手番から見事に3連勝。将棋のビッグタイトル戦における10代防衛は長い歴史上なかったから、これまた快挙なのである。
相手が三冠の渡辺明名人だったから、なおさら価値ある防衛だ。この3局とも現代将棋の最先端いく未知の領域での戦い。
序盤、中盤、終盤通して玉形が不安定のまま攻め合う。将棋界が今まで築き上げた守りの戦型はいったいどこにいってしまったのか。そう思わせてくれるスリリングな中盤戦。
中盤で藤井棋聖はものすごく時間をかけて読みを効かせる。あっという間に終盤戦に突入する感じだ。残り時間が3分から5分しかないのに長い終盤戦を、一手1分以内に指し続ける。
それも難解な互角かすこし不利な状況からでも、中盤までに読んでましたよとばかりの指し手のような早業。時間を残していたはずの渡辺名人が先に1分将棋の秒読みに追い込まれてしまう。
この一年でまだまだ成長し続けている。10代にしてこの完成度、終盤の読みの的確さはなんだろう。
谷川元名人、現日本将棋連盟会長が藤井棋聖の強さを本にして、今回の戦いも鋭い解説をしてくれている。
20代半ばを待たずして、八大タイトル戦のほとんどを奪取する日が来るのかもしれないと思わせる今回の棋戦内容な気がする。