本来ならば、墓まで持ち込んでしまいたい懸案であるが、ブログネタとしてはそれではもったいない話なのである。
それにしても『入れ歯』などという単語、最後まで持ちこたえた『爺の壁』を軽く越えるようなモノを自分も使用する
立場になってしまったとは。 まぁ、甘党で鳴らしてきた自分としてはこのことは覚悟はしていたものの、引越しの最中に
出来上がった物(ブツ)を、2週間前に歯医者が私の口にぶち込んだ感触は一生忘れないだろう。
たかが、右奥歯3本を『入れ歯』にするのに、なんと反対側の左奥歯の方まで伸ばした金属片をはめ込まなければならないのだ。
私はこの『入れ歯』を口に入れている時、自分が肉片を削ぎ落とした『ターミネーター』のフルメタルの『金属歯』になった気がする。
骨をも噛み砕けそうな頑丈な歯を持った幻想をいだき、無性に噛みつきたいような衝動にかられるのは、ドラキュラ現象でもあろうか。
AI・・・などと散々自分たちが生きている時代を未来美化していた私のイメージは、この『入れ歯』一個で『儚い幻想』であったことを知った。
とにかく、『入れ歯』した感触がまさに原始的。
スイスでは『歯の治療』に保険が効かない…ことを知っている人は少ない。
その恐ろしさをスイス人の相方はよく知っていて、私も年2回の歯垢取り+チエックを強制的に歯科医院に行かされていた。
それでも Xデイ はやってきて、一番安い方法でお願いしても何十万円…の『入れ歯』料金に、目ン玉までも飛び出る思いであった。
スイスで『高齢者』とは、まさに『高い歯科料金を払わされる…年齢の者』を言い表す言葉なのだ。
私の周りでも、股関節をなにかに取り替えた…とか、そういった話が日常的にされる時代になっている。
そういった中では『入れ歯』など代替時代としては、比較的些細な『替え物』なのだ。
60歳を越えると、赤いちやんちゃんこを着る風習があるが、それって『青春』の青に対する老人の赤裸々な『赤春』の謳歌を意味するのだろう。
赤春をぶっ飛ばせ 『部分入れ歯』をむき出しにして… 歯歯歯っ!
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