拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 復活祭は・・・

2021年04月05日 | 観自在

  昨日今日とこちらヨーロッパでは『復活祭』で、祝日。

  キリスト教徒にとって、クリスマスと同格ぐらい重要な日…、であるといことが、じつはごく最近わかってきた。

  それは仏教について深く考えるようになって、初めてそうなったような気がする。

  キリストが誕生しても、『復活』がなければキリスト教という宗教が成り立たなかったであろう、と考えるとよくわかる。

  で、『復活祭』がこの春たけなわの時期に行われるのは、もちろん『春を祝する』という、キリスト教以前の土着の慣習

  を引き継いでもいる、厳しい冬が終わりを告げて、新しい生命の息吹く春を祝いたい…という願いが込められている。

  だから、パーク(仏語の復活祭の意味)になると、『チョコレートのうさぎ、卵』がお菓子屋さんのウインドウを飾り、

  そういった物を買っては、庭や家の中にあちこちに隠して、子どもたちがそれを探し当てる・・・というような遊びが

  行事となっていて、家族が集う祭りである。 ただ、それ以上ではない・・・ところがちょっと残念な気がする。

 

  というのは3日前、我々散歩コースのメインとなっているレマン湖畔、ルットリー村の湖畔に屋台風のカフェがあり

  そこでカフェとチョコ入りパンを食べるのが楽しみなコースで暖かくなると決まって行く処であるが、

   

  この日は、こんな風に ⬆︎ 太極拳をしているグループがあった。

  女性が多いようであるが、皆背が高くヒョロ〜っとした体幹から長い手足がゆっくりとヒョロ〜と出てくるようで

  私には宇宙人が太極拳をしているような印象を受けた。

  まぁ、湖畔を散歩していると時折こんな風景に出会い、指導者は西洋人であることが多い。

  私達はコーヒーを飲みながら、湖畔の景色や集う人々を見て楽しんでいたが、太極拳の指導者の女性が、一区切りがついたのか

  我々の方に向かって歩いてきて、サングラスをとって挨拶をしてきた。 

  ・・・ああっ、時折、散歩中にすれ違う夫婦の奥さんの方であった。彼女とは大昔にバトミントンを習っている時に顔見知りになった人。

  その彼女が私達に対して言ったことにビックリした。

  『20年前に、一撮さんに太極拳を見せてもらって、それに感化を受け、以後中国にいつたりして、

  太極拳は私の人生にとってとても重要なのです・・・』と笑顔で言った。

  一瞬、私は彼女が何のことを言っているのか分からなかったが、まぁ、スイスに来た当初、坐禅会をしたり、気功体操をグループに教えたり

  した時期はあったけれど、彼女に太極拳を見せた覚えが全く無かった…ので、戸惑ったが、本人がそう言うのであるから、そうなんだ…

  と実に不思議な気持ちになった・・・。『またこんど、機会があったら是非、教えて下さい』とだけ言って、グループの方に戻っていった。

 

  20年前というと、私が観光ガイドから引越し屋へ転職した時期で、坐禅も太極拳も封印した時期であった。

  それが、定年退職を迎えた4年目にこんな不思議な事を私に告げる人がいるタイミング…と、今の『復活祭』とが私の中で重なってきた。

  本来『復活祭』とは単なる歴史を振り返る行事なのではなく、自分のこととして捉え、自己の何かを『復活』させる機会であると反省

  する行事なのではないだろうか・・・と。

  

  

  



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