逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

北朝鮮叩きの次に中国叩きを目指した安倍晋三首相が「深い反省」

2015年04月26日 | 政治
(幾ら大成功したからと言って冷戦構造の残滓である『北朝鮮叩き』の象徴の「救う会」の青バッジを『馬鹿の一つ覚え』でつけている安倍晋三の不見識)右は苦笑いする中国の習首席。

A級戦犯である岸信介の孫と言う以外に特徴の無い安倍晋三が日本国の首相になれたのは2002年の小泉純一郎の訪朝(北朝鮮による日本人拉致事件の謝罪)であることは論を待たない。
日朝首脳会談での国交回復のピョンヤン宣言は実行されることはなく、日本中に北朝鮮バッシングの嵐が吹き荒れて偏狭なナショナリズムが高揚し社会全体が極限まで右傾化する。
2002年からの北朝鮮叩きの大成功に酔った日本は『二匹目のドジョウ』を狙って、あろうことか次の標的として2010年からは中国を叩きだしたが、こちらの方は相手が大きすぎて不成功に終わっている。(単に国内世論の右傾化が目的だったなら大成功している)
首相就任以後、安倍晋三は何時でも何処でもTPOを無視して青バッジをつけているが、いくらなんでも冷戦構造を克服してアジア・アフリカの連帯と友好をすすめるバンドン会議にまで北朝鮮バッシングの青バッジをつけて参加するのはやり過ぎである。
中国包囲網の構築に邁進していた安倍首相は白々しく、
『両国の関係の発展は、日中両国・国民の利益であり、戦略的互恵関係を推進させていくことによって、地域や世界の安定と繁栄のために貢献していく必要性、認識において一致できたのではないかと思う。今後もさまざまな国際会議が予定されており、こうした機会を利用して首脳会談を行い、ともに両国関係を発展させていくよう努力していきたい。』
『昨年11月のAPEC=アジア太平洋経済協力会議での首脳会談以来5か月ぶりだが、大変有意義な首脳会談だった。前回の首脳会談以来、日中関係は改善に向かっているが、今後、青少年を含め、さまざまなレベルで対話と交流を進め、両国関係の改善の流れを確かなものにしていきたい。』と語ったと22日NHKが報じる。


『今回の「河信基の深読み」が素晴らしい!』

『日中首脳会談:習近平の余裕、安倍晋三の焦り』

(23日付人民日報。インドネシア、ミャンマー首脳との会談は1面トップ。安倍首相は2面。国旗もない)

習近平主席と安倍首相が22日夕、ジャカルタでのアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の60周年記念首脳会議に合わせ、5ヶ月ぶりに会談した。
会談時間が前回の北京でのAPEC首脳会合に合わせた素っ気ない会談と同じ25分間である事が、それぞれの思惑と限界を物語っている。
再会談して顔を繋いだ意味はあるが、内容的には互いの相違点を確認し、事態をこれ以上悪化させない意思を確認するセレモニー以上のものではなかった。
会談に先立って両者は笑顔で握手を交わし、習主席が「両国国民の努力のもとで中日関係はある程度改善できた」と切り出し、安倍首相が「地域や世界の繁栄に貢献していくことは両国の責務」と応じ、まずまずの外交辞令を交わした。
肝心の会談内容であるが、新華社通信などによると、習主席は「日本が真剣にアジアの隣国の懸念に対応し、歴史を直視して積極的なメッセージを発信するよう希望する」と述べ、安倍首相は「私自身も私の内閣も、村山談話、小泉談話を含む歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく」と応じた。
前回の北京での会談は事前のプレスリリーフで相違点を確認しあった後に実現したが、今回も内容的にはその域を出ない。

今回の会談を呼び掛けたのは日本側であった。
来月の安倍首相の訪米前に、中国との関係改善に努力している姿勢を示す必要があった。
しかし、首相官邸からは「中国を牽制する時だ」として、中国に言質を取られかねない会談に否定的な声が公然と聞かれ、足並みが揃っていなかった。
他方の中国は、余裕を示す。
王毅外相は会談に先立って朝日新聞の取材に「日本側が会いたいと提案してきたので、我々も会っていいと判断した。重要なのは日本側が積極的な政策をとり、言行が一致することだ」と注文を付けている。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)を追い風に日本を包容する姿勢をアピールし、歴史認識問題で具体的な注文を付けた方が得策と判断したのであろう。

安倍首相の頭の中は、来月に控えた米上下院合同会議での演説文で歴史認識にいかに言及するかで一杯であろう。
夏に予定する戦後70周年談話のベースになるが、場所が場所だけに一つ扱いを間違えると致命的な外交的ダメージとなりかねないからである。
米上下院合同会議での演説は韓国の朴槿恵大統領が既に行っているにもかかわらず、日本の首相としては今回が初めてとなる。
上下院議員には対日戦争に参戦した元兵士が多く、旧敵国首相を迎えることに反対意見が強かった。
今回ようやく実現するが、安倍首相側近たちが日頃公言している「日本は悪くなかった」、「真珠湾攻撃はアメリカの陰謀」などとやったら、その瞬間、一線を越えたとみなされ、全てが終わる。
そこまで愚かではなかろうが、米側が安倍首相が戦争責任について明確な認識を期待し、注視していることは間違いない。
歴史認識問題は対アジア諸国だけとの問題ではないのである。

安倍首相は日中首脳会談前のバンドン会議で演説したが、10年前の小泉首相と異なり、「植民地支配と侵略」や「おわび」は引用しなかった。
習主席との会談で「先の大戦の『深い反省』の上に平和国家として歩んできた」と釈明したが、中国側は間接的な表現に全く満足していない。隠そうとしていると疑ってさえいる。
バンドンは均しの場であった。安倍首相が演説で触れた「深い反省」というのは祖父の岸信介元首相が1957年の首相就任直後に言及した言葉であり、安倍首相は演説草稿を練る際、それに触れることには同意したという。
格別のこだわりが見てとれるが、元A級戦犯の祖父を超えないと、中国、韓国、米国の理解を得ることは難しい。
歴史認識問題では習主席は韓国、さらに戦勝国同士の米国との連携に自信を深めている。
安倍首相がこだわるほど窮地に追い込まれる。

2015/4/23(木) 河信基の深読み

『頭が空っぽで目が節穴の低脳右翼でも、阿呆にはアホなりの屁理屈が存在してる』

今回、河信基がバンドン会議60周年での安倍晋三の驚きの『深い反省』発言が、実は『「深い反省」というのは祖父の岸信介元首相が1957年の首相就任直後に言及した言葉』だとの指摘は目から鱗。『なるほど♪!』納得である。
頭が空っぽで目が節穴の低脳右翼の安倍晋三でも、阿呆にはアホなりの屁理屈が存在してるのである。
多くの護憲左翼が勘違いしている事柄ですが、安倍晋三などの靖国史観の右翼の歴史修正主義者が『日本が正しい』と主張していると思っているが、実は彼等は『正しい』とは1回も主張していない。
日本国の安倍晋三ら対米従属の低脳右翼が主張しているのは、似ているようで似ていない『日本は悪くない』なのです。

知性や論理に勝る左翼がうっかり勘違いするのですが、日本国の右翼とは、ナチスやヒトラーを賞賛する欧米のネオナチとは大きく違っている。ネオナチが『ヒトラーは悪くない』では恰好が悪すぎる。
本物の右翼(歴史修正主義)なら『日本は正しかった』と言わなかったら臆病すぎて可笑しい。余りに消極的で右翼として恰好が悪すぎるのである。
ところが、日本の場合『正しかった』では無くて、必ず『悪くなかった』なのです。この二つは左翼にとっては同一の言葉なのですが、何と何と右翼にとっては明確に違っているのですから大笑い。
普通に考えれば『男』でなければ『女』な訳で、日本国の右翼連中は全員がニューハーフの様な玉無し状態なのです。
『大日本帝国の悪』を否定するなら『日本が正しい』としないと辻褄が合わない。
ところが右翼(保守)を名乗っているのに、誰一人も(低脳のタモ神を除けば)全員が『正しい』では無くて、超弱気の『悪くない』である。
ピーピー鳴く気弱なひな鳥の安倍晋三を筆頭に戦後極右の全員が大嫌いなはずのアメリカ製の現平和憲法的な価値観そのものなのです。
心の中では密かに思っているかも知れないが、人前では決して『日本が正しかった』と絶対にいえない根性無しの日本の右翼。情けないと言うか愉快と言うか、実に興味深い現象である。



『今の騒乱のウクライナ(ポロシェンコ)に似ている右傾化する日本(安倍晋三)の袋小路』

(ナチスのカギ十字を連想さすウクライナ国家親衛隊の右翼民兵組織「アゾフ」大隊の軍旗)

『ポーランド 「ナチ党員」の英雄化でウクライナとの対話停止へ』

ポーランドのコモロフスキ大統領は、ウクライナ議会が「ウクライナ民族主義者組織」と「ウクライナ蜂起軍」の活動を独立運動として承認したことについて、ポーランドとウクライナの歴史的対話を不可能なものとしているとの考えを表した。
ウクライナ最高会議は4月9日、「ウクライナ民族主義者組織」と「ウクライナ蜂起軍」を20世紀のウクライナ独立の闘士として承認する法律を採択し、そのメンバーに社会保障を受ける権利を与えた。
コモロフスキ大統領は23日、テレビTVN24で、「同法律の不幸な点は、それがポーランドとウクライナの歴史的対話を不可能なものにしていることだ。この話し合いなしに、和解や重要な問題を解決することはできない」と語った。
「ウクライナ蜂起軍」は、1942年10月に「ウクライナ民族主義者組織」の軍事部門として結成された。「ウクライナ蜂起軍」はナチスと協力してソ連軍と戦った。
2015年04月23日Sputnik
ウクナイナでは大統領選挙で敗れたのにユーシェンコは『ダイオキシンを呑まされた』とのキャンペーンで選挙やり直しの末に自分が大統領になる、不思議ないわゆる『オレンジ革命』なるインチキ臭い出来事が11年前の2004年に起きていた。
欧米が支援したオレンジ革命のユーシェンコ大統領の政治力は無茶苦茶で、国民に支持は最低になり到底再選される見込みが無い。
窮地に陥ったユーシェンコ大統領は、あろうことかナチス以上の凶悪で偏狭なウクライナ至上主義のステファン・バンデラの顕彰を行い、それまで眠っていたウクライナの禍々しい悪夢を甦らせるが大統領選挙での得票は数%で惨敗している。(当選したのは前回当選者で親露派のヤヌコビッチだった)
ウクナイナ西部カトリック地域にはステファン・バンデラなどの極右民族組織の長い伝統があり、戦争中はナチスドイツと協力してユダヤ人やポーランド人、ロシア人などを大量に殺害する。
ナチスが敗北した第二次世界大戦後にもウクライナ蜂起軍は反共パルチザンを解散せず、こんどは西ドイツや米国の諜報機関の支援でソ連に対して10年間もテロや破壊活動を継続していた。(狂信的なウクライナ至上主義による要人暗殺や少数派の虐殺では70万人以上が犠牲になっている)

『偏狭な愛国主義・民族主義(歴史修正主義)は全ての可能性を奪ってしまう可能性がある』

ドイツ経済ニュースDeutsche Wirtschafts Nachrichten(DWN)によれば、ウクライナのヤツェニュク首相は、ロシアとの貿易・経済関係が完全に回復することはないとの確信を示し、国産品を欧州諸国に輸出できるようになることに期待している。
しかし、DWN紙はウクライナ経済が欧州諸国の関心をひくことができるとしたら、それは原料の供給者や自国の商品の消費市場としてのみであると断定してしいる。
DWN紙は同時に、ウクライナ国立銀行の元総裁でウクライナの首相代行も務めたセルゲイ・アブゾフ氏の、『キエフの「欧州的未来」が起こることを信じてはいない。なぜならウクライナは経済的に競争力がないからだ。』
『ロシアとの経済関係が破綻したことにより、この1年間でウクライナは70億ドルを失った。貿易額は約3分の1に減少し、早急に回復することは不可能だ。
原則的に、ロシアの参加なしに従来の貿易額に戻すのは不可能だ。誰も労働生産性の低い私たちが欧州市場へ進出することを許しはしない。
彼らは私たちを原料の付属物や自国の商品を消費する市場とみなしているだけだ』との見解を報じた。
親欧米派のウクライナ大統領のポロシェンコが望むか望まないかには無関係に、ウクライナとロシアは文化的言語的人種的に一番近い関係にあるばかりか、経済関係がシャム双生児のようにロシアと一体化していたので、今のようにロシアとの経済関係の断絶は即ウクライナ経済の崩壊に直結しているのである。
この程度のことは関係者や有識者なら誰でもが知っている常識ごとであるが、アメリカの逆鱗にふれる(虎の尻尾を踏む)ことを恐れて決して口にしない恐ろしいタブーなのである。
今回ウクライナ経済の崩壊を報じたドイツのDWN紙は、シャルリ・エブド社襲撃事件に抗議してパリでの100万人デモで十数カ国の政治家らが追悼行進に参加したとの欧米マスメディアの写真は『捏造されたものだった』との大スクープを唯一(最初に)報じた新聞社でもある。
ウクライナとロシアの関係と似ているのが日本と中国韓国との関係で、嫌韓嫌中を幾ら進めても日本に文化的にも経済的にも一番近いのは大好きなアメリカではなくて、大嫌いの中国韓国である目の前の事実は何ら変化しない。
お先真っ暗なウクライナが良い先例で遠いアメリカを唯一の頼りにして、近い中韓と争えば日本に大損害が出るのは明らかなのである。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あの安倍晋三首相が「深い反... | トップ | レベル7のチェルノブイリ核... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
1番近い言語 (農婦)
2015-04-29 06:34:26
何のせかんのせ、言ってもお隣です。一番近いところです。船で逃げる事もできるところです。日本リーダーは、深慮して私達国民を誘導すべきかじ取りなはずなのですが、安倍晋三氏は、一人自分の思いのまま、私達国民を放り投げ出すような施政方針ばかり、こんな宰相を選んだのは誰なんでしょうかね。わかりません、何でこうなるのかわかりません。
返信する
あれから10年 (農婦)
2015-04-29 06:59:22
私は東北の寂れた田舎で暮らしてました。10年前娘がPCというものを我が家に持ってきてから、私の概念は?放棄で払うが如く払われ、60歳の時に、学術書ではないですが、勉強しました。昨日、我が高校の日本歴史の師の家に行ったら、娘が本を処分したいと言った、我が師の本ですが、私はおくところも無い。勿体無い。我が師は、田中正造を拝し、教職退職後、仲良しの、同僚とともに歴史の研究を続けていたそうです。我が師は日本歴史、同僚は西洋史(私も学んだ我が高校の師です)
かなり研究はしていたそうです。
返信する
自ら進んで (桁 喜世ニ)
2015-04-29 11:03:25
『信念のオウンゴール』今の首相のやる事為す事をこのように評した政治学者の人が居ります、成る程と思いました、当人にとっては確たる主義主張に基づいた言動なのでしょうが、端から見ていると顔を覆って伏したくなるような事ばかり、このような事をやらかしている御仁がよりにもよって日本国総理大臣、暗澹限り無し。
返信する
亡命できない日本人の不幸 (宗純)
2015-04-30 15:12:43
農婦さん、桁 喜世ニさん、コメント有難う御座います。

少しでも歴史や世界の知識や経験があれば、今の安倍晋三を見れば『信念のオウンゴール』としか表現出来ないような不思議で恥ずかしい話なのですが、・・・
これ、如何解釈すれば良いのか本当に困りますね。極近い将来の大失敗は確実であり、日本が神風が吹いて助かる見込みはゼロなのです。
そういえば、韓国の旅客船セウォル号船長が未必の故意の殺人罪で無期懲役の判決が下りたが、今の安倍晋三と、この船長の言動がそっくり同じなのです。
セオゥル号ですが45度以上傾いているのに、船内放送では『安全の為にその場を動かないで下さい』と繰り返し繰り返し流れていたと言うが、
普通の大人の判断なら誰でも間違いだ。このまま逃げ無いと死ぬと気が付くが、運悪く乗客の大部分は純真な高校生だったたことが不幸を倍加した。
71年前に日本の最後の防衛ラインであるサイパン島が陥落した時に、日本の敗北は決定されたのに、ひょっとしたら神風が吹いて日本が助かると思ったのか、1年間もだらだらと負戦を継続して日本中を焼け野原にして原爆とソ連軍の侵攻を見た日本。
普通の敗戦でも惨めなのに、日本の場合には、わざわざオウンゴールで、損害額を天文学的に膨らましているのですから情けない。
返信する

コメントを投稿

政治」カテゴリの最新記事