『志位委員長「衆院選、責任を痛感」』
共産党の志位和夫委員長は4日、党本部で開いた旗びらき(仕事始め)であいさつし、先の衆院選で公示前の9議席から1議席減らしたことについて『委員長として責任を痛感している』と述べた。
1月5日(土)産経新聞
共産党のトップが国政選挙の結果をめぐって自身の『責任』に言及するのは極めて異例で、20年間以上にわたって、いくら負けでも通常は『悪質な反共攻撃で後退した云々』で済まして負けた選挙の総括を長年サボっていた。反共宣伝が原因なら悪いのは相手で、誰の責任でもない。(共産党の責任ではない)
もちろん共産党以外の他党なら当然の『敗戦の責任をとってのトップの辞任』などもまったく無かったのです。
志位委員長の同趣向の発言は、『「責任を痛感」 共産・志位委員長が異例の言及』と題する2012.12.26 産経記事がある。
去年末の産経記事では衆院選議席減で志位和夫委員長は12月26日、国会内で開かれた共産党の議員団総会での挨拶で、目標未達に終わった先の衆院選の結果について、
『情勢が求める躍進を果たせなかったことに対し、委員長として痛く責任を感じている。自己分析して、参院選の前進、勝利に生かしたい』と述べている。
共産党は10月に開いた第5回中央委員会総会(5中総)で、衆院選の目標について公示前の9議席から18議席への倍増と、比例代表での650万票獲得を打ち出していたが、結果は1議席減、比例代表の獲得票数も約369万票と大きく後退した
『2013年 日本共産党のスタンスに変化の兆し 有りや!無しや』
2012年9月2日のラジオJFN番組「ザ・ニュースペーパーの『PEOPLE〜日曜日の朝刊・世界を笑え!』」に出演した志位委員長は、被災地に天皇陛下が行って、ひざを突き合わせて国民目線でしゃべっている姿をどう思いますかと聞かれて、『共感するものがあります』と発言。
1月1日付赤旗記事でも、『昭和天皇は、侵略戦争と暗黒政治の責任者として、天皇個人についても厳しい批判をしてきました。しかし、代替わりしたいまは、自然体で対すればよいと考えています。天皇の制度とは「国政に関する権能を有しない」という憲法の規定を守る限り、共存していくという立場なんです。』と志位和夫共産党委員長は語っている。
志位氏は、『今度の選挙で、私たちは、党員や後援会員のみなさんの奮闘を、議席の前進に結びつけることができなかった最大の理由が、党の自力の問題にあるということを痛感しました。』
『党の力の根源は何よりも、さまざまな困難に直面し解決を求める広範な国民に溶け合い、溶け込み結びつく力にあります。』と語り、従来の最重要課題とされてきた『赤旗読者』や『党員』の拡大よりも、『一般の国民との融合路線』への共産党の大転換とも読み取れる。
『大敗北の自覚がない赤旗編集部、自覚がある?共産党執行部』
1997年に消費税が3%から5%に増税された直後の1998年参議院選挙で勝利して以来、日本共産党は国政選挙では負け続けて次第に力を失っている。(消費税増税で発生した未曾有の消費不況が明らかになる中での参議院選挙で、共産党は820万票の史上最大の得票を得ている)
ところが共産党は自分達が『負け続けている』との自覚が何もないから、今まで自己改革が全くできなかった。
20年以上も国政や地方議員の選挙で勝てないにも拘らず『反共宣伝が云々』で負けた選挙の総括を済ましていたのですが、2010年の参議院選挙での歴史的大敗で、初めて共産党が敗北を認めると共に『反響宣伝が云々』を封印して原因究明を公言した。
日本国全体の病的な右傾化による護憲左翼勢力全般の衰退傾向により社民党は選挙の度に得票を減らして党消滅の危機に晒されている。
左翼護憲派の退潮にも拘らず、共産党だけは勝てなかった選挙戦ではあるが最低でも参議院450万票、衆議院490万票のコアの基礎票を死守して踏みとどまっていたのです。
ところが、2年前の参議院選挙では共産党のコアな支持基盤(基礎票)の崩壊現象がとうとう起きて仕舞った。
共産党は2010年参議院選挙で態度を変更、何時もの『反共宣伝』を言わず正直に敗北を認めている。
ところが共産党機関紙赤旗ですが今回の総選挙の結果報道で1議席減にも拘らず、得票数で13万票、得票率で0・03%の前進であると書いてある。
限りなく大本営発表に近い無茶苦茶にも程がある馬鹿話か、破壊的カルト宗教創価学会機関紙の聖教新聞の真似である。
あるいは溺愛するあまり、悪いことはすべて無視して良いところだけを見つけて褒めて済ます、出来の悪い子供を持った母親の態度である。
あまりに愚かしい。
前回大敗した2010年参議院の比例得票は356万票。今回の総選挙の比例得票は369万票。
共産党の特徴は毎回同じで衆議院選は参議院選挙よりも得票で50万票、1割以上大きく出るのですから、今回の総選挙結果は前回大敗した2年前の参議院選挙以上の歴史的な大敗北を喫している。
ところが前回のような大敗北の自覚が共産党機関紙赤旗編集部には全く無い。
先祖返りしていて、20年間以上も負け続けているのに絶対に『負け』を認めなかった2年前の参議院選挙以前の『反省しない共産党』と同じ態度なのです。
何らかの変化が期待できた2年前とは大違いである。『元の木阿弥』なんの変化もない。、
これでは何らかの変化を期待しても、残念ながら無駄でしょう。
今回、共産党委員長の志位和夫の異例中の異例の、歴史的な責任発言が共産党機関紙赤旗ではなく、よりによって日本で一番腐敗した対米従属命で売国的な右翼紙の産経新聞で読む羽目に陥るとは世も末である。(こんなことが続くようなら赤旗の購読を中止して産経を定期購読する必要が生まれる)
『日本共産党の小さな一歩、大きな変化』
公平を期する為に、総選挙直前の共産党の大きな変化を指摘するべきであろう。
1998年の人工衛星打ち上げ失敗を北朝鮮軍事独裁政権当局は『成功した』と真っ赤な嘘を発表する。
この不始末を見逃さず日本政府は『ミサイル(テポドン)の打ち上げである』として人工衛星の失敗としていた米国や中国ロシア韓国などを説き伏せて強引に安保理での非難決議と経済制裁を可決する。
久々の日本外交の大成功であるが、事実は矢張り北朝鮮の人工衛星の失敗だった。
衛星打ち上げロケットと弾道ミサイルが同じ種類の技術を使用しているが、両者には明確な違いもある。
弾頭の有無にかかわらず弾道ミサイルには必ず明確な着弾地点があるし、大気圏再突入時の猛烈な摩擦熱から弾頭やミサイル本体を守るノーズコーンが不可欠であるが、1998年時点の北朝鮮のテポドンには何れも無かった。
それなら1998年時のテポドンは間違いなくロケット(人工衛星の打ち上げ失敗)である。
この時の赤旗ですが日本政府の成功に便乗して北朝鮮の『ロケット打ち上げ』から『ミサイル発射』に表記を変更して、その後は一貫して『ミサイル』と表記していた。
ところが昨年末、日本国内のマスメディアでは唯一日本共産党機関紙赤旗だけがミサイルではなくて『ロケット』と表現していたのです。
ただ残念ながら、それ以外の赤旗記事は以前とまったく同じ北朝鮮バッシングの態度だったので、読者の誰一人も日本共産党の大きな変化(小さな第一歩)に気がつくものが無かったらしい。
サハリン沖でのソ連機の大韓航空機撃墜事件や中国の天安門事件で、なんの関係もない日本共産党が国政選挙で大敗北してきた歴史がある日本では、マスコミ総がかりで10年以上も吹き荒れた『北朝鮮叩き』が自動的に反共宣伝になり日本共産党が選挙で負ける客観的な現実が、韓国哨戒艦天安沈没事件報道に明け暮れた2010年の参議院選挙の歴史的大敗北で、時間がかかったがやっと理解できたようなのです。
『北朝鮮バッシングと連動している日本国の右傾化』
2002年の小泉訪朝以来のマスコミを総動員した北朝鮮バッシングの影響は凄まじい。
欧米の主要マスコミまでが心配する日本の病的な右傾化の原因は、バブル崩壊から20年続くデフレ経済による日本社会全体の停滞・衰弱の影響が大きいが、経済問題以外では1998年のテポドン騒動から14年間も続いているマスコミ総がかりの北朝鮮バッシングの占める割合は絶大である。
日本でなくとも北朝鮮叩きのような隣国に対するネガティブキャンペーンを行えば必ず稚拙な愛国心が刺激され極度に右傾化するが、我が日本国では国を挙げて10年間も飽きることなく繰り返していたのである。
これで右傾化しなければ嘘である。必ず右傾化する。
特に問題なのは日本の行っていた北朝鮮バッシングでは社共両党など左翼も含めてほぼ挙国一致状態だったことでしょう。日本国内では誰も『それは、危ないから止めよう』とは言わなかったのである。
本来なら真っ先に止める役目の日本共産党までが、北朝鮮叩きの神聖同盟に参加していた。
去年末に日本共産党は初めて、他のマスコミに同調せず『北朝鮮のロケット』と表現を変えた歴史的な意味は大きいでしょう。(去年4月時点ではミサイルと表記していた)
日本の政府やマスコミは、北朝鮮がミサイル発射の後で必ず核実験などの、悪質な軍事挑発を繰り返していたと描いているが、客観的な歴史事実を見誤っているか、より重大な事実を隠蔽している。
『経済制裁に対する対抗処置としての北朝鮮の核実験』
北朝鮮が2006年、2009年と核実験を行った事実は確かな事実である、
しかしミサイル発射即核実験ではなくて、北朝鮮の場合にはミサイル発射を口実にした安保理の制裁決議と連動した日本の経済制裁のあとの核実験である。
日本政府やマスコミの主張する『ミサイル発射⇒核実験』の構図ではなくて、客観的事実は『ロケット打ち上げ⇒北に対する制裁⇒核実験』の順番となっている。
この場合、日本政府が果たしている役割(責任)は重大である。
今でも国連軍(アメリカ軍)との朝鮮戦争の戦争状態を維持している北朝鮮としては、国連による制裁に対して少しでも弱みを見せれば負けると考えているのでしょう。
喧嘩と同じで、やられたら『倍返し』とばかりに制裁には核実験など過剰に反応するのです。
去年4月の衛星打ち上げ失敗に対し安保理は実効性が無い(名目だけの非難の)『議長声明』で済ましているので北朝鮮としても対抗処置を取る必要が無かった。
去年末の衛星打ち上げ成功では安保理は、前回の議長声明より実効性が無くより格落ちの『安保理談話』と、北朝鮮への非難レベルを低下させている。
今回のように何の実効性もない『談話』程度なら、北朝鮮としても過激な対抗処置をとる大義名分がなくなるのです。
GNPでみれば日本のどこかの1つの県と同じぐらいの国を、みんなで攻撃している。
私の友人は中学時代に一人、大学時代に一人北に帰って行きましたが、彼らが生活している国を私は敵視したくない。大学時代の友人は金日成思想にあこがれて夢をもって帰って行きましたが、かれが平穏に生活していることを願っています。
日本人は戦前の侵略・植民地政策の非道を何ら反省することなく全く食えない民族です。
ニム・ウエールズの小説「ありらんの歌」の冒頭に
「夜のしじまに星影多く、人の命に罪科多し」とありますが、日本人は大陸への侵略行為とその過程で行われた非道の行為<罪科>を真摯に反省して貰いたい。右翼と一緒になって北朝鮮を批判することはやめて貰いたい。共産党まで民族主義になってどうする。少なくとも共産党は勇気を持って右翼批判の先頭に立って貰いたい。
私は今度の選挙で生まれて初めて共産党の候補者に投票しました。しかし選挙の結果を見てはっきり言って気が抜けました。もう日本には失望しました。
日本の学校のいじめ問題ですが、いじめが深刻化する原因とは、いじめの加害者側が、『約束を守らなかった』とか『醜い。不潔である』とか『集団の規律を守らない』とか『何かの悪い事をした』などとかの、いじめ被害者の日頃の行動の欠点とか容姿とかを指摘して、自分たちの行動が正しいと信じているかららしいですよ。
しかも、多くの場合には根拠の無い因縁ではなくて、事実としていじめ被害者側に何らかの落ち度があるのですから、なんともやりきれない話です。
被害者の落ち度を理由にして集団で長期間のいじめ(攻撃)が行われるのです。
またいじめ被害者は負の攻撃性を持っている場合が多い。陰気で何を考えているのかが分からない事が、集団による悪質ないじめを誘発するのです。
こうしていじめの例題を並べると今の北朝鮮にピッタリ当てはまるから恐ろしい。
北朝鮮バッシングですが、これはいじめと体罰の混合物ですね。
小泉訪朝後のマスコミ総動員の北朝鮮叩きの一大キャンペーンが日本では国家ぐるみで行っていたのですよ。
アメリカのブッシュ政権によるイラク強制民主化と相似形の、日本の自民党政権による北朝鮮強制民主化です。
2002年秋の拉致被害者5人の一時帰国では、北朝鮮当局との約束は何ら考慮する必要はない。北朝鮮は日本の援助が無ければ早晩崩壊するので日本が強く出れば『年末まで、遅くても年明けには全て解決する。』との無茶苦茶な荒唐無稽な楽観論がマスコミで流されていた。
当時の北朝鮮の貿易は日本、韓国、中国がそれぞれ2割程度だったが、日本の経済制裁で日本はゼロに。
イラクのフセイン政権が軍事独裁政権だったように北朝鮮が軍事独裁政権であることは事実だが、力自慢のアメリカでも失敗した強制民主化が不慣れな日本国が行って万に一つも成功するはずがない。
成功するはずがない強制民主化(北朝鮮叩き)ですが、賛成することで党勢が伸びるのであれば必要悪として何とも致し方ない話ですが、事実は正反対。
社会全体が右傾化するので右翼勢力は利益を得るが、反対に社共など護憲左翼にとっては致命傷になる。
その程度の政治的判断は自民党や共産党幹部でなくとも政治に興味がある者にとっては1998年のテポドン騒動の時に分かっていた筈なのですよ。
あるいは、分かっている者だけが政治を語る資格があるのです。
野田佳彦や安倍晋三が何処に行くにも年がら年中『救う会』の青バッジを付けているのは北朝鮮バッシングが自分のために得になると信じているからですね。
北朝鮮叩きの副作用の日本国の病的な右傾化で右翼勢力は、今までは間違いなく得になっていた。
ところが右傾化が進みすぎて、欧米が心配する危険なレベルに達して仕舞う。第二次世界大戦の歴史の修正で今度は日本が叩かれるのですから、得をした自民党にとっては因果応報です。
日本共産党は最初から少しも得になっていないのですから丸損です。政治常識を知らない無能、無策の幹部の責任は重いでしょう。