逝きし世の面影

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5G(次世代通信)覇権を制した中国

2020年06月17日 | 軍事、外交

米、国内企業とファーウェイの協力容認 5G基準作りで 6月15日 ロイター

米商務省は15日、米国企業が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]と取引することを禁止した規則を変更し、第5世代移動通信システム(5G)などの基準作りで同社と米国企業の協力を認めると発表した。

ロイターはこれより先、商務省など関係政府機関は規則変更を承認済みで、官報への掲載待ちだと報道。ロス商務長官はロイターに対する声明で報道内容を確認していた。
ロス長官は声明で「米国が技術革新において世界的リーダーの地位を譲るつもりはない。商務省は米国の国家安全保障や外交政策で国益を守りつつ、米国の技術が国際標準となるよう国内産業が全面的に関与することを推進していく」と述べた。
商務省はその後の正式発表で、基準作りへの米国企業の参加は「5Gや自動運転、人工知能など最先端技術の将来に影響を及ぼす」と指摘した。 
商務省は昨年、政府の許可なく米国企業から製品や技術を調達することを禁止する「エンティティーリスト」にファーウェイを追加した
業界関係者や政府当局者は今回の規則変更について、米政府がファーウェイに対する態度を軟化させたと受け止めるべきではないとの見方を示した。ファーウェイがエンティティーリストに加えられたことにより、企業間の基準作りで米国は不利な立場に置かれたという。
どのような技術や情報をファーウェイと共有できるか不確かとなったため、一部の米国企業のエンジニアは基準作りへの参加を控えるようになり、ファーウェイの発言力が強まっていた

関係筋によると、今回の規則変更は米企業や議員のこうした懸念の声を受けて実施されたという。ワシントンの弁護士で元商務次官補のケビン・ウルフ氏は、規則の変更に伴い「米企業はファーフェイを巡る政府の方針に抵触することなく、国際基準を巡るリーダーシップを維持する上で大きな助けを得るだろう」とした。
6月15日 ロイター

マスコミ全員が「見ざる聞かざる言わざる」で押し通すロイター記事

日本のテレビや新聞の主要ニュースでは正体不明のSARS2がメイン、中国ファーウェイの排除を諦めたアメリカ商務省とのロイターの記事が誤報でないとしたら結果のあまりの恐ろしさに全員が震え上がって(心底怖がって)沈黙しているのである。



世界を攪乱する中国、退場するアメリカ

アメリカのロス商務長官の6月15日釈明発言ですが、これは吉本新喜劇の池野メダカの定番ギャグのパクリで、喧嘩でボコボコにやられた後、「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」(この後、めだかをボコボコにしていたチンピラ達が全員一斉にズッコケる)と同じだった。
4Gを支配するアメリカの完膚なきまでの「ぼろ負け」(中国ファーウェイの完全勝利)は明らか。
★注、
経済学者の野口悠紀雄は最新の著作「中国が世界を攪乱する・AI・コロナ・デジタル人民元」では「デジタル全体主義大国」であるとして、アメリカに代わって中国が世界を支配する不愉快な近未来社会の成立を警告している。

もう遅い!たぶん、致命的な手遅れ(戦略ミス)

ロス商務長官は「(アメリカの安全保障や世界支配に直結する通信網の)技術革新のリーダーの地位を守る」というが、今までの米国基準が時代遅れになっている。(★注、多くの善良な人々が勘違いしているのですが、実はスポーツでも政治でも経済でも何でも同じで、優れたものが勝つのではなく「規則」や「基準」をつくったものが必ず勝つ仕組みになっている)

次世代通信網5Gでトップを走っていた中国(ファーウェイ)を徹底的に排除することで、(その間に技術革新を行って5Gで「世界基準」をつくり)アメリカが勝つ心算が、逆にアメリカ企業が(中国が圧倒的にリード。一人勝ちする)「世界基準」から結果的に排除されていた。

仕方なく今回の「ファーウェイとの協力」再開の決定となったと思われるが、もう遅い。(アメリカが封鎖していた1年半の間に、中国とアメリカの技術革新の差がもっと開いていた)中国が5Gで膨大な特許を取得しているのでアメリカなど他国企業は圧倒的に不利になる。

トランプ氏は拘束要請「知らず」 米中会談前、 2018年12月7日  ロイター

中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)をカナダが拘束したことについて、トランプ米大統領はの米中首脳会談前に知らされていなかったと報じた。ボルトン大統領補佐官は「(自分は)事前に知っていた」、トランプ氏については「分からない。大統領に全てを報告するわけではない」と述べる。

★注、
2018年12月1日ブエノスアイレスのG20でトランプと習近平の首脳会談が開かれ米中両国の緊張緩和が模索されている。
ところが、そのアルゼンチンのG20開催日(米中首脳会談)と同じ12月1日にカナダ(トルドー首相)は米国務省の要請でファーウェイの孟晩舟CFOを拘束している。(トランプにしろ習近平にしろ政権トップとしてのメンツが丸つぶれ)

摩訶不思議な米中経済戦争(ファーウェイの孟晩舟拘束)から1年半

1年半前に唐突に始まった米中経済戦争が唐突に中国勝利(アメリカの腰砕け)で終わるが、中国武漢で始まった新型コロナと米中経済戦争の二つは別々の出来事ではなくて、一つのコインの裏表の関係にある。(★注、トランプが全面勝利したのか、それとも無条件降伏したのかは不明)

このまま、すんなり米中経済戦争が中国勝利(アメリカの腰砕け)で終わるなら、新コロ騒動もすんなり終わり今年11月のアメリカ大統領選も平穏に終わる。一応めでたしめでたしで、平和が回復する。

奇妙奇天烈な新コロ騒動発生から半年

しかし、逆にアメリカの巻き返しが起きて決着がつかず泥仕合(消耗戦)になれば米中経済戦争だけではなく、不愉快な都市封鎖や暴動など色々な新コロ騒動は当分続くことになるが、それでは我々一般市民の体力も気力も持たない。

トランプ大統領の初めての国賓はホワイトハウスにイギリスのテリーザ・メイ首相を招いたが、二人目は2017年4月6日に中国の習近平を米南部フロリダ州パームビーチにある自分の別荘マール・ア・ラーゴに招き愛娘のイバンカ夫妻など家族ぐるみで歓待する。(写真はトランプの孫娘が中国民謡を習近平夫妻の前で中国語で熱唱する大サービス)

アメリカ大統領就任後に初めて国賓としてホワイトハウスでの英国メイ首相とトランプの首脳会談に比べてみれば、明らかに中国(習近平)への厚遇は際立っている



便利だが、本当は怖い4Gスマホ もっと便利だが、もっと怖い5G

第2次世界大戦で解読不可能と言われたナチス・ドイツの暗号機エニグマを天才数学者アラン・チューリングの機械式コンピューターで解読したイギリスが(戦場では弱くてもの諜報戦では無敵で)WWⅡや冷戦の主導権を握ったが現在のアングロサクソン系5カ国の盗聴網ファイブ・アイズの中心はデジタルの4G通信。ところが中国主導の5Gではアメリカやイギリスなどアングロサクソンの
世界支配など夢のまた夢。世界は180度逆転するのである。(★注、昔からのアナログ固定電話の盗聴はわざわざ録音する必要がある。ところがデジタルは通信記録が自動的に永久に残される仕組み)

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1 コメント

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Unknown (ローレライ)
2020-06-17 08:50:46
大躍進妨害したフルシチョフに及ばないトランプ。
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