アメリカは最先進国としての『顔』と同時に、全く相反する最後の宗教国家としての『顔』も同時に持っている不思議がある。
ところがアメリカに20年以上在住して政治ブログを立ち上げている無政府主義者としてのejnewsさんの目からは宗教国家としてのアメリカは『無い』らしいのです。
逆に宗教側から見れば、日本に良く知られている世俗的なアメリカは『アメリカ』ではないらしい。
この両者は全く相容れず、かつ共存しているのですが先進政治大国としてのアメリカを扱う政治ブログは多くあるが宗教には興味が無く扱わない。
仕方なく宗教系との会話を試みたのですが、残念ながら宗教系ブログでは矢張り政治が興味が無いので両者の間には交流は無い。
『宗教との決別』2009年11月20日宗教英語日本語ニュースのejnews さんから送られてきたコメントと当方の返答が、現代アメリカの不思議の解明に役立つのではないだろうか。
『宗教 』
(ejnews)
2009-11-23 15:43:23
勿論、仏教や他の宗教はキリスト教と較べると少数派ですが、共和党支持母体右翼イヴァンジェリカルだけを取ると別に多数派と言う物でもない様で、少数の問題を起こす過激派に近い状態だと思います。独立時も独立派は人口の4分の1位(3分の1かも知れません)だった様で少数過激派と言った状態だったようです。
現在のアメリカの知識水準の低下は米情報局によるイランのモザデグ首相に対するクーデター、“エイジャックス作戦”を実行した頃から政府の方針で地理や国際社会(恐らく歴史もそうだと思います。アメリカの義務教育内の歴史教科書は酷い物で、先生も大学で歴史を専攻した人は20%程だと言う事です)を授業で教えない様にしてきたからだそうです。理由は米市民が米政府の外交政策の事実、結果を知るとアメリカ人の事ですから当然デモンストレーション等をして大問題になるでしょう!其れを恐れたのだそうです。
と言う事で一般的なアメリカ人は政府の半世紀に及ぶ政策の犠牲者だと言う事です。問題は論理的に社会問題、国際社会に付いて考えられないので“神と銃に頼る”と言う事になり易いのです。オバマが選挙中同じ事を言って大問題になりましたよね。
キリスト教ですが、キリスト自身は仏教から影響を受けたのではないかと言われる事もあり別に偏狭な人ではなかったようです。問題は後にコンスタンチヌスに始まりキリスト教は国家権力と結びつき、又現在の聖書はローマ教皇権力や欧州の王権政府などによって編纂されている事とユダヤ経の旧約聖書が含まれているので仏教経典とは違った問題があるようです。(仏教経典はインドから東南アジアに広がる仏陀の述べた事に近い経典を守る宗派と北上し中央アジアや特に中国で原典を解釈した矢鱈に多い経典を持つ宗派の違いがありますが)
健康保険改革に反対している保険業界とコック家の様な資本家が偽の草の根運動のグループを結成(フロントグループと言います)し無知な市民に偽りの情報を流し、しかもフォックスニュースの様な極右翼ニュースチャンネルが如何にも健康保険反対運動が国民に幅広く支持されている様に報道している事実は日本で報道されているのでしょうか。実は此れが一番大きい問題なのです。若し日本から突然アメリカを訪れた人がフォックスニュースを見るとアメリカ人は本当に社会健康保険を嫌って居る様に思うでしょう。
政治的保守勢力は宗教を利用するものですから共和党と保守派イヴァンジェリカル宗派等が近寄るのは当然ですよね。スペイン内乱時に合法的なスペイン共和国政府が社会主義者とアナコシンディカリスト達の支持を受けていたのでアメリカのカトリック教会等が米政府に圧力をかけフランコに有利な外交政策を採った事も有名な話ですね。
『フォックスニュースの悪質なプロパガンダ』
(逝きし世の面影)
2009-11-23 17:00:57
今月13日のオバマの初来日時に天皇を表敬訪問したときの話ですが、オバマはアメリカ歴代大統領として、日本の天皇に初めて御辞儀をしたのですが、この事でフォックスニュースでは『卑屈』であるとか『アメリカの恥』とかのマイナスイメージを振りまくネガティブキャンペーンをしているらしい。
オバマは世界の政治家相手ではお辞儀をした事は無いが、以前にもサウジアラビアの国王にお辞儀したらしい。
サウジ国王は単なる王家というばかりでなくメッカとメジナというイスラムの聖地中の聖地を守護する役目が有る宗教的な意味合いがある。
日本の天皇も単に国家の象徴という意味よりも神道の最高聖職者(昔なら生き神様?)としての性格が強い。
オバマのお辞儀の意味は、ハワイに生まれインドネシアで生活したので違う文化を大切にする『郷に入れば郷に従う』の意味もあるだろうが、それ以上にキリスト教以外の『権威』(宗教)に対する礼儀を大切にする態度であると解釈しました。
この態度が、オバマ以前の歴代アメリカ大統領や他国の歴史や地理を知らない(自国以外の文化や歴史に無関心な)無知なアメリカ人には決定的に欠けていたところでしょう。
そしてフォックスニュースのような右翼的なマスコミがアメリカ人の偏狭な愛国心(プライド)を刺激して反オバマのキャンペーンに悪用しようとする。
それにしてもアメリカ人は妙なところで自尊心が傷つくらしいが、背の低い天皇と長身のオバマが握手する様は、物理的にアメリカ大統領が完全に上から天皇を見下ろす仕草になるので、頭を下げてバランスを取ったとも見れて日本人的には好感が持てました。
政治的に『上から見下ろす』とは力関係の優劣では大きな意味があるらしいく、ドイツのヒットラーとイタリアのムッソリーニのローマ駅頭での会見なんか今でも語り草になっています。
『昔は科学も支配していた宗教 』
(逝きし世の面影)
2009-11-23 18:11:48
キリスト教はやっぱり特別な宗教でしょう。
何しろ今時、科学にまっ正面から戦いを挑もうなどと大それた考えを持っている『宗教』は世界広といえど世界中でキリスト教唯一つですよ。
それ以外の宗教各派は科学と妥協して共存を図るか、それとも全面的に科学の軍門に下るか何れかです。
このキリスト教の独善的な特徴(科学に対する挑戦)は昔からのもので、妙なところが意外にも科学的なのです。
自分の宗教(キリスト教)の教義を、科学的事実で説明しようとするのは大昔からのキリスト教独自の変な特徴で、『イエスを殺したユダヤ人』というユダヤ人差別なんかもこの流れで出てきます。
しかしキリスト教の教祖的立場のナザレのイエスはどう考えてもユダヤ人でユダヤ教徒なのですが、『神殺し』の汚名をユダヤ人に被せて差別してきた長い長い歴史がある。
しかも聖書の記述を『昔の伝承』として信者に説明するだけでは飽き足らず、『聖書の全ての記述は真実である』ことを証明する為に、生きた証拠(生き証人)としてユダヤ人を西欧の都市に連れて来て『聖書の記述がすべて正しい』証拠品してとわざわざゲットーに住まわせるわけです。
勿論キリスト教徒と混血しないようにゲットーに隔離したのですが、パレスチナに近い南欧では本物のアラブ人であるユダヤ人(スファラディ)が確保できるが、(ユダヤ人は大民族ではないので)遠い北欧ではそもそもユダヤ人の総量が足らない。
今のイスラエルの主流である白人のアシュケナージは元々パレスチナに住んでいたユダヤ人(アラブ人のセム族の一氏族)とは全く人種的には関係なく黒海北方からカスピ海にかけて繁栄していたカザール帝国の人々でユダヤ教徒では有るが当たり前ですがアラブ人のセム族のユダヤ人ではない。
なにやらメイドインチャイナのグッチやカルチエ、シャネルのブランド品みたいな話です。
そのユダヤ教徒ではあるがユダヤ人でない人々を西欧では『イエスを殺した人々』として差別して大二次世界大戦では大虐殺を引き起こす。
その影響もあり現在は白人のユダヤ人(ユダヤ教徒)たちが何の関係も無いパレスチナに聖書の記述にある古代国家イスラエルを建国して現在に至っているのですが、このように歴史を辿っていくとパレスチナの全ての災難にキリスト教が関係しています。
(ブログ主)
何とかして日本を含む世界基準の『政治や科学>宗教』ではなくて、180度逆の『政治や科学<宗教である』と考えるアメリカ人が存在している困った現実を否定したいようです。
コメント内容は多岐にわたっており一口には論評出来ないが最初の政治を引っ張っていく集団が米建国時の独立派も現在の福音派(Evangelical)指導部も市民全体から見れば少数派との主張はその通りですが、全ての政治は元々その様な構造になってます。
ワシントンなど過激少数派の建国父祖が主導してアメリカ独立(革命)が起こり歴史が大きく進んだ。
政治とはその様なものであり、コメントは内容は事実ではあるが主張は無意味。
キリスト教成立段階で、それ以前の宗教を取り入れたり寛大であったのは事実ですが、現実の今の政治に介入して騒動を起こしている迷惑な福音派とは無関係。
医療保険改革での業界側やフォックスニュースの関係もその通りですが、これも元々政治とはそういう構造になっているものなのです。
日本人では『宗教』とは政治や科学に優先することはオウムのような破壊的カルトの信者以外にはいない。
必ず『政治や科学>宗教』の構図になっている。
だから日本人は他のものを判断する時も、この自分の判断基準が優先するわけです。
特に日本では知的水準の高い常識有る人ほどこの傾向が強いのです。
そしてアメリカですが半分は間違いなく日本人と同じで『政治や科学>宗教』の価値観を持っているのですが、後の半分が大問題で正反対なのです。
彼等は困ったことに『宗教>政治や科学』なのですよ。
アメリカ人たちが好む『フロンティアスピリット』とは政治的経済的な意味だけではなくて、宗教的な意味を持っており『(信者たちが)地に満ちよ』『(神に代わって)支配せよ』旧約聖書の記述の現実化、聖なる宗教行為を実践との隠れた側面がある。
相反する正反対の部分を同時に持っているアメリカを理解する為には宗教を無視しては何も理解できず、『政治や科学=宗教』ぐらいの価値観で無いと到底真実には近づかないようです
それにしてもインターネットとは現実世界とは遊離した摩訶不思議な別世界ですね。
明治大正時代ならいざ知らず、21世紀の現実世界で、まさか私が無政府主義者と原理主義について論争するなど到底有り得ない話ですよ。
ところがネットでは可能なのですから面白い。『私はこう思う』(ブログの記事は間違いだ)と長文のコメントを延々と送ってきて、いくら此方が事実を示しても諦めず、エンドレス状態に。
最初は丁寧に答えていたのですが、ほとんど同一の間違いコメントを繰り返されると、いい加減飽きて来て答えのコメントがお座成りに成ってしまった。
相手に悪意が無いのは判るが、ほとんどネットウョの嫌がらせヘイトコメントと同一ですね。
双方の判断に違いがあることが明確になった時点で、
それを収獲として終わらせるとの知恵が無いのが不思議です。
一致することが大切な客観的事実とは大きく意味が違い、『私はこう思う』との主観の違いは、いくら論議しても意味が無い。
主観とは、一致ではなくて『違っている』事にこそ意味があるのです。
妊娠初期に99%の精度のダウン症検査で命の選別のいう新しい問題が生まれたのですが、実は発症率の低い場合には1~5割程度の精度しか無いと注意したら、『それは興味が無い』と、無視する一方、『中絶は殺人だ』と150コメント以上、それもほとんど罵倒の炎上状態。見かねて止めに入ったら逆切れ。
突然何の警告も無くアクセス禁止に。
え!!何故!!短いコメントの何が問題だったの??
私としては困っているだろうと親切心からであり、当然喜んでもらえる思っていた。
「ダウン症検査判定99%なり」・・・産むか?殺すか?
http://dr-stonefly.at.webry.info/201211/article_1.html
その後、ブログ主は執念深く口汚く私の悪口をその後の記事にも書く念の入れよう。
日頃の論理性も礼儀も常識も知性も無にもなし。
何時もと180度態度が違うのですから恐ろしい。
何故怒るのか、何が気に入らないのか。
さっぱりなにがなんだが意味が分からなかったのですが、これ「キリスト教の不思議」ですね。
つい最近も『ダーウィンの進化論は間違いだ』との意味不明の罵倒を書き連ねた獣医さんが現れたのには本当に驚いた。これもキリスト教の不思議らしい。
此処は日本であり、今は21世紀ですよ。その様な無理無体な無茶苦茶が社会で通る筈は万に一つも無いとの常軌が欠如している。脳みそが腐っているのか。
そこで、思い返して2年前に読んでアホ臭いと一度は捨てた爪大三郎
の「ふしぎなキリスト教」を読み返して記事にしたのが、
「ふしぎなキリスト教」不思議な橋爪大三郎
2013年06月26日 | 宗教
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/6817a72eb827ab48f5a19ac6ea9f349f
asobitarianさんの様な、真面目に宗教に興味がある読者が一人でもいる限り、私もあの記事の続編を書く必要性があるようですね。
橋爪大三郎の「ふしぎなキリスト教」ですが、読めば読むほど混乱する、(科学的な思考を完璧に無視して、嘘八百を平気で垂れ流す)何とも腹立たしい不思議な構造になっています。
コメントとTBをする記事を間違えてしまいました。
「最終回『原理主義の妄想』世俗的なアメリカと宗教国家アメリカの段差」の記事にコメント及びTBをするつもりだったのですが、その記事を読んだ後、こちらの記事を開いてそのままにしていたのを失念しておりました。
申し訳ありません。
福音派や原理主義は言葉の定義が定まっていないために、人数を確定することは困難ですが、人数以上に政治的力を持っていることは間違いないでしょう。特に共和党のネオコンとの結びつきが強いために、彼らが政権を握ると国際関係が非常に危険になりますね。
宗純さんがこの記事で書いておられるように、宗教を理解しなければ政治はわからないというのはその通りだと思います。私は最近になってようやくそのことを痛感し、少しばかり宗教について勉強を始めましたが、やはりわからないことだらけです。今後も宗純さんのブログから学ばせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。