『去るものは日々に疎し。歴史(記憶)の間違い』
9月11日に、70年以上前の一個人の記憶を書いた32年前の『吉田証言』を誤報だったと訂正して謝罪した摩訶不思議な朝日新聞社の社長の記者会見(御粗末な日本版9・11事件)は収まるどころか益々加熱している。一流週間紙とか新聞までが売国奴とか非国民などの70年前の敗戦前夜を髣髴させる禍々しい活字が躍っているのですから驚きだ。日本の民主主義が風前のともしびどころの話ではない。人の記憶とは実にあやふやなのである。(もちろん書いてある記憶(文章や資料)が必ずしも正しいとも限らないが)
『志村建世のブログ』「日米〈核〉同盟・原爆、核の傘、フクシマ」を読む(2014年09月19日)に対する読者のコメントですが、困ったことに事実とは微妙に違っているのです。個人の記憶と現実の歴史には『吉田証言』ならずとも、違いが生まれてもむべなるかな。
時間が経過すると物事の前後や関係があやふやになり結果的に間違えることは、ある程度は仕方が無いのですね。読者の皆さんは、少し歴史(記憶)が混乱しているようなので整理すると、1955年に出来た原水爆禁止日本協議会(略称、原水協)の分裂には『如何なる核兵器にも反対する』のスローガンの是非で、日本共産党が『ソ連とアメリカの核兵器を同列に置くものだ』として反対し、これに反発した総評や社会党系が脱退して別組織の『原水禁』を作ったのが歴史の真相です。(読者の記憶の)『分裂させた共産党』との主張は間違いで、社会党系の方が分裂させたのです。(社会党は選挙では共産党に勝っていた。ところが政党としての実力では共産党に勝てなかった)
当時も今も同じで、アメリカは『自国の国益』のためなら核兵器を使うと、『核の先制使用』を公言しているのです。その意味ではソ連など他の国よりもアメリカの核兵器は特別であり、段違いに『危険』なのです。(他と同列に扱うのは大きな勘違いである)あの主語のない原爆碑の言葉に正しく『過ちを犯した』張本人が誰であるかを正しく書き入れれば、誰でも間違いに気が付くであろう。
そもそも人類に対して核兵器を二回も使用した経験があるのは世界中でアメリカだけなのですよ。
この差は大きい。
ただ大衆に対する影響力としての政治スローガンとは、単純であれば単純であるほど分かりやすいし優れている。これは世紀のトリックスター小泉純一郎の悪しき先例で完全に証明されている『確定した事実』である。その意味では社会党系の『如何なる核兵器にも反対』の方が、共産党の小理屈よりも優れていた。
皆さん全員が混同しているらしい志賀義男の騒動は原水協の話とは別で、部分核実験停止条約の是非で共産党内部で党内抗争が発生して3人しかいない国会議員の1人を除名する。
日本共産党は部分核停は『地下核実験を禁止していない』(抜け道がある)との理由で反対するのです。ところが、これは日本軍従軍慰安婦の民間基金が政府の公的賠償では無いとの理由で反対したのと同じ理屈です。
原水協でも部分核停でも従軍慰安婦でも同じで、日本共産党の主張ですが、理屈としてはまったく正しいのですが、如何せん。政治情勢の判断では完璧に間違っていた。(個々の部分では正しい。ところが広く、全体としてみれば間違い)
志村建世さんのコメント、『共産党、ソ連、ロシア……「理に勝っても嫌われる系譜」の連続ですね。』との認識が、悲しいかな歴史的事実と『ぴったり』なのである。
『理屈として正しくみえても、情勢の政治判断では完璧に間違っている』
この『逝きし世の面影』ブログにTB頂いた記事で護憲左派ブログの間では評判なのが『朝日新聞「誤報」事件 秘密保護法の生け贄』(街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋)』ですが、まさにこの記事のタイトルの『事実(理屈)は正しい。ところが、政治的には間違い』なのです。
記事を全文紹介すると、
2014年9月13日 (土)「朝日新聞「誤報」事件 秘密保護法の生け贄」
朝日新聞の「誤報」に対するバッシングは、戦後、言論機関(朝日新聞がそう呼ぶに値するかどうかは別として)に対するものとして、かつて例をみない特異な事件に発展した。沖縄密約を暴いた西山太一記者は女性スキャンダルにすり替えられた人格破壊によって記者生命を絶たれた。戦後初めての本格的な政権交代を成し遂げた小沢一郎は、事実無根の金銭スキャンダルによる人格破壊によって政治生命を絶たれた(ように見える)。
朝日新聞「誤報」事件も、人格破壊の域に達した。そして、朝日新聞は、西山氏や小沢氏と異なり、人格破壊に屈して、頭を垂れた。
朝日新聞「誤報」事件は、確実に後世の歴史に残る。「誤報」としてではなく、「暗黒の言論統制」の時代の幕開けとして、だ。
とりあえず何が対象にされたのかを確認しておくことに意味があるだろう。
「慰安婦」の「拉致」に関する吉田清治証言に関する「誤報」は、「軍」に対するものだ。
福島第一原発事故に関する吉田調書の「誤報」は、原発に対するもので「テロ」関連で軍事に通ずる。
吉田調書に関する誤報は、「命令違反」と「撤退」に関係する。
所員が、吉田所長の意図に反して福島第二原発へ移動したことを「命令違反」とするのか否か、それが「撤退」であったのか「待避」であったのか、いずれも表現の問題であり、価値評価に関わる問題だ。
事実関係の詰めに甘さがあったとしても、報道の現場では常に起こりうる問題だろう。
何より、これを問題にするのであれば、小沢一郎の金銭スキャンダルに関する執拗な報道は、「誤報」を超えて「捏造」だったと謝罪しなければならない。
TPPについて未だに農業・畜産業の関税の問題として報道し続けているメディアは全て誤報の山を築いている。
ウクライナ政権を正統政権として報道し続けているのも国民を欺く大誤報だ(革命政権であると主張するのであれば別だが、そのような評価は見たこともない)。
吉田清治証言に関わる「誤報」は30年、短く見ても20年前のものだ。そうした遙か過去にさかのぼる報道も猛烈な批判の対象になる。
報道回数において朝日新聞が抜きん出ていたとしても、当時の国内メディアは大半が吉田証言を事実として報道していた。
吉田清治証言を除外しても、韓国の軍「慰安婦」を「強制連行」と呼ぶか、これも価値評価の問題だ。
物理的な強制力を使えば「拉致(略取)」である。仕事の内容を秘匿し、偽って連れ去れば「誘拐」である。いずれも立派な刑法犯だ。
自分の娘が、仕事の内容を偽った勧誘によって外国に渡らされ、性的労働に従事させられたことを想像すればわかるだろう。
この「誘拐」を「強制連行」と呼ぶか否か、これもまた価値評価の問題だ。現に「誘拐」を「強制連行」と評価した裁判例も存在する。
その程度の問題であり、20年以上も過去のことであっても、ある日突然、猛烈なバッシングに晒されることを今回の事件は露わにした。
どこかでGOサインが出されれば、どのメディアが狙い打ちにされるかわからないことを言論に関わる全てのメディアに知らしめた。
なぜそうした「誤報」が起きたのか。根本的な原因は、情報が「秘密」だからだ。
吉田調書はそれ自体が「秘密」である。
吉田清治証言に関わる「誤報」がまかり通ってしまったのは、戦前の軍部全体が秘密情報の山で、多くの歴史的な証拠資料がすでに廃棄されているからだろう。
とくに吉田調書問題を見ればわかりやすいだろうが、「秘密」とされなければ、「誤報」も起こらなかったのだ。
一連の聴取結果が、国民共有の財産として公開とされ、教訓をくみ取るべく活発な議論がなされれば、このような問題は起きなかったし、議論の対象や内容も自ずから違ったものとなったはずだ。
吉田調書について、朝日新聞自身が裏付け取材が不十分であったとしている。そもそも「秘密情報」について、裏付け取材を十分に行うなどということが可能なのか。
十分な裏付け資料がなければ報道してはならないとすれば、今後、「秘密情報」に関わる報道はできなくなる。事実上、「秘密情報」に関わる報道は存在しなくなるだろう。
12月には秘密保護法が施行される。政府は、取材、報道の自由を侵害しないというが、今回の事件で、報道のハードルは一挙に上がった。
十分な裏付け取材もなく、報道すれば、即、刑事処分が待っている。
誤報の後の対応が重要だ等という話では断じてない。
そして、「秘密」について、十分な裏付け取材を行うのは不可能だ。
朝日新聞は、全言論界に、秘密保護法の威力を見せつけるための、生け贄とされたのだ。
メディアは、益々、政府公認情報しか流さなくなる。われわれは、そうした時代に入る。それを覚悟して朝日新聞「誤報」騒動を見る必要がある。
朝日新聞に対しては、いい気味だという思いもある。
朝日新聞は、執拗に弁護士増員を主張し、これに反対する弁護士・弁護士会に対して、バッシングを行い、今の弁護士窮乏化政策を導いた張本人だ。
経済基盤を失った弁護士は、権力に対する批判勢力とはなり得ない。弁護士がまともであれば、おそらく、朝日新聞バッシングに対しては、強い異議が出されただろう。
日弁連会長の抗議声明も出たかもしれない。
しかし、世論の勢いに負ける今の日弁連から、そんなものは出ない。「日弁連は秘密保護法に反対」している、にも拘わらず、だ。
小沢一郎に対する朝日新聞のバッシングも異様であった。バッシングに積極的に加担した朝日新聞が生け贄にされた。
ナチスの暴圧を対岸の火事と見過ごした、どこかの牧師の述懐が、現実となっている。「茶色の朝」が訪れようとしている。
『部分部分として見れば正しいが、全体として見れば間違っている』
この『街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋』さんの記事ですが、事実関係では最初から最後まで少しの間違いも無く、全てが事実である。理屈としては完璧に『正しい』のである。
ところが、・・・ブログ記事の最初に書いた日本共産党の愚かしい(正しいのに嫌われる悲劇)逸話と同じで、肝心な政治判断では完璧に間違っているのである。
何故フクシマをこれ程完璧に忘れてしまえるのか不思議としか言葉が無い。今日本中で起きている数々の不思議ですが、フクシマのピースを抜かすから事実が見えないのです。逆にキーワードとして『フクシマ』の言葉を入れるだけで全ての謎は氷解する。
32年前の吉田証言が誤報とされた最大の理由とは日本軍関連の記録類が敗戦時に全て焼却されたからなのである。確実な資料が残っていれば、そもそも日本軍従軍慰安婦での誤報など起きようが無い。同じことが3年前の吉田調書にも言えて、政府や東電が福島第一原発事故の記録類の全てを出さないことが最大の原因なのです。それでは何故隠すのかの疑問ですが、答えはいたって簡単で『悪過ぎるから』出せないのですよ。
マスコミですが金太郎飴の如く何処を切っても同じなのですが、これは挙国一致の大政翼賛会の大本営発表で隠したのではなくて韓国の旅客船セオゥル号の船長とか乗員と同じで『真実を出したくても、悪すぎるので一般市民のパニックを恐れて出せない』と考えるべきなのです。
2014年09月24日 | 政治』にしました。
逝きし世の面影ブログでは何度も何度も、政治では『3手先の読み』が大事であるとの話をしているのですが、
今回は1手先の読みを間違っているのですね。これは絶対に起きないことなのです。
3手先が読めなくても、誰でも1手先程度は読めるのですよ。
今の政府とか朝日新聞の首脳ですが、ほとんど鶏程度の知能しか無いのですよ。
餌の前の透明なフェンスを置くと、ニワトリは真っ直ぐに進もうとして餌が食べれないが、犬はフェンスの横を通って食べることが出来る。
もちろん人間なら幼児でも簡単に辿り着けるのです。大人が、しかも高偏差値の新聞社の幹部が間違うなど馬鹿馬鹿しくて話にもなりません。
鳥の頭の政府とか新聞社ですが、これ、多分インチキですね。
今の日本ですが実に不思議なのです。
極限まで右傾化しているので、それが原因しているとも思えるが、到底右傾化で説明がつかない摩訶不思議な出来事が連続しているのです。
仕方なく、日本国が実は丸ごと、45度以上傾いた韓国の旅客船セウォル号であり、最早助かる道が無いとの恐るべき『本当の真実を知っている』連中は(船長も船員も)全員が一般市民がパニックに陥ることを恐れているのだとの、最悪の仮設を立てたのですが、・・・これだと逆に全ての疑問質問に簡単に答えが出るのですね。
今に日本ですが8月15日の玉音放送の直前なのだとの私の仮説が間違いであれば、日本が助かるすべがあるが、少しでも当たっていると助からないのです。
私の予測が大きく外れることを祈らすにはいられません。
情報を公開するのが道理ではあるが、だせば混乱 国内ではもう普通の生活でいられる状態ではなくなるだろうという判断を上はしているのでしょうかね
破滅寸前まで隠し通すか
若しくは今の揺れる世界情勢、何か大きな出来事でもあったときにどさくさに紛れて公開...とか