逝きし世の面影

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金正男長男キム・ハンソルを韓国が拉致?ロシアが示唆

2017年03月23日 | 東アジア共同体
『去る者は日々に疎し』

あれほどテレビで毎日大量に報道していた北朝鮮トップの異母兄(金正男)暗殺ですが、異様な雰囲気だった容疑者二人の若い女性(実行犯だとされているが、この事件ではほぼ唯一の逮捕者でもある)の裁判を最後に尻すぼみ状態。金正男(キム・ジョンナム)の長男であるキム・ハンソル(金漢率 22歳)が北朝鮮の脱北者支援組織のサイトから声明を出したのを最後に、パク・クネ大統領の弾劾可決でピッタリと止まっている。
その後の関連情報がマスコミから無くなっている。
ところが、ロシアの通信社スプートニクは、3月23日に、『長男の金 漢率(キム・ハンソル)氏(22)・・・・・ところが父親の殺害の後、マレーシアへと身元確認のためにマレーシアに到着して後、行方がわからなくなったままだ。』ととんでもないことを書いている。(この記事ではこの部分だけが赤字になっている)
この記事を分かり易く解説すると、マレーシア政府の協力で『韓国がキム・ハンソルを拉致した』とロシアが言っているのです。
キム・ハンソルの身柄を確保したらしい『北朝鮮国民のための人道支援団体を自称する「チョルリマ民間防衛」』ですが今までメディアに一回も出てこない未知の新しい『組織』だが、そもそも脱北者を支援する組織なのです。
それなら、間違いなく北朝鮮ではなくて南朝鮮(韓国)系だった。韓国政府に近い保守系三大紙の報道によるとサイトのローマ字表記が韓国式だった事実を伝えている。
マレーシアの暗殺事件では、実は韓国では何時もは厳しく意見が対立する保守系紙も野党系新聞も、今回に限っては報道姿勢に全く保革の違いが無いというか、逆に野党系のハンギョレ新聞の方が韓国政府寄りになっている逆転現象が起きていた。
ハンギョレ新聞は、十数年間も激しい北朝鮮のネガティブキャンペーンを飽きることなく続ける日本のマスコミが書いていることと全く同じ論調だった。(自分では取材をしていないためか?独自ニュースが一切ない)
ところが。政府与党系の保守三大紙の方が、容疑者のベトナム人女性と韓国人の男が数ヶ月前から親密に付き合っていた事実を報じるなど、『北朝鮮が殺した』との韓国政府の発表に対して数々の疑問点を婉曲な表現だが指摘している。(保守系三大紙では日本で報道されていない独自のニュース類が書かれていた)

『「金漢率が北朝鮮の指導者になる可能性は希薄」 米紙報道』March. 18, 2017 東亜日報

「未来の北朝鮮の指導者は金漢率(キム・ハンソル)?」
米紙ニューヨークタイムズは16日(現地時間)、北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)の長男である金漢率(キム・ハンソル 22)にスポットライトを当てた企画動画を掲載しながら、このようなタイトルをつけた。その内容も、金漢率が、叔父である金正恩(キム・ジョンウン)労働党書記の座に入れ替わる可能性を計算するものであり、平壌(ピョンヤン)の気持ちを刺激するのに十分だった。
しかし、同紙は、「その可能性は極めて低い」という正反対の結論を下した。金漢率は、留学派である上英語の流暢な「国際的(cosmopolitan)」姿が魅力的だが、若い年齢や北朝鮮での低い認知度などで、指導者になるのは難しいという。
韓国近現代史の専門家であるシカゴ大学のブルース・カミングス碩座教授は、「家系図では王族だが、ペンのインクも乾いていないほど幼い」と評価した。コロンビア大学のスティーブン・ノーファー教授は、「北朝鮮の情報統制状況を考慮すると、住民らは金正男や彼の家族の存在をほとんど知らないだろう」と主張し、指導者としては適していないかもしれないと予測した。
金漢率が2012年、フィンランド・メディアのインタビューで、「独裁者」と批判した叔父・金正恩に「睨まれ」、指導者登板どころか殺害脅威を懸念しなければならない立場に置かれているという分析もある。国民大学のアンドレイ・ランコフ教授は、「金氏一族を支持する忠誠派の立場から見れば、(金漢率は)裏切り者だ」と診断した。

スプートニク日本『正恩氏の近親者は身の危険に晒されているか』オピニオン2017年03月22日 リュドミラ サーキャン

クアラルンプール空港で殺害された金正男氏の死体がマレーシアの遺体安置所でアルコール漬けで横たわっているこの1月以上の間に、殺害をめぐるヒストリーは展開し続けている。
誰が、なぜ、金正男氏を殺害したのか?
当初マレーシア政府は遺体は金正男氏の近親者に引き渡すことを明らかにしていた。引き取りのために与えられた期間は3週間足らず。同国のザヒド・ハミジ副首相はマスコミからの質問に「この間に金氏の親族から連絡がない場合はマレーシア政府は今後の処理を独自に決定する。マレーシア国内で荼毘に付すこともありえる」と語っていた。数日前、マレーシアでは、どうやら正男氏の近親者がマレーシア政府に遺体の処理を決定権を渡したらしいという報道がなされた。そしてこの時、マレーシア政府は遺体と引き換えに朝鮮民主主義共和国が留め置いている9人のマレーシア人の出国許可を取り付ける可能性を検討し始めた。
これより前、金正男氏の身元確認はその息子のDNAサンプルから確認されている。

マレーシアと北朝鮮の間に軋轢が起きたのは、殺害時に空港にいたものの、間に合って出国できた4人の北朝鮮人に嫌疑がかけられた直後だった。
マレーシア警察のハリド・アブ・バカル主任検査官は「この者らはマレーシアを出国しており、ピョンヤンにいる可能性がある」と発表。マレーシアは北朝鮮大使を送還させ、北朝鮮国民に対するビザなし体制を廃止した。するとこれへの報復として北朝鮮は自国内にいるマレーシア国民の出国を禁じた。
北朝鮮は金正男氏殺害の幕裏は韓国と米国の指導部の企てがあるとの見方を示しており、この説を中国駐在のパク・ミョンホ北朝鮮大使は演説の中で公にしている。
マレーシア政府は殺害には北朝鮮国民が関与した疑いをもっており、韓国に至っては殺害には金正恩氏自身が直接関係していると疑っていない。こうしたなかでインターポールは金正男氏殺害に関連して4人の北朝鮮国民の指名手配を明らかにした。インターポールの公式サイトに掲載された情報ではこの4人は年齢が32歳から56歳。各人の証明書記載の写真、空港の監視カメラの捉えた映像も載せられた。
ただしこれら北朝鮮人らがいかに犯罪に関与しえたかについては明らかにされていない。
北朝鮮共産党の始祖、金日成氏直属のこのほかの子孫らも身の危険を感じていると考えるほうが理にはかなっている。たとえば金正日氏の異母弟、金平一氏(62)。この人は金正恩氏の叔父にあたる。金平一氏は2015年よりチェコ駐在北朝鮮大使の任についている。平一氏は時に正男氏が行ったような体制批判を例えソフトな形でさえただの一度も行ったことはない。それでも家系状況からして平一氏の身は仮説的には現在の北朝鮮政権の危険に潜在的に晒されている。
もう一人、その命が危険にさらされている可能性があるのは長男の金 漢率(キム・ハンソル)氏(22)だ。ハンソル氏はボスニア、フランスに暮らし、学んでいた。
ところが父親の殺害の後、マレーシアへと身元確認のためにマレーシアに到着して後、行方がわからなくなったままだ。
ところが数日前、北朝鮮国民のための人道支援団体を自称する「チョルリマ民間防衛」がある短い動画を公開した。動画にはハンソル氏に似た青年が映っている。青年は英語で父親は殺害されたが、自分は母と妹と共に潜伏していると語っている。
「チョルリマ民間防衛」はサイトに声明を表しており、その中でオランダ、中国、米国および国名は明かしていない第4国にこの一家の保護に人道援助を行ってくれたことに対しての謝意を表している。

ロシア科学アカデミー、極東研究所、朝鮮調査センターの専門家、コンスタンチン・アスモロフ氏はスプートニクからのインタビューに状況を次のようにコメントした。
「彼の息子の身が何らかの危険に晒されているか否かは、誰が何の目的で金正男氏を殺したかに因る。
これが北朝鮮の仕業であると思いたければ、そうした論拠はいくらでも見つかるし、韓国がやったという理由づけも簡単にできる。
金正恩氏のパラノイアを、つまり煽動を信じるとすれば、本当にハンソル氏は危険に晒されているだろう
なぜならば殺害目的が北朝鮮の支配を最大限拡大し、状況を力によるものへと変える試み、つまり国際社会をして軍事行動へと走らせる(★注、半世紀ぶりに朝鮮戦争を再開する)ことであったのならば、これは大きな賭けであり、このアクションを組織した人間らは何をしてもとどまるところを知らないはずだからだ
これを韓国当局が行えるとは私は信じられないが、それでも韓国にはこうした道に十分走りかねない勢力がいることは確かだ
大きな政治は白手袋をはめては行われない。結局、真相がわからないままに終わってしまう可能性もある。どうやらこれは知る人のみが真相を知るという状況のようだ。ただしそれは万人に同じように不快なものなのだが。」

『IAEA事務局長:北朝鮮、ウラン濃縮規模を倍増』2017年03月22日 Sputnik

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は20日、北朝鮮が数年間でウラン濃縮施設の規模を「倍増させた」との声明を発表した。
時事通信が報じたところによると、天野氏は衛星画像から北朝鮮の動きを把握していると語った。
天野氏「新たな局面に入った。全ての兆候は、北朝鮮が自ら宣言しているように(核開発を)進めている事実を示している」と北朝鮮の核兵器開発の進展についての懸念を表明した。

『大金持ちしか絶対に作れないウラン型原爆や本物と同じ摩訶不思議な偽100ドル札スーバーノート』

確かにアメリカがウラン濃縮を『核兵器の製造を考えている』としてイランを経済封鎖していた事実はある。ところが、オバマが『核合意』で制裁を解除しているが、まったくの濡れ衣だったことは明らかであり、そもそも1945年以来世界中で沢山の核兵器が作られたがヒロシマのリトルボーイ以外は全てプルトニウム(爆縮型)である。
では何故一番最初のヒロシマ以外の核兵器が爆縮型のプルトニウムだったかの理由は極簡単で、京大の小出裕章助教が指摘したようにウラン濃縮には膨大なエネルギーが必要であり、核爆発で得られるエネルギーよりもウラン濃縮にかかるエネルギーの方が大きいので、エネルギー的にはウラン型原爆には何のメリットも無いかららしい。
過去には大金持ちのアメリカが唯一ウラン型を一発だけ製造したので、エネルギー大国(産油大国)のイランが『もしかして』曝縮型よりも技術的に簡単な方法のウラン原爆を開発する可能性はゼロではないが、エネルギー不足に苦しむ北朝鮮が、エネルギーを無駄に消費するウラン型原爆を製造しているとの今のマスコミの有識者の話は笑えない『笑い話』の類である。(世界最初のトリニティのように爆縮型のプルトニウム原爆は核実験が必要だった。ところがウラン型は必ず爆発するので実験の必要が無い)
これは本物と全く同一の紙やインク、印刷機を用いて作られている偽100ドル札(スーパーノート)が北朝鮮製だとのアメリカ財務省発表と同じ種類のプロパガンダ。(自作自演の一人芝居というか八百長の出来レース、詐欺か悪質な手品の類)
あまりにも精巧過ぎるスーパーノートの製造には膨大な初期経費が必要であり、まさに『金食い虫』のような超高級品の偽札を作っても一切の経済的メリットが無い。
ただしスーパーノートは磁気特性だけが違っていてアメリカの紙幣判別機では簡単に識別が出来るので、テロリストなど危険な集団の資金の流れが簡単に分かる仕組みで、本物以上に優れた性能がある。(世間では手抜きの粗悪品だから偽物と言われるのです。ところが、スーパーノートのように本物には無い、より優れた素晴らしい特性があるものを安易に『偽物』と呼ぶ方が違和感を感じるが、基本的に本物以上に優れている超高級品の偽物が存在しては困るのである)


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2 コメント

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『朝鮮をロシアが庇う』 (ローレライ)
2017-03-23 10:57:20
ロシアの通信社スプートニクは、3月23日に、『韓国がキム・ハンソルを拉致した』と出したのは『朝鮮をロシアが庇う』と言う話になるので、これからの露中米の外交の課題となる。
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IAEAって何の役にたってる? (私は黙らない)
2017-03-24 03:16:15
プルトニウム型とウラン型の違い、不勉強でした。なるほど。
この天野という人は、重要な決定で常にアメリカ側に立つとウィキリークスですっぱ抜かれていたのですね。しかも、原発に関しては、日本であれだけの事故がありながら、自ら先頭にたって原発推進に勤しんでいる。一体IAEAって何のためにあるのですか?日本は世界で唯一の被爆国なのですよ。天野さんも、毎年広島に行って、建物疎開作業中に亡くなった子供たちの黒焦げのズボンや、遺体も残らず影だけが写ってしまった石とか、原爆投下の時刻のままとまってしまった懐中時計とか、見てきたらどうですか?
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