逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

水素爆発した1号機と、強調されるベントの遅れ

2011年06月12日 | 放射能と情報操作

『NHKとWSJで報道されたベントと管直人首相』

福島第一原発事故の水素爆発とベントの報道は、何とも不思議過ぎる事実経過の発表であり、何処までが正しくて何処までが虚偽の印象操作なのかの区別が付き難い。
ただはっきりしている事実は、管直人首相の尻が軽すぎる事ぐらいですね。
我が日本国の最高指導者として行動(フットワーク)があまりに軽すぎるので不思議がっているのです。
大臣程度でもセキュリティの関係で事前に綿密に打ち合わされて行われるのが慣例です。ましてや日本国のトップである『首相』ですよ。
原因として先ず考えられるのは、前例や事務手続きなどの慣例無視をしなければ成らない程、切羽詰った状態に追い込まれていた可能性です。
ベントですが、もちろん自民党が国会で大問題にしていた炉心が致命的な打撃を受けて損傷した(水素爆発)後での『海水注入』の話よりもより重要なのですが、ベント開始時点(水素爆発の前)で既に炉心は致命的に損傷していた可能性が非常に高いと思っています。
ベントは圧力容器が入っている格納容器の損傷を防ぐのが最大の目的ですが、格納容器とは通常1気圧の大気圧しかなくて、そもそも高圧に耐えれる構造ではないので(圧力が上がれば)ベントが必要になる。
ですからこの時(ベント開始時)には炉心は破壊されていたと見るべきですね。
マスコミでの原子力学者の説明では、燃料棒が有る圧力容器の圧力が『上がりすぎて』水の注入が出来ない→だから、ベントをして圧を『下げる』必要があり→圧力が下がれば注水が可能になる。→注水が出来れば圧力容器の温度や『圧力が下がる。』と説明していたが辻褄が合わないのですよ。
何故なら、そもそも圧力容器が高温で『高圧になった』原因とは、『注水が出来ないから』だった筈なのですよ。
彼等の言っていたベントの話は原因と結果を逆さまに描いていたのです。
注水が出来るなら、そもそも高圧には成らず格納容器に漏れ出してベントを行うなどの事態にもならない。
原子炉が完全に破壊されているので消防車の放水での注水など、冷却作業が必要だったのでしょう。
事故から1週間後に外部電力の復旧作業に取り掛かり『電源修復での循環系の原子炉の冷却機能の回復』なる不思議な報道がおこなわれていた。
ところが、この話は何時の間にか立ち消えに。
あの事故後1週間から10日の間にマスコミで流されていた『外部電源で原子炉の冷却機能の復旧』は根拠の無いデマだったが、何とも不思議です。
このような明白なデマ報道が組織的に流される場合に考えれる可能性(原因)ですが、大事な情報が隠蔽されている可能性が一番高い。
では、隠したかった『不都合な真実』とは何だったのか。
1号機の水素爆発の原因として、ベントにみんなの目が向けられる様に情報操作した。
それなら、マスコミ発表よりも、遥かに時間的に早期。(地震の直後か?)多分もっと早い初期の段階の時間帯に原子炉が致命的に損傷していたのですよ。
この場合には地震に弱すぎるアメリカのGM社製マーク1の設計上の問題が出てくる。
アメリカはこの事実を誰よりも良く知っていた。ところが日本の東電も安全院も良く知らなかった。
管直人は日本国のトップなのは事実ですが、もっと上からの命令で否応無く、危険の内容を何も知らされずに『原発』に突入させられたのでしょう。
これはレベルは違うが、大阪の西成の釜が崎(愛燐地区)から危険な福島第一原発に騙されて連れて行かれて、事故の後始末で働かされた日雇い労働者の悲惨で残酷な話と一緒。
もう少し高級な話なら、109年前の八甲田山の大遭難で一個中隊が全滅するのですが、この時に遭難部隊の最高指揮官であるはずの中隊長(管直人)の上官が随行していて、本当の指揮命令系統は立場上逆らうことが出来ない随行していた上官の線で出されていた構造ではなかったのか。
遭難事、肝心の最高司令官が、もっと上からの指示命令で、言われるままに行動せざるを得ない苦しい立場に追い込まれたのです。

『津波到達以前(地震の直撃)で原子炉が損傷』

メルトダウンした時間がマスコミで公式発表されるたびに、ドンドン時間が早まっている。
何度も時間が変えられて其のたびに早まっているのですから、実は今の公式に発表された時間よりも、もっと早い時間であった可能性が十分考えられます。
東電や政府はマスコミを使って悪質な印象操作の14メートルの大津波のデマ宣伝で『津波による原発の損傷』を宣伝していますが、その目的は何か。
単に何とかして原発反対の世論を抑えようとする稚拙なプロパガンダかも知れませんが、一番可能性の高い原因とは、津波到達以前の時間に『実は大地震で原発が致命的な打撃を受けていた』ことを隠す目的ですね。
地震の直撃で送受信鉄塔が倒壊して外部電力が失われただけではなくて非常用ディーゼル発電機も損傷して全電源喪失ブラックアウトに成るだけではなくて、経年で老朽化していた冷却水の配管が致命的な損傷を受けてメルトダウンが急速に始まって仕舞った。
炉心が発表の何時間も早くに熔けていれば、これ等の原子炉内にしかない放射性物質が出てくるのは当然であるでしょう。
初期のマーク1型原子炉には致命的な欠陥があり、そもそも地震のないアメリカでの設計なので耐震設計がまったく施されていなかったのでしょう。
この事実は原発メーカーのGM自身が良く知っており発表も一応は行っているが、設計に問題が有ることが事故原因だとなると製造者責任や賠償責任や、責任が無くても信用問題やイメージダウンに成るのでアメリカとしては何としても別の方向に持って行きたい。
日本政府も津波で損傷とした方が、福島だけの特殊例として他の原発に波及しないで済むので都合が良い。
東京電力も『想定外』を主張して賠償額を少なくすることが出来るかもしれないので都合が良い。関係者の思惑が一致したので巨大津波での原子炉の損傷との、今のマスコミ報道が出来上がったのでしょう。

『ベントの遅れが最重大ごとに』ミスをすり替えたい人々

水素爆発した1号機と、マスコミ各社で何回も強調されるベントの遅れ。
福島第一原発1号機が水素爆発した映像は何回も流されていて、この事実は誰でもが知っています。
そして、その水素爆発の原因がベントの遅れだと説明している。
ところが事実はベントの直後に水素爆発は起きいているのです。
それなら通常の常識的な素人判断ならベントこそが水素爆発の原因だと思われるのです。?
ところがテレビで説明する原子力の専門家は、それとは正反対に、ベントしなかったから(遅れたから)水素爆発したのだと全員が説明している。
今回のNHKもその2週間前のWSJの報道された事実は全く同じ。
全員が同じ説明だから信用出来ると考えるか。全てのマスコミが同じだから世論誘導のプロパガンダを疑うか。
ベントの実施に関する部分だけなら、関係者の証言の具体性や事実との整合性があるので『真実である』と見られる。
ただ、根本的な部分で『本当だったのか。』と疑っているのですね。
ベントですが通常は原子炉建屋ビルの隣りに立つ120メートル程の高い排気塔から排出される構造なのですが、事実はベント直後(ベント成功確認2時半、圧力が下がるのは半時間後)の水素爆発(3時36分)なのですから、一番考えられるのはマスコミ報道と大きく違い、すでに、地震で配管が壊れていて原子炉建屋ビル内に大量流出した可能性です。
ベントしなかったから爆破ではなくて、最初の1号機はベントしたから爆発が起きてしまった。
同じ水素爆発でも1号機と2日後の3号機では様子が全く違うのですね。
ベントから半時間後の1号機の爆発は爆風が横に広がり比較的小さな規模で済んでいます。
ところがベントから時間が経過してから爆発している3号機の水素爆発は凄まじく、キノコ雲が数百メートル以上の高さまで舞い上がった。
1号機と3号機では同じ水素爆発でも放射能汚染物質を吹き上げた高さが桁違いなのですね。
この差は何が原因か。
ベントからの時間差だと考えると簡単に説明が付くが、このベントの指示を出したのはアメリカから派遣されたマーク1原発の脆弱性を熟知している原子力の専門家で有る可能性が一番高いでしょう。
マスコミ報道ではこのベントが大問題であると繰り返し繰り返し報道されています。果たして本当か。
ベント以前に原子炉配管に致命的な損傷があれば、ベントの時間とは無関係に水素や放射能汚染物質が大量に漏洩していた可能性のほうが高いと思われるのですよ。
マスコミで大問題であると何度も繰り返し取り上げられたベントの遅れとの報道は、もっと大事な(知られたくない原子炉の地震に対する脆弱性)話の隠蔽の可能性が高いのですよ。
同じく水素爆発して建屋ビルの上半分が吹き飛んだ4号機はそもそも原子炉は休止中で燃料棒は仮設プールに一時貯蔵されていたのです。
4号機の水素爆発は3号機ほどの大爆発ではないが『そっくり同じ』といって良いほど良く似ています。
そして4号機の爆発はまったくベントとは無関係ですね。
それなら1~3号機の爆発が『ベントの遅れだった』と決め付けるマスコミでの原子力学者の判断の根拠は完璧に崩れていることになります。

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4 コメント

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13ヶ月ごとに (宗純)
2011-06-13 14:09:36
カークさん、コメント有難う御座います。

例え原発本体に何かの損傷があっても、運転中の原発は必ず毎年13ヶ月ごとに停止して定期点検を行っているので配管の損傷での冷却水漏れなどは、このときに必ず修理されるでしょう。
5ミリシーベルト台の累積被曝でも死亡事故は起きており労災認定がなされているのです。
ですから放射能の恐ろしさは原発関係者は誰もが知っているので、汚染物質の漏洩には神経質に対処していたと考えたいですね。
ただ過去の例から推察すると、『日本の原発は安全』との原発安全神話に全員が毒されているので、今回まったく動かなかった非常用電源のディーゼル発電機などは東日本大震災の大地震や津波とは無関係に、最初から故障していて使用不能だった可能性は十分に有るのです。

全電源喪失「考慮する必要はない」、人災だったと斑目安全委員長
2011年06月06日 | 放射能と情報操作

そもそも『日本の原発は安全』であるのですから、これ等の点検や補修などは原発安全神話とは相容れない事柄であり、『考慮する必要が無い』『想定外』の想定不適事象であると考えていたのでしょう。
あな恐ろしや。ゲンパツ安全神話の猛烈なマインドコントロールの恐怖。
矢張りこれでは日本の原発に何時かは大事故が起きることは『偶然』ではなくて『必然』であったのです。
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東電、政府、原子力学者、無知無能力無責任、悪魔のトライアングル (宗純)
2011-06-13 13:54:10
scottiさん、コメント有難う御座います。

そもそも原子力を推進する立場であるIAEAが、長い間日本政府に対して(原子力は危険なので)原子力の推進機関と規制組織との分離を主張していたのですが、何と、
日本政府は経産省の安全・保安院がアクセル役の原子力推進機関であり、内閣府の安全委員会が規制の為の組織だと説明して、『何ら問題なし』としていたのですね。
あの原発の安全を心底信じていた斑目委員長の安全委員会が原子力の規制機関だったとは呆れ返って、空いた口がふさがらない。
こりゃ~あ駄目だ。日本の原発でこれほどの過酷事故が起きる筈です。
あまりの情けなさに、涙が出そうですね。

日本では、安全・保安院と原子力安全委員会という名前がそっくりで中身もそっくり、まったく同じ仕事をしている二つの別組織が有ると、日本人の誰もが思っていいたのですが、実はアクセルとブレーキという建前上は正反対の役目だったとは。
絶句するしかありません。
救い難い怠慢であり無能の犯罪者連中ですね。
この原子力村の連中は誰も彼も何の疑いも無く心底『原発安全神話』を信じていたのですよ。
だからIAEAが『危ない』と注意しようが、原発メーカーのゼネラル・エレクトリックが『危険である』注意しょうが絶対に耳には入らず、これ等の客観的な事実とはまったく無関係に『日本の原発は安全です』と信じていたのです。
これは科学とか政治とかには無関係であり、原発安全神話という名の不思議で恐ろしい禍々しい、新興の破壊的カルト宗教なのですね。事故は『想定外』どころか必然であったのです。
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実は、地震前から (カーク)
2011-06-12 17:54:20
実は地震前から壊れていたなんて事はないのでしょうか?偶然、地震が発生し、なおかつ大津波も襲ってきたなんて事はないのでしょうか?
老朽化している原発だと聞いているので、そんな事を考えてしまうのですが。

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出てきましたこんな報道 (scotti)
2011-06-12 17:41:00
「東電、20年間放置 人災だ」 IAEA元事務次長「福島第1に欠陥」
2011年6月12日(日)08:00

(産経新聞)
 【ロンドン=木村正人】1993~99年に国際原子力機関(IAEA)の事務次長を務めたスイスの原子力工学専門家ブルーノ・ペロード氏が産経新聞のインタビューに応じ、福島第1原子力発電所事故について「東京電力は少なくとも20年前に電源や水源の多様化、原子炉格納容器と建屋の強化、水素爆発を防ぐための水素再結合器の設置などを助言されていたのに耳を貸さなかった」と述べ、「天災というより東電が招いた人災だ」と批判した。

 日本政府は7日、事故に関する調査報告書をIAEAに提出、防止策の強化を列挙したが、氏の証言で主要な防止策は20年前に指摘されていたことが判明し、東電の不作為が改めて浮き彫りになった。

 氏は「事故後の対応より事故前に東電が対策を怠ってきたことが深刻だ」と述べ、福島第1原発が運転していた米ゼネラル・エレクトリック(GE)製の沸騰水型原子炉マーク1型については、1970年代から水素ガス爆発の危険性が議論されていたと指摘した。

水素爆発は、GE福島第一原子炉の構造的欠陥。
だけど、指摘済みを東電が無視した構図にすり替えか、第二の誘導疑惑。(笑)
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