逝きし世の面影

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「ダーウィン賞」考

2015年03月20日 | 政治
『ダーウィン・メダルとダーウィン=ウォレス・メダル』

ダーウィン・メダル(Darwin Medal)はイギリスの王立協会が2年に一度、優れた業績を挙げた生物学者に授与する賞で、進化論のチャールズ・ダーウィンの名前にちなみ生物学における世界最高レベルの賞とされる。
生物学の最高権威であるダーウィン・メダルに名称が似ている『ダーウィン=ウォレス・メダル』は、『種の起源』の前年に出された、チャールズ・ダーウィンとアルフレッド・ウォレスの共同論文『変異型がもとの種より無限に遠ざかる傾向について;および自然が選択によって変種と種を永続させることについて』がロンドンリンネ学会で発表された1858年7月1日の50年後に当たる1908年に第一回の受賞が行われ、以後ロンドンリンネ学会から進化生物学を大きく発展させた人物に対して50年に一度送られる賞である。(2008年にリンネ学会は第三回目の受賞者を発表し、今後は50年ごとではなくて毎年授与されると発表した)
1859年出版の有名なダーウィンの『種の起源』であるが、ダーウィンは長年論文の構想を練っていたが、進化論が『人は神が自分に似せて創った』との聖書の記述と対立するために(宗教界や世間からの攻撃を恐れて)長年出版を躊躇っていたという。ところが、アルフレッド・ウォレスが同じ『進化論』の研究を進めている事実を知り、ウォレスに先を越されないようにと急遽不完全な草稿(仮説)と言う形で発表された経緯が有る。
大慌てで出版された有名なダーウィンの『種の起源』ですが、これは学術論文としては完全作では無かったのである。(ダーウィンの『種の起源』が出されていなければ、『進化論』はウォレスの名前で出されていた)

『ダーウィン賞の受賞者たち』

世に『ダーウィン賞』という名前のアメリカ人的なブラックユーモア賞がある。もちろん有名な『進化論』のチャールズ・ダーウィンから名が取られているが、愚かな形態・方法で死んだ者へ死後に贈られる『賞』である。(死ななくとも生殖能力を失うと授賞できる)
ある受賞者は切手不足で爆発物入りの封筒を差し戻され、自分の爆弾で爆死した。またのひとりはエレベーターのロープをエレベーター内にいながらにして盗もうとし、ロープ切断後、エレベーターもろともビル高層から落下、落命、受賞した。
ある授賞者は男らしさを証明するために恋人の前でオートマチック拳銃でロシアンルーレットを行ったが、弾丸が自動装填される仕組みなので1発目で命中して死亡、授賞した。
死んだ愚か者は、世界の遺伝子プールから自分の遺伝子を消し去ることで『人類の進歩に多大な貢献をした』、との設立理念で1985年に『ダーウィン賞』が設立されている。
デイリーメールが報じたところによると、『ダーウィン賞』の組織者らが調べたところ、何故か受賞者は女性より男性の方が遥かに多かった。318人の受賞者のうち女性はわずか38人だった。
ダーウィン賞は30年前の1985年からだが『不可解なことに、受賞者の9割が男性だった』と賞の組織者らは語っている。ダーウィン賞によって男が10倍も女より愚かであることを証明されている。

『日本人受賞者はゼロだが、その候補者たちなら大勢いるダーウィン賞』

ネットウョが救いがたい愚か者だからと言って、その反対の『護憲左派』(ネットサヨ)が賢いとの原則は何処にも無いのである。何と、この両者はミラー(鏡像)の関係だったのである。
アメリカにおける原理主義(福音派など宗教右派)の危険性を書いた記事に対して、『自分の周りには一人もいない』(だからアメリカには原理主義者はいない)と何万字ものコメントを送ってくる無政府主義者。そもそも外国人(日本人)の無政府主義者に近寄るアメリカの原理主義者など誰もいないことに気が付かない。
無関係な記事に『ダーウィンの進化論は間違いだ』と突然言い出す獣医さん。この獣医さんによると『強いものが生残る』とのダーウィンの説では『強いトラが繁栄し、弱い小動物は絶滅する』と主張する。小中学校の授業で完全に落ちこぼれても、何故大学の獣医学科を卒業出来たのかは永遠の謎である。
このバカ話(笑えない笑い話)には続きがあり何時もは至ってまともな記事を書いている他の護憲左派のブログ主までが『進化論とは、そもそもトラとネズミの生存競争の話ではない』との当然の指摘を一切無視。150年前に決着が付いている話を振出に戻すことは誰にも出来ないとの当然の常識が無い。ネット世界は珍獣動物園だったのである。(他の記述が幾ら正しくとも、ダーウィンの進化論を真正面から否定しては全てが嘘くさくなる)
日本で最初にダーウィンの進化論を講義したのは『種の起源』出版の18年後1877年(明治10年)、大塚貝塚の発見で有名なアメリカ人生物学者モースであるが19世紀当時の学生たちは真剣に最新の科学を聞いていたが、21世紀の今では逆に日本人の知的水準が退化しているのだろうか。

『誤報を口実に朝日新聞を叩いて、自社の購読数を伸ばそうとした読売新聞』

このダーウィン賞候補の筆頭なら、読売のナベツネであろう。読売新聞ですが世界最大の1000万部を超えている新聞社であり、もちろん日本の新聞業界では最大(第一人者)である。
その業界一位の読売が(自分の部数を伸ばそうとして)業界二位の朝日をW吉田誤報で大バッシングする前代未聞の騒動が勃発する。
ところが、結果は叩かれた朝日新聞は半年間で45万部も落ち込んだが、叩いた読売新聞は朝日以上の66万部も減らして、このままの比率で減ったら15年後に部数はゼロである。
今まで、今回の朝日叩きの様な『誤報』を理由にしたバッシングが一度も起きなかった理由は簡単で、新聞業界全体の信用を落す自殺行為だったから、今までは誰一人も行う者がなかったのである。
そもそも全ての物事に共通する大原則ですが、トップ(第一人者)とは自分ひとりだけでは無くて、否応なく競争者(ライバル)を含自分自身以外の全部の代表でも有るのです。
その第一人者(新聞業界第一位)の読売が、誤報で業界第二位の朝日を叩けば『朝日の信用問題』だけには留まらず、必ず現在のように新聞業界全体の信用度が極限まで凋落する。
新聞読者は4年前のフクシマの核事故では、全てのマスコミが大誤報を際限なく垂れ流すのを全員が目撃していた。
いまさら朝日新聞を誤報でバッシングしても白けるばかり。
そもそもダブル吉田を『誤報だった』と認めて謝罪した朝日新聞が不思議である。(古今東西、今までに似た例が一つも無い)
日本軍従軍慰安婦の吉田証言の話は、誰も覚えていない40年も前の話。正しかろうが間違っていようが今では何の問題もない歴史的な逸話の一つである。
もう一つの吉田調書は悪質で、所長命令に背いてメルトダウンして危機的なフクシマから9割の職員が逃亡した4年前の深刻な実話である。
それを後になって(事態が一段落して)から吉田所長が『後で考えたら』第二原発まで逃げた方が良かったと言ったことから、遡って『9割逃亡は誤報』と決め付ける不思議。
そもそも東電執行役員である吉田が一度は『9割逃亡』を事実を認めていることこそが最重要問題なのです。
『後から考えたら』など言い訳としても胡散臭いだけでは無くて信用度はゼロ。その時の事実関係の正誤(誤報であったか否か)ではまったく意味が無い戯れ言である。
吉田所長の命令に反して、9割もの原発職員が逃亡していた事実は微動だにしない。

『マスコミが14日夜の自衛隊の逃亡を報じないから、東電職員の逃亡の事実が見えない』

そもそも3号基が大爆発した3月14日夜には(最高司令官である菅直人首相の指示を無視して)自衛隊員が福島県民など一般市民を放置して、福島第一原発から『安全が担保されていない』として100キロ圏内から逃亡している。
もしもの時(国家の非常時用)に用意されている自衛隊が福島第一原発から全部逃亡しているのですから、単なる一般人である東京電力の原発職員が浮き足立ち、9割が逃げたのは何の不思議も無い。
ところが大手マスコミが大本営発表で『自衛隊の100キロ圏からの逃亡』の不都合を絶対に報道しないから、話の辻褄が合わなくなっているだけなのである。
一般人である東電職員は9割逃亡なのですが、なんちゃって軍隊の自衛隊は10割が逃亡したのですから、その腰抜け振りには呆れ返る。(こんな救いがたい不真面目で無責任な根性なしの腰向け連中の自衛隊に、殺し殺される本物の戦争が出来ると思っているらしい護憲左翼の誤解にも困ったことである)


『SHINE!ばいいのに』
shineの読みはシャインで意味は「光」で、英単語である。決してローマ字で『死ねばいいのに』と読んではいけない。

『日本の建国以来の価値観とは「世界征服」(八紘一宇 はっこういちう)だったとは絶句』

三原じゅん子参院議員(自民党女性局長)と麻生太郎副総理(財務大臣)とが参議院予算委員会の質疑で、大日本帝国の世界征服のスローガンだった八紘一宇(はっこういちう)を天まで持ち上げる。
ことあるごとに日本の歴史認識(戦争責任とか植民地支配、日本軍従軍慰安婦問題)を執拗に非難する韓国のパク・クネ大統領に対する最大・最高の応援歌(反日行為?)である。
敗戦から70年が経ったからと言って今頃になって軍国日本の象徴的スローガンである八紘一宇(はっこういちう)を持ち出すなど、到底言い訳できない致命的なオウンゴールとなる。
丹波哲郎は『あの世とこの世は地続きだ』といった。
ところが、麻生太郎とか三原じゅん子の頭の中では八紘一宇の旗印で世界征服を企んだ挙句に70年前に滅んで今では跡形も無い超軍事大国である大日本帝国と、地理的に同じ日本列島に存在するがまったく別の平和国家『日本国』とが地続きで一つながり『違いが無い』のである。
『あの世とこの世』が地続きではないように、世界帝国を目指して近隣のアジア諸国に恐れられた大日本帝国と日本国は決してひと続きではない。
『あの世とこの世』、『大日本帝国と日本国』は、事実としても論理としても断絶している。(断絶していなければ自動的にトンデモないことが起きて仕舞う)
もしも、本当に大日本帝国と今の日本国とが『同じ』で有るなら即座に『世界平和の敵』として連合国(国連加盟国)からの武力制裁の対象になる事実はポツダム宣言や国連憲章に明記されているのです。
大日本帝国は1945年5月9日にナチス・ドイツが降服した後も自らの負けを認めず、世界中を相手に無意味に戦争を継続した挙句にヒロシマナガサキへの核攻撃とソ連軍の参戦で8月15日にやっと降服しているが、もう一度『八紘一宇』のスローガンを叫んで同じことを繰り返す心算なのであろうか。
去年は憲法9条を堅持した日本人全部がノーベル平和賞候補になった。
ところが、八紘一宇を堅持するつもりの日本の右翼国粋主義の方は間違いなく全員が『ダーウィン賞』の最有力候補である。
『建国以来、大切にしてきた価値観』どころか、1936年(昭和11年)2月24日のクーデター未遂(二・二六事件の決起趣意書)から公式になったのが『八紘一宇』であり、まあ昭和の『軍国日本』の『建国以来、大切にしてきた価値観』(昭和にできた造語『流行り言葉』程度)なのである。
八紘一宇は『日本書紀』の中にある神武天皇の『掩八紘而爲宇』が元(初出)なのだが、そもそも神武天皇は伝説上の人物で実在しないし、古事記や日本書紀は漢文(中国語)で書かれていて記述の半分以上は生粋の中国人が編纂している。(ネイティブな中国人なら決して間違えない漢文の誤りが一部にあり日本人編者も書いていたことが分かる)1500年前の神武の時代に、大八島(関東東北以西の日本列島)以上の『世界』などという概念はありえません。
大八島とか大八洲国、大八洲とも呼ばれるが、『 古事記』『日本書紀』では、本州・九州・四国・淡路・壱岐・対馬・隠岐・佐渡などの西日本の『八つの島』を指す言葉。当時は朝鮮半島どころか、北海道も沖縄県(琉球諸島)も倭国の範囲には含まれていなかった。



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「ダーウィン賞」・日本書紀・クーデター (大現田石)
2015-03-21 20:29:17
大現田石です。
政治のカテゴリーで「ダーウィン賞」と日本書紀とクーデターを一つの記事として扱うのは無理があるのではないでしょうか。ダーウィン賞(自殺的行為)→新聞(出版報道)→失敗したクーデターとの流れなら何とか理解できるかもしれませんが、でもかなり苦しいですね。
おまけですが、3月20日時点での記事終わりから9行目に「2009年2月22日のクーデター未遂」とありますが、2009年に麻生太郎内閣を倒す超国家主義のクーデター計画があったのでしょうか。この点はどうでしょうか。私は2月22日は島根県隠岐島からさらに沖にある「竹島の日」と理解しています。
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忙しくて、校正が間に合わない (宗純)
2015-03-22 11:42:05
大現田石さん、コメント有難うございます。

この『逝きし世の面影』ブログは長文を数日に一度の頻度でしか投稿し無いのですが、此の頃は書きたいことが多過ぎて今月は連日書くので肝心の校正が時間的にまにあわない。
幾ら間違いでも書いた当人は正しく書いている心算なので、その日に何遍読み返しても(脳内で正しく変換してしまい)気が付かないので訂正が出来ないのです。
それで時間が経って脳内がリセットされた状態のときに、もう一度校正していたのですが、連日投稿すると疎かになる。
テロリストと義士の違いは紙一重
2015年03月19日 | 東アジア共同体
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/ff91fb9c6bba76894acdda7d5088acae
の1909年の伊藤博文暗殺で有名な『独立運動家』安重根(アン・ジュングン)や北欧バイキングの終末神話、
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2014年01月02日 | 経済http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/303cc30085bfc2541174fe78e3414eef
など色々余分なことを考えながら書いていたら、二・二六事の日付がとんでもないことになっていた。正しい日付に訂正しておきました。

そもそもこの下世話で低級な『ダーウィン賞』ですが、首やら腕やらが飛んでいるのを笑うクエンティン・タランティーノ監督のキル・ビル (2003)の様な、下品で残酷でえげつない、アメリカンジョークですよ。政治ブログだからといって余り真面目に反応されても今回ばかりは逆に困るのです。
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