『全電源喪失』指針見直す考え6月5日NHKニュース
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、すべての電源を失ったことで事故が深刻化しましたが、原発の安全対策を示した国の指針では『長期間にわたる全電源喪失を考慮する必要はない』と記述されています。
この指針を所管する原子力安全委員会の班目春樹委員長は、NHKの取材に対して、震災が起きるまで全電源喪失を考慮しないことが深刻な事故につながるとは認識していなかったことを明らかにし、指針を全面的に見直す考えを示しました。
『原発安全神話による人災』
国の指針『安全設計審査指針』は、平成2年(1990年)に原子力安全委員会が改定したもので、全国の原発は、この指針に沿って災害や事故に備えています。
指針では『長期間にわたる全交流電源喪失は、非常用電源の修復が期待できるので、考慮する必要はない』と記述されており、こうした防災に甘い記述が今回の事故を深刻化させた要因の1つになっていると指摘されています。
これについて、指針を所管する原子力安全委員会の班目春樹委員長がNHKの取材に応じ、『すべての電源喪失を考慮しなくてもよいとわざわざ書いてある。私もうっかりしていたが、今回の事態に至るまでこの文章を気にかけていなかった』と述べ、記述があることは知っていながらも、深刻な事故につながるとは認識していなかったことを明らかにしました。
そのうえで班目委員長は『最悪のケースをきちんと想定すべきだった。私自身も勉強不足で大変申し訳ない。指針そのものに間違いがあるわけで、指針を根本から見直す必要がある』と述べました。
さらに、班目委員長は、こうした記述が長年放置されてきた背景について『“原子力村”と呼ばれる狭い社会の中で、自由かったつな議論が行われず、くさいものにはふたをするというような、難しい議論を避ける空気があった。今回の事故は人災だった』と述べました。
『福島第一事故が起きるまで、同じ態度だった原発村』
以下の記事は4年前の2007年7月16日の新潟県中越沖地震の後、世界最大の原子力発電所である東京電力柏崎刈羽原子力発電所に対するマスコミ報道の記述であるが、何と驚くべきことに書いてある『内容』が、4年後の2011年6月5日付けNHKニュースと同一である。
1年前の昨年5月にも通商産業省安全・保安院の寺坂信昭院長は、電源喪失は『有り得ないだろうと言うぐらいまでの安全設計をしている』と述べ『全電源喪失は有り得ない』と断言していた。
これ等の福島第一事故以前の『不都合な真実』を無視し続けた斑目など原発村の住民達の犯罪的怠慢が、今回の明確な人災を引き起こしたのです。
『2008年の記事から一部を抜粋』
規制当局である内閣府の原子力安全委員会は、1990年に定めた発電用軽水炉の安全設計審査指針の解説に、長時間の全電源喪失について『考慮する必要はない』と明記している。
理由は『送電線の復旧または非常用交流電源設備(非常用ディーゼル発電機)の修復が期待できるため』としており、国は外部電源を失ってもすぐに非常用発電機が作動すると想定してきた。
『起動しない非常電源、度々失われる外部電源」
福島第一原発事故発生の事実を見てから泥縄で、1月後の4月11日に東京電力新潟県の柏崎狩羽原発で『全電源喪失』を想定した訓練の実施をきめる。
泥縄訓練の実施前の4月7日、東北大震災の大きな余震(震度6強)が発生し、原発ではまたも電源喪失が繰り返された。
この余震時、北海道から東北地方の広範囲の原発や原子力施設で、外部からの電力供給を断たれたほか、外部電力の復旧後も非常用電源ディーゼル発電機が故障している。
東北電力・東通原発(青森県)では、余震発生の直後に2系統ある外部からの送電が両方とも停止。しかも、全部で3台備えている非常用ディーゼル発電機は2台は検査で使用不能。
辛うじて残っていた1台が起動し冷却は維持されたが、翌日の8日にはその最後の非常用発電機が故障して使用不能。
この時復旧していた外部電源で綱渡り的に辛うじて福島第一の再来を回避している。
青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料再処理工場でも、同じように外部電源の喪失が起きている。
宮城県の東北電力女川原発でも、余震で外部からの3系統の送電のうち2系統が止まり最後に残った1系統の外部電力は計器が誤作動して自動停止したが、約1時間後に手動で再開し冷却を行う際どい綱渡り、丸っきりのサーカスの曲芸状態。
この女川原発1号機の2台ある非常用ディーゼル発電機は余震前の4月1日時点で故障で1台が使用不能だった。
何故か日本の原発に設置されている絶対確実のはずの非常用ディーゼル発電機は、いざという場合にうまく起動しないことが多い不安定な電源で信頼度は低い。
関係者全員が『原発安全神話』に根本まで毒されているのか、何とも不思議過ぎる話で首を傾げざるを得ない。
『原発の耐震安全性は根底から崩れた』
2007年7月17日 原子力資料情報室(抜粋)
7月16日午前10時13分ごろ中越沖地震が起きた。この地震の揺れによって稼働中の柏崎刈羽原発4基が自動停止した。
停止したのは2号炉、3号炉、4号炉、7号炉で、うち2号炉は定期検査の最終段階の調整運転のために原子炉を起動中だった。
他は定期検査中で原子炉を停止していた。
震災にあわれた方々の苦痛はさらに続くだろうが、原子炉が緊急停止したのは不幸中の幸いというほかない。仮に停止に失敗していたら、放射能が大量に放出される原発震災に至る怖れもあった。
停止に続いて3号炉では外部電源を取り込む変圧器で火災が起きた。
原因について詳細な発表はないが、漏れは地震により機器・配管に亀裂が入ったことで起きた可能性が高い。
鎮火までに2時間近くもかかったのは、消火剤の調達に時間がかかったからといわれている。油火災への備えがなかったことは深刻な不備と言わざるを得ない。
変圧器が機能しなければ、外部電源喪失事故という特に沸騰水型原発では恐れられている事故となる。
直ちに非常用のディーゼル発電機が起動することになっているが、この起動の信頼性は必ずしも高くなく、地震により起動しない恐れもある。
炉心燃料は自動停止した後も高熱を発しているため冷却を続ける必要があり、これに失敗すると燃料は溶融して高濃度の放射能が環境に放出されることになる。
場合によってはその後に爆発を伴うこともあり得る。
それほど重要なことを内包する火災だったが、東京電力は変圧器が機能し続けていたか、非常用電源が起動したかなどの重要な情報を発表していない。
さらに東電は6号炉で放射能を含んだ水が放水口から海に放出されたと発表した。
使用済燃料プール水が揺れで溢れだした可能性は高いが、例えば、プールに亀裂が入っていることも、プール水循環装置からの漏えいも考えられる。
このような場合、漏えいは止まらず、早急な対策が取られなければならない。
水漏れから放射能の確認まで6時間近くたっており、原因究明が急がれる。
使用済燃料プール水の溢れだしは地震のたびにおきていることからすれば、海への放出にまで至ったのは明らかな対策の不備である。
建屋内の情報が公表されないので被害状況が分からないが、機器や壁などがさまざまな影響をうけているに違いない。
今回の地震の揺れは設計用限界地震として想定した値を超えていた。
東電の発表によれば、最も厳しい場合が1号炉でおよそ2.5倍に達している。
今回の地震は東西30km、深さ25kmの断層が破壊されたという。
2005年8月16日の宮城県沖地震、07年3月25日の能登半島地震、そして今回の中越沖地震、わずか2年ほどの間に3回もそれぞれの原発での設計用限界地震を上回った地震が発生している。
原子力安全委員会は06年9月に耐震設計審査指針を28年ぶりに改定し、電力各社は既存原発に対して新指針に基づく耐震安全性チェックを進めているが、ほんらいはすべての原発を止めておこなうべきことであろう。
原発を稼働しながら数年内にチェックを終えればよしとしている原子力安全・保安院の現在の姿勢は根本的に見直されるべきである。
『予定されていた最後のカタルシス』
この上記の原子力資料情報室記事は4年も前の中越地震の柏崎刈羽原発の話であるが、今おきている、同じ東京電力の福島第一事故の話と寸分違わない事実には、ただただ驚き呆れる以外に言葉も無い。
今の悲惨極まるカタルシスは『偶然の結果』でも、たまたま『運悪く』でも無かった。
『想定外』どころか、これ以上に確実な『予想されていた致命的な破局』は無いだろう。
東日本大震災は天災であるが、これとは大きく違い、福島第一原発事故は明確な『人災』であったことは疑いようが無い真実である。
NHK総合 NHKスペシャル シリーズ 原発危機 第1回「事故はなぜ深刻化したのか」
なぜ、ここまで事故は深刻化したのか。
事故対応にあたった官邸など当事者たちの証言と内部資料をもとに徹底検証するとの触れ込みなのですが、
内容的に、官邸関係では、
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版『福島第1原発、事故直後の新事実が明らかに―WSJ分析』2011年 5月 18日付け記事の内容と同じですね。
はっきり言って、目新しいものは何もありません。
全ては5月18日WSJ記事と同じ。
まったく同じだから信用出来ると解釈するべきか、それとも、『同じである』ことから何らかの世論誘導の可能性を考えるべきか。
難しいですね。
NHKでは触れられていませんが首相官邸の対策本部にはアメリカから派遣された原子力事故対応専門家が張り付いていたのは間違いないでしょう。
ですから管直人首相の異例中の異例の事故の原発に直接乗り込んだ原因も管直人の意思や政治的な思惑よりも、ホワイトハウスから派遣された原子力専門家の判断が優先されていた可能性が高いのですよ。
一国の最高指導者として日本の管首相のしりがとんでもなく軽いのですね。
これまでの前例とは違いすぎる。管首相の行動が信じられない位にあまりに早すぎて異常なのです。トップの行動として軽すぎて不思議がっているのですね。
菅首相の事故後の行動ですが、浜岡原発の停止を含めて全ては東京ではなくてワシントンの意思であっても何ら不思議ではないのですよ。
それなら管政権の行っていた今までの色々な不思議な話が全て簡単に辻褄が合い、合理的に納得がいくのです。
GM製のマーク1原発には設計上の問題点がありメルトダウンすることは管直人や斑目は知らなかった可能性が有るが、オバマ大統領は誰よりも知っていたらしいのですよ。
6月5日NHK総合 NHKスペシャル シリーズ 原発危機 第1回「事故はなぜ深刻化したのか」
の時間の続きに教育テレビでNHK ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図 の続編で、メルトダウンした燃料棒が圧力容器を突き破り格納容器内に落下。
格納容器の底に穴が開きコンクリートと接触すれば溶解した燃料とコンクリートが反応している最終段階ではないかとの説明は驚異的。
恐ろしい話ですが。それで無いと説明できない不思議な事が福島第一原発で起きているのです。
日本の原発の基本設計は全てアメリカ製ですね。
特に今回問題を起こした福島第一原発1~3号機はGM社製のフルターン・キーシステムがより問題を重大化させたと大前研一が主張しているのですが、全てはマニュアル化されていて、原発作業員が従うだけで良かったらしいのです。
逆に考えるとマニュアルに無いことには如何しようもなかったんですね。
これを判りやすく言うと、原発職員『マクドナルドの店員説』ですね。
これは愚樵さんの>『原発は職人を育てることができない構造的な問題』とも関連した話でしょう。
ただ>『現場の熟練した職人ほど被曝の危険が大きく、早く引退していくことになる』
例は、少ないのではないでしょうか。
被曝するような汚い作業は下請けが行い現場を良く知っている。
ところが、現場を知らないが大事な実権の方は東電の社員が握っている構造であったらしいですよ。
職人的な人がこの東電社員にはいなくて、日本的なホウレンソウ(報告、連絡、相談)が一番大事な構造で、上司の決定無しでは何も出来ないが社長も副社長も会長も出張でトップがいなかった。
8時間以上もの決定的なベントの遅れの原因は正にこれです。
GM製のこのマーク1には決定的な脆弱性がありアメリカで同型の原発には現場の作業員に一定の決められた圧力でのベント解放はマニュアルとして存在しているので、日本で問題となる上司の判断の有無は無関係なのです。
>『言霊信仰からです。起きる可能性は承知していても、そこあまりを言い立てるのには躊躇があった。
>『危険な設計になっていれば事故の危険は確率的に高くなるのは当然ですが、危険に知悉する機会が増え・・・・
これは如何でしょう。
『原発は危険で有る』と言いながら原発を動かすのと『原発は安全である』と信じて原発を動かすのでは明らかに前者よりも後者は危険がより大きいですよ。
これは正に
不思議な労災事故?『押尾学事件より悪い片山右京遭難事故』
2009年12月20日 | スポーツ・文化
で私が問題としていた片山右京の話ですね。スポーツとして登山がとんでもなく危ないとの認識が無かったのです。
『自分が遭難する可能性が有る』と思っているか思っていないかで、その事前に持っている危険性の量の差は、同じ程度で違いが小さいが、もしもの時の、その後の対応は全く違うのですよ。
そして今度の事故後の対応を見ていると、東京電力とか安全院とか政府とか、完璧に片山右京状態ですね。
事故後の対応を見れば、彼らの誰一人も、『原発はとんでもなく危険である』とは全く予想していなかったことだけは確実です。
これでは今の様な原発事故の拡大は当然でしょう。何の危険性も事前には予想できない、救い難いど素人の集団が、とんでもなくあぶない原発を『安全である』と扱っていた。
本当に腹がたちますね。
我が日本列島ですが、世界一大きくて年間数十人もの死者がでる多分世界一危険な蜂の大スズメバチや世界一大きな数メートルにもなる両生類のオオサンショウウオなどの、本来は小さい生物であるものの日本独自の局地的な巨大化が見られるのです。
生存競争の激しい大陸では大きなモノはより大きくなり、小さなものはより小さくなって生き残りを図る。
ところが島では本来大きいゾウなど、大きなものは小さくなる傾向が有るが、その逆に小さなものは大きくなる『島の法則』なるものが有るのですが、
日本の場合にはこれが『人に』当て嵌まっているのですよ。多分。
大震災直後に外国のメディアは、被災地の日本人が暴動にも略奪にも走らず被災者自らが助け合って整然と行動している姿に感動していたのですね。
我先に救援物資を奪いあったり、被災者が人前も憚らず感情を爆発させる人は外国では当たり前なのですが日本では誰一人もいなかった。
ピラミッドの底辺の一般市民のレベルは世界一高さを誇っているのが、困ったことに頂上のトップの力量が、大陸では大きなものは島では小さく、小さなものは大きくなる『島の法則』が働いた結果なのか、トホホの最低ランクの状態なのですね。
我々庶民とそのトップに立つべきリーダーの間に差が無いのは平時では、喜ぶべきことなのでしょうが、如何せん、今回のような非常時には矢張り問題を起こして仕舞うのです。
3号機の爆発の時に風向きは東京方面でした。
その割には、関東方面の汚染が少ないように思います。
それと3号機の爆発では、1号機の爆発では見られなかった、大量の火柱が映っていますし、規模も相当に違うように思います。
本当に同じ水素爆発だったのでしょうか?
水素爆発はベントすれば防げるものではないのでしょうか?
繰り返し見れば見るほど、疑問だらけなんです。
ベントのバルブは電動だったとありましたが、その時間には電源車は数十台も駆けつけていたと思います。ベントのバルブが手動にしても、右に回すか、左に回すか、だけではありませんか?
マダラメ委員長がベントをしてくれと何回も繰り返したの発言も、政府がベント要請の後のように思います。
NHKの放送なので、どこまで真実が語られているのかも疑問です。
国会議員が超党派で調査委員会を立ち上げて真実を報告して欲しいと思っています。
ついでに、原発の本当のコストも公開して欲しいですね。
電力各社の原価の違い、料金の違い、米国から核燃料を仕入れるコストまでも公表して欲しいと思っています。
大事故が起きないだろうと考えていた理由は、私もやはり日本人です、言霊信仰からです。起きる可能性は承知していても、そこあまりを言い立てるのには躊躇があった。その躊躇が漠然と「ないだろう」という思考停止を導いた。もうひとつは、枯れても日本は「職人の国」だということです。
日本人は巨大なシステムを構築するのは苦手と言われます。原発プラントがどれほど複雑なものなのかは私にはわかりませんが、実用化から数十年経過した技術です。熟練した職人も存在するのだろうと思っていました。
現場の安全というのは、いくら設計が優秀でも、最終的には職人の力量によるところが大きい。危険な設計になっていれば事故の危険は確率的に高くなるのは当然ですが、危険に知悉する機会が増えますから、逆に事故は起きにくくなるということもあるんです。宗純さんはハインリッヒの法則に触れられていますけれども、細かな「事故の芽」は現場を知悉することで摘み取られていく。逆に、安全な現場ほど危険を知る機会がなくなりますから、事故が起こる確立は低くても、一旦起こると大事故になる危険性が高かったりする。どのような機械も所詮は人間が運用するものですから、「人間の質」によって危険度は左右される。原発も、その例に漏れないだろうと考えていたわけです。
しかし、これは全くの間違いでした。迂闊なことです。原発は職人を育てることができない構造的な問題を抱えています。現場の熟練した職人ほど被曝の危険が大きく、早く引退していくことになる。これでは現場の知識は蓄積できない。蓄積できなければ継承されることもない。
ベントを行なうバルブは電動で行なうことしか想定されていなかった。これではノーテンキと言われても仕方がありません。が、それは、机上で設計を行なう技術者あるいは管理者の発想であって、現場の人間ならそんな考え方はしません。マニュアルに書いてあろうがなかろうが、電動でダメなら手動で行くのは当然の話です。
(もっとも原発事故の場合は放射線が現場への侵入を阻みますから、そう簡単に「当然」とはいえないのですが。)
原子力は職人を育てることが出来ない。非常用のディーゼル電源の起動率が甚だ悪いのも原因はおそらくここらにあるでしょう。
災害の対策は、起こりうる確率ではなく、可能性に基づいて、立案しなければならないという事を忘れてたみたいですね。どうにも、日本は地位と能力は反比例するみたいですね。原子力委発電所の単なる一所長の方がよほどまともですよ。
もっとも、そんな事を考えなかったからこそ、安全神話が今まで成り立ってきたのでしょうけれど。
ハインリッヒの災害定理で『労災事故』において1つの重大事故の背後には29の小さな事故があり、その背景には300の(事故にまでは至らない)異常が存在するというもの。
重大労災事故は、決して単独では起きることは無く、必ず1対29対300と言うピラミッド構造になっている。
一つの死亡事故の影には、29の怪我が隠されており、その後には怪我にまでいかなかったが、ヒヤリとした怪我寸前が300件起きているので、大事故を無くすなら300の「ヒヤリ・ハット」した(危うく大惨事になる)事例に注目する必要が有るのですね。
このハインリッヒの法則 から判断すれば、福島第一事故は、『想定外』どころか、誰にでも簡単に予想されて、確実に起きる種類の人災であることが証明されます。
それにしても原発村の住民たちは今まで何を考えていたのでしょう。
多分全員が思考停止状態で、何にも考えてはいなかったのでしょう。
全員で『原発は安全です』との念仏を唱えていたのですが、不思議なことに念仏が何回も唱えられている間に『実体化』したのですよ。これはもう、ほとんどホラーですね。
科学者なら有り得ない『絶対安全』の虚構が、『原発は絶対安全』といる実体を持って人々を支配していたのですから睡眠時の脳内の夢が実体化する筒井康隆のパプリカとかスティーヴン・キングのキャーリーのSFホラー小説の世界ですね。
事故から3ヶ月が経ったからでしょうか。
段々と、今までは隠されていた不都合な真実が徐々に明らかになりつつありますが、原子力安全委員会の半分の数値だった安全・保安院の漏出した汚染物質の分量が2倍強に増されていますね。
メルトダウンの時期が地震当日に起きていたとの東京電力の発表された時間よりも、もっと早くに原子炉の破壊が進んでいたとの解析結果も同時に発表された。
アメリカのオバマ大統領がワシントン時間で早朝4時に主席補佐官によって『地震発生を知らされた』との初期のマスコミ報道ではなくて、(時系列的に考えると)福島第一のメルトダウンの事実を、いち早く補佐官が就寝中の大統領を起こしてまで連絡した可能性が高い。
当ブログ記事、『3・11原発事故発生時のオバマと管直人』
(2011年04月04日 放射能と情報操)
>『アメリカですが今度の原発事故では肝心の東電や日本政府よりも最も動きが早い。
何と地震当日の11日には米原子力規制委員会(NRC)の技術担当者を東京に送って首相官邸に常駐しいるらしいのです。
派遣人員も16日までには11人にも増員している手際の良さは目が覚めるよう。
日本側報道では、寝ているオバマが早朝4時に主席補佐官に起こされて日本の地震発生を聞かされた、とされているがウソ臭い。
これは地震発生ではなくて『原発の電源喪失トラブルを知らされた』としないと、時間的に可笑しいのです。
オバマ大統領が12時前に寝ていたとは考えがたく、それなら大震災発生を聞いて自ら原子力規制委員会の担当技術者を東京に派遣して、しかも『重大事故に発展しそうだったら何時でも起こせ』と主席補佐官に厳命していたと解釈するほうが、時系列的に辻褄が合う。『管直人の電撃視察はオバマ大統領との電話会談の6時間後』
オバマ大統領は11日の超早朝午前4時という、人間が最も眠い時期にデーリー大統領主席補佐官から就寝中を叩き起こされて大震災原発の電源が喪失した恐るべき事実を聞かされている。
日本の報道では各社が例外なく、大震災発生の一報を受けたと書いているが、事実で無い可能性(意識的な誤報による印象操作)の方が遥かに高い。』<
記事では『全電源喪失』となっているが事実はもっと進行していて恐ろしい『メルトダウン』だったので主席補佐官は早朝の非常識な時間帯にもかかわらず寝ているオバマ大統領をたたき起こした。
それにしても誰よりも早くアメリカのホワイトハウスに『メルトダウン』を知らせたのは誰か。
事態の収拾に手一杯の東電で有る可能性は低いし、アメリカのホワイトハウスのスタッフが直々に情報収集していた可能性はもっと低い。
常識的には日本政府からの連絡だったと考える方が正しいだろうが、
それなら『原発は爆発しません』とか『福島第一視察で、管首相は勉強がしたいと言った』とかの数々のお惚け発言連発の斑目安全委員長か、その周りのスタッフだった可能性が一番高いのですね。
何も知らない阿呆を装っている斑目委員長は、実は最初から最後まで知っていた、悪知恵に長けた全く食えない大狸ですね。
権威なんてものは民主主義には相反するものなんですが、この権威に「神国不敗神話」だの「原発安全神話」だの「放射能安全神話」が成り立つわけで、毎度毎度騙される国民と権威の中身を知りながら鼻で笑っている連中。加えて増税原発翼賛会に突き進む永田町。もうやってられません。
おまけにバルブの操作も電動ですと.万一のとき手動で操作せねばならない可能性も考慮されてなかった.
何と脳天気な安全対策か,と,天を仰いでしまいました.