地球の気候当面は「寒冷化」 日経新聞2009年2月2日
地球の平均気温の上昇が頭打ちとなり、専門家の間で気候は当分寒冷化に向かうとの見方が強まってきた。
地球温暖化の主因とされる二酸化炭素(CO2)の排出は増え続け長期的には温暖化が続きそうだが、自然の変動が気温を抑制するように働き始めたとみられている。
気温の推移は、温暖化対策の論議の行方にも影響を与えそうだ。
平均気温は1970年代半ば以降ほぼ一貫して上昇。
しかし98年をピークにこの10年間は横ばいないし低下し、2008年の気温は21世紀に入り最も低かった。
この結果、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が予測する気温の上昇カーブとの隔たりが拡大。
IPCCは気温が2000~25年に10年あたり約0.2度のペースで上昇するとしているが、実際は最近十年で約0.2度下がった。
気温低下の原因として専門家が有力視しているのが、海の自然変動の影響。
太平洋では数十年ごとに水温が上下する太平洋十年規模振動(PDO)という現象が知られる。
PDOの高温・低温期は、平均気温の上昇・下降期とほぼ連動。
2000年前後にPDOが高温期から低温期に切り替わったと見られている。
前回のPDO低温期は70年代半ばまで約30年間続いた。
今回も同じ規模で低温期が続くと、2030年ごろまで平均気温が上がらない可能性がある。
IPCCの長期見通しが正しければその後は気温が再び上昇することになる。
IPCCに参加する研究者は、近未来の気温を正確に予測するため、自然変動の発生時期を考慮した計算機シミュレーションに乗り出している。
寒冷化との関係で太陽活動の「異変」も注目されている。米航空宇宙局(NASA)は昨年9月、「太陽活動が約50年ぶりの静かさ」と発表。
その後も太陽活動は静かな状態が続いている。太陽の日射量の変化のほか、太陽磁気の変動が地球の気候に与える影響への関心が高まっている。
IPCCは2007年の報告書で、今世紀末までに最大6.4度の気温上昇を予測している。
『太陽 黒点消えた』 活動、100年ぶり低水準2009年4月9日東京新聞
太陽活動の目安となる黒点が、今年は全く見えない日が非常に多く、活動が約百年ぶりの低水準にあることが、米航空宇宙局(NASA)の観測で分かった。
太陽活動は約十一年の周期で変動しており、現在は極小期にあるが、歴史的な低調さが次の極大期の時期や規模、地球の気候にどう影響するかが注目されている。
NASAによると、今年、黒点の見えない日は七日までの九十七日中八十五日で88%となり、一九一三年の85%を上回っている。昨年は73%だった。
衛星観測では、前回の極小期の九〇年代半ばに比べ、太陽の可視光の放射は0・02%減少し、紫外光は6%減少。電波の強さと、太陽から噴き出す電離した粒子「太陽風」の圧力は、ともに約五十年間で最低水準だ。
十七世紀後半から十八世紀初めにかけては、「マウンダー極小期」と呼ばれる黒点がほとんど観測されない時期が長く続いた。欧州などの寒冷化を招いたとの見方もあるが、科学的な因果関係は不明。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が二〇〇七年に公表した第四次報告書では、太陽活動も検討対象に加えられたが、どの程度の影響があるかの研究はまだ進んでいない。
『赤祖父俊一・米アラスカ大学名誉教授』
IPCCが温暖化の主因と見ているCO2の増加は今も続いているのに、気温の上昇は止まり、海水面も降下し始めている。
IPCCは予測の誤りを認め、直ちに公表すべきではないか。
地球の気温は小氷期と呼ばれる寒冷期からの回復が1800年代から続いており、その上昇ペースは百年で0.5度。過去百年の気温上昇は約0.6度なので、近年の気温上昇の大部分は小氷期からの回復分と見なすことができる。
これに数十年規模の自然変動が作用して今は気温上昇が抑えられている。
小氷期からの回復が今後も続けば、今世紀末までの気温上昇は約0.5度。そのときに数十年規模の自然変動が温度を上げる方向に働いた場合でも、上昇幅は最大1度程度に留まるだろう。
太平洋十年規模振動(PDO)指数の変動 2009年3月16日気象庁地球環境・海洋部
太平洋では10年以上の長い周期で大気と海洋が連動して変動しており、PDO(Pacific Decadal Oscillation:太平洋十年規模振動)と呼ばれています。
PDO指数は、この気候変動の指標です。
PDO指数は、北太平洋の20ºN以北における海面水温偏差の経験的直交関数(EOF) 第一モードの時間係数で定義しています(ただし、地球温暖化の影響を取り去るため、EOF計算を行う前にそれぞれの地点の月平均海面水温偏差から全球平均海面水温偏差を除いています)。
このPDO指数が正(負)のとき、海面水温は、北太平洋中央部で平年より低く(高く)なり、北太平洋東部や赤道域で平年より高く(低く)なる傾向があります(PDO(正極)時の典型的な海面水温分布図)。
また、PDO指数が正(負)のとき、海面気圧は、北太平洋高緯度で平年より低く(高く)なる傾向があります。これは、冬・春においてアリューシャン低気圧が平年より強い(弱い)ことを示しています( PDO(正極)時の典型的な海面気圧の偏差分布図)。
2009年冬季(2008年12月~2009年2月)のPDO指数は-1.1でした。
数十年の長い時間規模では、PDO指数は1940年代に正から負へ、1970年代末に負から正へ、変化しています。
1980年代から1990年代まではおおむね正の値(北太平洋中央部で海面水温が低い状態)で推移していましたが、2000年以降は数年毎に正負の値が交互に現れ、明瞭な傾向が見られません。
はっきり言って「くだらない」の一言ですね.これというのも,高校での地学教育が受験の名のもとに一掃されてしまったせいもあるのではないかと思います.
私が高校時代の30年前と言えば,物理・化学・生物・地学は最低限Iが必須でしたから (私は理系だったので全科目 II まで必須),それが「当たり前」で,逆に言うと「物理嫌い」=「物理という名前だけは覚えている」若者が量産された訳です.例え理解できなくても,そういえばそんな事を習ったなという感覚だけでも頭に残っていれば,中等教育の普通科を一応終えたと言えるんじゃないでしょうか.
それを入試の合格率アップのために高2で文系・理系に分けて,文系は理数の授業を減らすなど,もっての他です.だから将来国や自治体の官僚になろうという連中に「理科離れ」が生じ,「マイナスイオン」のような反科学に簡単に引っ掛かってしまったりするし,オウムのような「科学教」に引っ掛かったりする.高校の教育現場は予備校じゃないんです.
2008年5月に開かれた地球に関する科学者共同体48学会が共催した日本国内最大の学会で行われた『地球温暖化の真相』と題するシンポジュウムが開かれていますが、参加者のうちでIPCCの主張する人為起源の二酸化炭素温暖化説は1割で、其の他の9割の科学者は『地球温暖化人為起源説』に対しては懐疑的です。
ところがマスコミ報道はその反対で、1割の説が定説とされ、それ以外の学説は異端か邪悪な危険思想として排斥されている。
温暖化しているとの説とは正反対に2035年に向け地球は寒冷化のサイクルに入っているとの説も有るようです。
どちらが正しいかは論争の決着とは関係なく、30年待てば自ずと明らかですが、自然科学分野でも気象学は扱う対象が地球規模なので社会科学的な要素もあるようですね。
自然科学でも社会科学でも其々の仮説は、科学的な検証によって証明されるが、其の証明に対象の大きさが影響してトンデモナク長い時間がかかる。
だから間違った仮説が『間違いである』と証明されるまでに長い時間がかかり、結果的には間違いが長く温存される。
地球温暖化人為的CO2説が『ニセ科学』である可能性は十分にあるでしょう。
気象予報士の資格を取るための参考書には非線形の離散数学を公式として載せているものが多いのですけど,あれはやはり大学院レベルの数学の教科書を用いて基礎からやっておかないと意味がないんじゃないかなという気がしてなりません.マスコミ関係者がただ資格を取るだけなら,そこまでしなくても良いんだという感じだから,小中学生でも気象学ヲタクなら資格が取れてしまうという側面があります.あえて言えば消防署で危険物取扱者の試験を受けるのと似た部分もありますね(笑)
# だから甲種は化学系大卒に準じた経験と年期を必要とされている.
数字と言えば厚生省の最近の報告ではメタボの数値は健康とか寿命とかにはあまり関係がないらしい。
大体日本のメタボに基準値は阪大の教授が中心になって決めたらしいが世界基準とは正反対に男の数値は85で(体の小さい)女の90より小さい。
今までの数値が間違っていた可能性以前に、メタボと言う考え方事態が間違いであった可能性が高まっています。
メタボでは無く、寿命や発病にはヤッパリ今までの血糖値とか血圧の方が大きく関係していた。
大体中高年では、痩せがたより小太り程度の方が長生きするとの統計もあるようです。
メタボに限らず数字が一人歩きする例は、多いようですが何事も事実の確認(検証)を大事にしてもらいたいものです。
本来、環境問題の中心は「資源の枯渇、環境汚染、生態系の破壊」のはずですが、あたかも「環境問題 = 地球温暖化問題」という図式が出来上がりつつあるのはとても残念です。
私の専門は物理学なので、周りの地学の先生方に地球温暖化について尋ねてみたのですが、たいていは「温暖化に関しては(原因も含めて)分らない」或いは「温室効果ガスによる温暖化説には懐疑的」です。 その理由は、太陽、温室効果ガス、その他太平洋十年規模振動などの要素が、どのくらいの比率で気候変動に対して影響を与えているのかはっきりしないからです。 さらに、太陽に関しては、太陽活動の増減、地球の公転軌道の離心率の変化、地球の自転軸の公転面となす角の変動、地球自転軸の歳差運動、があります。
http://ksgeo.kj.yamagata-u.ac.jp/~kazsan/class/chronology/milankovitch.html
もし、今後30年間にわたって寒冷化するということであれば、地球温暖化の問題は、科学の領域ではなくて、「温暖化神話」を利用して誰が得するか・損するかという政治的領域になります。 たとえば、原子力関連の企業やCO2排出権取引を商売にしようとする人達にとっては「二酸化炭素排出さえ抑えれば、温暖化は防げる」という俗説は、とても好都合なことです。
三十年ほど前には今と違い地球は寒冷化していたので、『氷河期が来る』との説が唱えられていたが今では反対に温暖化論議だけになっています。
すべての事柄にも当てはまりますが、反対意見があってこそ因り討論は高まるし中身も充実する。
ところが地球温暖化人為的CO2説論議だけは全く別で、『懐疑論』に対しては、共に天を戴かない悪魔か国賊?扱いで感情的と言うよりも宗教(カルト)的にも見えるヒステリックな対応をする不思議。
欧米人の捕鯨に対する態度に似ている。
温暖化懐疑論に対する(対話をする気がない)極めて感情的な反発に対しては首を傾げざるを得ない。
何とも非理性的な『真理は一つ』とするカルト的な反発なのですよ。
科学とは、一つ問題に対して幾つもの仮説が同時に存在している方が普通で、科学的検証で正しさが証明されるのですが、人為的CO説は未だ検証されてはいません。
証明されていない仮説に過ぎないのに、一方的に定説として其の他の説を排除する態度は科学では有りません。
科学的に人為的CO2温暖仮説が正しいと証明したのならアル・ゴアやIPCCはノーベル平和賞では可笑しく、ノーベル物理学賞の受賞の方が相応しいのでしょう。
この論争は、科学論争の枠を超えて、道徳とか哲学、世界観、宗教とかの範囲を含んでいるのでしょう。
人為的温暖化説は省エネや環境保護や大量消費を前提とする新自由主義批判も含んでいて、それらと密接にリンクしています。
そしてそれらは道徳とか宗教とか世界観、哲学と関係している。
そして、省エネや環境保護や新自由主義批判は正しい。
しかし其れと繋がっている温暖化説は正しいかどうかは怪しいが、リンクしている諸々のものは正しいのでついでに正しいと断定されている。
たぶんこの辺が問題点でしょう。
温暖化が人由来のCO2起源なら『省エネ』以外に解決方法は無いが、それなら自動車や飛行機から鉄道や船に切り替えるべきです。
日本はこれに逆行してJR民営化からローカル線の整理に進み世界に誇る鉄道網はなおざりにされ、エネルギーを無駄遣いする自動車道路が建設され続けている。
温暖化に便乗して『原子力発電はCO2を出しません』と毎日毎日何度も莫大な金を使って電力会社が宣伝している。
これではヤッパリインチキ臭いと言わざるを得ないですね。