逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

憲法記念日に百家争鳴の非常事態条項、沈黙するセシウム134

2016年05月04日 | 憲法
                    憲法改正の賛否の推移(朝日新聞)

 『護憲運動で一番効果があったのは左翼(社共)ではなくて、改憲を目指した安倍晋三自民党の暴走だった』

『安倍晋三の「なんちゃって平和法案」(集団自衛権)の強行採決で大きく減った改憲派』

安倍首相誕生直後の2013年3月から3年後の2016年3月で、『改憲』が54%から37%に激減している。
対照的に『護憲』が37%から55%にまで激増している。
ですから、最も効果的だった護憲勢力とは日本共産党や社民党などの護憲を掲げる左派ではなくて、『日本(軍)は悪くない』(美しい国)と日の丸君が代を強制する大日本帝国(靖国史観)へと、歯止めなく暴走する極右国粋主義の安倍晋三や自民党の存在こそが一番の反面教師(最も効果的な護憲運動)だったとの、なんとも皮肉な結論になる。
自民党(安倍晋三)の、『占領下で押し付けられた日本国憲法の破棄と帝国憲法の復活』(旧日本軍の復活)との、あまりにも時代錯誤の主張に対しては、長年平和憲法下で平穏に暮らしてきた日本国国民の反発は予想外に大きかったのである。

『圧倒的多数の護憲勢力と、少数派の憲法改正支持』

朝日新聞の調査では、憲法を『変える必要はない』が昨年の48%から55%に増え、『変える必要がある』は昨年の43%から37%に減った。「緊急事態条項」を憲法に加えることに賛成は33%で、反対の52%が上回った。
朝日新聞社の世論調査によると、護憲が昨年の調査の48%から55%に増え、改憲は昨年の43%から37%に減った。憲法に新たに『緊急事態条項』を加える改憲に賛成は33%、反対(護憲)52%。
憲法改正は、2014年調査から護憲が改憲を上回っており、その差は今回さらに開いた。
護憲の理由では『平和をもたらしたから』の72%が最多だった。
改憲の理由では『国防の規定が不十分だから』の52%が最も多かった。
『9条』の護憲は昨年の63%から68%に増え、改憲の27%(昨年は29%)を大きく上回った。
安倍晋三首相の推進した『なんちゃって平和法案』(集団自衛権)に賛成34%、反対53%。「反対」と答えた人の93%が憲法9条を「変えない方がよい」と答えた。

『改憲議論が「深まっている」は16%。「深まっていない」は82%の圧倒的多数派』

安倍晋三首相や菅義偉官房長官が執着する『緊急事態条項』については、自民支持層でも賛否が拮抗していて、無党派層では反対が61%に上った。
国民の間で憲法を変えるかどうかの議論がどの程度深まっているかでは、『かなり深まっている』は1%と『ある程度』15%を合わせて16%。
「深まっていない」は、「あまり」57%と「まったく」25%を合わせて82%に達した。
安倍政権のもとで憲法改正を実現することに賛成25%、反対58%。第1次安倍内閣時代の2007年4月調査で賛成40%、反対42%でほぼ並んでいたが、今回は護憲に大きく傾いた。

『政府やマスコミが、挙国一致で無理やり推進する「緊急事態」の不思議』

朝日新聞世論調査(2016年5月2日)では、『緊急事態条項については・・・・・・、内閣支持層や自民支持層では「賛成」がそれぞれ50%、51%だったが、無党派層では「反対」が61%に上った。』と書いているが、???なんとも気持ちが悪い。
そもそも内閣支持層や自民支持層以外の意見が(無党派層では「反対」が61%以外)何処を探しても書いて無い。(賛成の%を書いたら反対の%も同時に表示するのがルール)
これでは世論調査などと呼べる水準では無くて、これは何かの政治的プロパガンダ(世論誘導・情報操作)の類らしいのである。
同じ日の毎日新聞も多くの紙面を割いて書いているのが『緊急事態条項』だった。政府とマスコミ各社が一体となって、国民は何の関心も無いのに、なぜか大災害時の『緊急事態』条項を一斉に大宣伝しているのである。(憲法記念日に『緊急事態』条項が大きな話題になるのは今年が初めて。5年前の東日本大震災当時でも話題になっていないのですから珍事中の珍事である)



福島第一原発の構内の地上30~40メートル付近にだけ濃い霧が発生している摩訶不思議な映像(週プレニュース)

『半減期2年!、本来なら検出されないセシウム134!』

『福島第1原発の放出セシウム一部が日本海域に環流』2016年5月2日共同通信

2011年3月の東京電力福島第1原発事故で海に放出された放射性セシウムのうち一部が北太平洋の西部を循環し、日本周辺の海域に戻ってきたとの調査結果を、福島大環境放射能研究所の青山道夫教授が2日までにウィーンの国際学会で発表した。
事故後、いったん下がっていた海水中のセシウムの数値が事故以前よりも高くなり、最高で1立方メートル当たり2ベクレルを示していた。
青山氏は「・・・セシウム137は半減期が長いので長期間、この程度の濃度が続くか上昇する可能性が高い」。
昨年11月から今年2月にかけて、汚染水流出の影響が強い福島県沿岸を除く北海道から沖縄県の海域71カ所で、海水を採取。一部の分析を終えた。
半減期が30年のセシウム137は、鹿児島県・薩摩半島の南西沖で最高値の1立方メートル当たり2ベクレル、最低の鹿児島県奄美大島付近でも1・39ベクレルを検出。秋田県沖が1・63ベクレル、新潟県沖が1・83ベクレル、富山県沖が1・85ベクレル、四国沖は1・90ベクレルだった。
いずれも過去の核実験が原因で第1原発事故直前に検出されていた1立方メートル当たり1ベクレル程度を除いた分が、事故で放出されたと分析した。
半減期が2年で核実験やチェルノブイリ原発事故の放出分がほとんど検出されないはずのセシウム134も最大で0・38ベクレルの値を示した。
今回観測したセシウムは黒潮で日本から東に流され、北太平洋西部で南下し、西へ向きを変えて事故から2~3年で日本に到着したとみている。
2016年5月2日(共同)

『測定する度に、記録を更新し続ける福島第一原発の地下水の放射能汚染濃度』

去年末から現在まで、福島第一原発の地下水の放射能汚染濃度は測定する度に、最高記録を更新し続けている。原子炉を突き抜けて地下に落下したらしい数千度の超高温の数百トンの核燃料の位置は誰にも分からない。仕方がないので今でも原子炉1基当たり1時間7トン(合計では1日400トン)もの冷却水を5年経った今でも注入し続けて全量が汚染水として溜まっていく。
週プレニュースが報じた、福島第一原発の構内の地上30~40メートル付近にだけ発生している濃い霧は、大手マスコミは誰も彼も怖がって一切無視しているが、行方不明の核燃料デブリと関係があることは明らかである。
今回明らかになった福島第1原発の放出セシウムですが、5年前のものが太平洋を一周して元の日本列島の還流したとの、福島大環境放射能研究所の青山道夫教授の主張はあまりにも無理がある。(それが事実なら5年後の今までに、世界各地から報告がある)
このセシウムは5年前の還流ではなくて、今の福島第一原発から放出されてものであると考えた方が辻褄が合う。
共同通信の記事はセシウム134の半減期が2年である怖ろしい事実をさりげなく書いているが、それでも『事故から2~3年で日本に到着したとみている』と誤魔化す。フクシマのレベル7の未曾有の核事故は5年前のはずで『事故から2~3年』では計算が少しも合わない。(もちろんその程度は熟知しているのだが『国民がパニックにならない』よう故意で惚けているだけ)
これはもう日本国の憲法の条項には何処にも書いてないが、国家存亡の『非常事態』であることは間違いないであろう。(『国民がパニックを起こさない』ことが最優先され、一切フクシマを語らないから意味がまったく通じないが、政府もマスコミも今の日本が未曾有の非常事態であることを熟知していた)韓国大柄旅客船セウォル号の最後と同じで、今の日本国自体が丸ごと沈没しつつ阿鼻叫喚の断末魔。今の日本は憲法もくそも無い極限の非常事態の真っただ中なのである。



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改憲と日本会議 (とんぼ)
2016-05-08 21:33:05
改憲に関しては、安倍政権の支援団体である「日本会議」の影響が少なからずあると思います。
そもそも日本会議自体、一般には認知度が低く、日本最大の右翼団体であるにも関わらず、マスコミもなぜか報じません。海外からは極右団体と認識されることもありますが、そのメンバーはいつの間にか日本の中枢に入り込んでいます。
安倍政権改造内閣では閣僚19人中15人が日本会議のメンバーという異常さ。
最近では、日本会議に関するある書物について、日本会議事務総長の名で出版の差し止めを要求するという騒動が起こっています。

日本の右傾化(国民が右傾化したのでなく、自民党の右傾化ですが)や、安倍政権が改憲に異常に拘るのは、この日本会議の意向と言っても過言ではありません。
日本会議には神社本庁を中心とした宗教団体が多数参加していますが、事務局の中枢は生長の家のメンバーで占められているという話もあります。
その日本会議に、いつの間にか自民党(野党内にもメンバーはいますが)まで取り込まれてしまっている現状に、恐怖を感じます。

緊急事態条項は、災害を想定(目的に)しているのではなく、間違いなくフクシマの事態悪化や日本の財政破綻時の預金封鎖(その為のマイナンバーと銀行預金の紐つけ)、あるいは戦争などの有事の際に、国民を抑え込むのが目的だと思いますが、改憲そのものはフクシマ以前に彼らによって予定されていたものなのです。
その必要性がフクシマによって増したことは、管理人様のおっしゃるとおりだと思います。
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憲法改正の賛否の推移(朝日新聞) (宗純)
2016-05-11 16:20:53
とんぼさん、コメント有難う御座います。

日本会議の危険性ですが、これはもう、仰られている通りであり何ら付け足すほどの事もないが、
ブログ記事の冒頭に掲げた『憲法改正の賛否の推移(朝日新聞)』で明らかなように、低能の右翼国粋主義の安倍晋三など日本会議こそが、実は社共などいわゆる護憲勢力よりも、
最も素晴らしい(もっとも効果があった)護憲宣伝勢力ですよ。
彼らの暴走を見た国民は、『これは危ない』と今までの態度を大いに反省して、日本国憲法の大切さに目覚めたのです。
図で明らかなように、1980年代は圧倒的に護憲派が優勢だったが、対照的にバブル経済から安倍晋三の『なんちゃって平和法案』(戦争法案)直前までは改憲が多数派だった。
ところが、超短期間で賛否がコペルニクス的に逆転する。
この原因ですが、フクシマの放射能被害であることは明らかですよ。何が日本で起きていたかを考えてください。
必死でマスコミが挙国一致で隠しているが、71年前と同じで、あまりにも恐ろしいので国民は口には出さないが全員が薄々気がついている。真実は隠しきれない。
『必要性がフクシマによって増した』のではなくて、すべてはフクシマが原因しているのです。
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