逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

政治ミステリー日本の「Wの擬装」

2015年09月20日 | 政治
『Wの悲劇』

日本の推理小説作家夏樹静子によるミステリー『Wの悲劇』は1982年に刊行され1984年には薬師丸ひろ子主演で映画化もされる。テレビドラマとしても何度も取上げられ最近では2012年4月から6月にテレビ朝日系列『木曜ドラマ』(全8話)として武井咲主演で放送された。
このタイトルはエラリー・クイーンの推理小説『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』の3部作に対するオマージュでもあり「W」はXYZに次ぐ第4の未知数、悲劇の 舞台となる和辻家、そして女性(Women)を表している。

『よりによって「満州事変」84周年の記念日に強行採決するとは、』

1931年(昭和6)9月18日に起きた満州事変(柳条湖事件)は泥沼の日中15年戦争の出発点であるばかりか、1941年の対米戦争の原因でもある。日本がそれまでの議会制民主主義から軍国主義へと大きく転換した契機でもあった。
84年前の9月18日関東軍が南満州鉄道の線路を爆破した柳条湖事件から半年後の1932年の満州国建国、翌1933年の国際連盟の脱退までは一直線だった。
(爆破を実行した関東軍は、中国軍による破壊工作として張学良の東北軍『北大営』を攻撃したが、実は密かに事件前日に榴弾砲を据え付け準備していた)
中国では9・18事件として日本による侵略が始まった『国辱の日』と位置付けられている。
2012年7月7日に民主党の野田佳彦が尖閣国有化を行ったが、よりによって日中全面戦争に突入した蘆溝橋事件(1937年 昭和12年)の記念日だったために日中対立を決定付けて、9・18記念日には中国人の反日行動は最高潮に達する。

『夏樹静子の「Wの悲劇」では無くて、芥川龍之介の「藪の中」だった』

ところが今回の満州事変84周年の記念日に強行採決去れた『中国封じ込め』目的との触れ込みの極めて挑発的な安倍晋三『なんちゃって平和法案』に対して、とうの中国がえらく冷静である。
日本の一般市民とか朝日や毎日など新聞の方が余程、大きく反応しているのですから不思議である。
もっと不思議なのが、法案成立直後に直接の担当大臣であり自衛隊上がりの中谷元防衛大臣は、なんと『国民は法案を理解していないが、これから運用していって、理解してもらう』と語る。
安倍晋三首相の方はもっと?で、なんと『日本を取り戻す』(日本を引き渡す)だった。
国民は『平和法案』を理解出来なかったことは、当人たちが一番良く知っているのだが、肝心の安倍さん自身が意味を理解出来ていない。
基本的に意味不明なのです。
安倍『平和法案』に対してロイター通信は、『日本は安保関連法を採択した後も、「イスラム国」を相手にした戦争に参加しないとすれば、これは米国の気には沿わない恐れがある。』というし、
ロシアのスプートニクは、『おかしな安保関連法、戦争にはつながらない、でも平和も強化されない』。
と、思わず『座布団一枚』といいたくなる絶妙な解説を行っている。
共産党委員長の志位和夫が言うように限りなく戦争法案に見えることは事実であり、大多数の憲法学者や毎日新聞や朝日新聞の社説が言うように『違憲』であることも事実だろう。
しかし、全ては『藪の中』状態でミステリー以上のミステリーなのである。

『正当防衛と自衛権』決して戦争が出来ない自衛隊

安倍晋三や中谷元が丁寧に説明すればするほど意味不明になる。
逃げ水か蜃気楼の様な摩訶不思議な今回の平和法案の国会審議ですが、この国会答弁で目から鱗で、長年の疑問が氷解して実に気分が良い。
なるほど。なのですから嬉しいかぎりである。
世界有数の軍事力を持つ自衛隊が、『ニホン国憲法の9条に違反しない』との摩訶不思議な馬鹿話のタネ明かしですが、今回の安倍晋三『なんちゃって平和法案』の国会審議で明らかになったのです。
自衛隊法の主語は『自衛隊』では無くて、『自衛隊員』なのですよ。大砲をぶっ放そうが戦闘機を飛ばそうがイージス艦がミサイルを撃とうが、実は自衛隊が行う武力行使では無い。
『武力行使』なら憲法9条で明確に禁止しているので、憲法違反でアウトなのです。
なんと何と、戦闘機もミサイルでも大砲も、自衛隊員個人個人が自分勝手に自分自身の判断と責任で行うものであり、それなら憲法が禁じる『武力行使』には当たらない。
警察官などが、刑法の正当防衛の範囲で行う『武器の使用』なのですよ。
なるほど。
日本には軍法会議が無い理由は、自衛隊員とは今でも半世紀前の創立時の警察予備隊の隊員であり、予備『警察官』扱いなのですね。
自衛隊としての武力の行使は明確に憲法の9条に違反する。
ところが、
自衛隊員個人が正当防衛で武器を使ったなら9条には違反しない。
擬装国家、此処に極まれりで、なんとも愉快ですね。笑っている場合では無いのですが。
マスコミでは自衛隊員が戦闘で死んだ場合を問題としていたが、実は自衛隊員が発砲して誰かが死んだ場合の方が大問題だった。
裁判で刑法の正当防衛が認められたなら刑罰が免除されるが、普通は『殺人罪』が適用されるのです。
(例え国外犯でも日本に帰国した段階で自衛隊員が訴追される)PKOで南スーダンに派遣された韓国軍は撃ちまくり弾が足りなくなったが、対照的に自衛隊員が一発も発砲しなかったのは当然だったのである。



『「Aであれば→Bである」との科学的な法則性』

皆さんは資料やニュースソースなど、『目の前にある分かり易いもの』にばかり注目するから、まんまと仕掛けられた政治的トリック(プロパガンダ)に嵌り込んでしまい、何時まで経っても抜け出せ無い。
目立つ『有るもの』では無くて、じつは逆の『必ずある筈なのに、無いもの』の方に注目すると、今までとはまったく別の景色が見て来る。
自然科学でも社会科学でも同じで、『Aであれば→Bである』との法則性の発見こそが、基本の中の基本であり、科学的思考方法のキモである。
科学的な客観的真理は万人に対して平等であある。科学的に『正しい」ことは中学生でも正しいし、東大教授の主張でも間違いは間違い。その人の知性や経験、肩書きには一切無関係なのです。
また万人が主張しても『正しい』事の証明にはならず、たった一人の主張でも事実なら正しい。民主主義の多数決原理は一切働かない。科学的正誤とは無関係なのです。
個々の事例の収集ですが、そもそもが余り重要性はない。
そのなかに有る固有の『法則性』こそが重要なのです。法則性が無ければ、どれ程の珍しい大事件でも、科学的な意味は希薄なのです。
法則性があれば、『Aである』が、『Bで無い』とすれば、そもそも最初の前提であるAが間違っている可能性が高いのです。
9・11でも3・11でも同じで、当然有る筈のものが無い。何かの擬装が疑われるのです。これは今回9月10日の鬼怒川の氾濫でも同じなのです。
明らかに、これまでの社会的な法則性を逸脱している。
ですから9・11も3・11も9月10日の鬼怒川の氾濫も同じで、これ等は報道では無くて、間違いなく悪質な権力とマスコミが二人三脚で流すプロパガンダ(印象操作、世論誘導などの宣伝広報)で有ると断定しても良いでしょう。

『不思議な色々な騒動は、「わざと騒動を起こす」ことが目的だった』

『無いもの』を見つけることさえ出来れば謎(手品のネタ)が簡単に見破れます。逆に『あるもの』にばかり執着していれば何時までも迷宮から抜け出せないでしょう。
日本中のマスコミが大騒ぎしている、こけおどしの恐竜アーチの新国立競技場とかパクリ疑惑のエンブレムの白紙撤回も、もっと大騒ぎしている、安倍『なんちゃって平和法案』も同じで、たぶん『騒ぐこと』自体に意味がある。
中身の方は何の意味も無い。
憲法違反など、今までの自衛隊の存在自体が憲法違反。
集団自衛権だけでは無くて、個別的自衛権も9条に違反していることは明白なのです。
ですから、今回基本的には何一つも変わらない。
これは例えるなら、昔のトルコ風呂の名称を今のソープランドに変える程度の極々些細なイメージの違いです。
たぶん意味不明の安倍晋三『なんちゃって平和法案』の強行採決を含む全ての不思議の原因は、『フクシマの危険が極限まで高まっているから』なのでしょう。
4年以上経過しても、フクシマでは地下水の放射能濃度が、観測史上の最高値を次々と更新し続けているんですよ。基本的にこれは有り得ない異常事態なのです。
それともチェルノブイリから3年目のソ連と同じで、4年半が経過した日本でも放射能汚染地域からの被災住民の全員退避が目の前に迫っている。
最低でも数百万人から1千万人もの、民族大移動が始まるのですから警察力では対応できず当然最後は自衛隊の出番なのです。
ですから色々な今の全ての騒動が、いずれも巨大な猫だまし(擬装)赤いニシン(間違った結論に誘導する偽の手がかり)の可能性が高いのです。

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2 コメント

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100回ぐらいは繰り返し繰り返し書いているのに・・・・ (宗純)
2015-09-22 14:40:33
農婦さん、

それにしてもこの『逝きし世の面影』ブログでは、

『ここは正誤が判りやすい高尚な科学ブログでは無くて、正誤や善悪が判り難い、大悪党小悪党が跳梁跋扈するおどろおどろしく不可解な政治の世界を扱う下世話な政治ブログです。
しかも、この『逝きし世の面影』ブログは、『お前達は間違っている』(今までが間違っていた)というオルタナティブな政治ブログとして、政府やマスコミだけではなくてネット空間での数々の擬装や悪質なプロパガンダを告発した関係で多くの読者を獲得した半面、
自分たちの悪事を暴かれて恨みに思っている阪大の菊池誠を教祖とする不思議な偽科学教カルトとか解同の糾弾会モドキを繰り返すkojitakenグループ、護憲左翼を装う極左暴力集団の生き残りBLOG BLUESなど、何とか足を引っ張りたいと思っている悪党連中も数多い。
良好なブログ環境の維持とコメント管理の必要性から、タイトルや名前が無いコメント、あっても通りすがりとか日本人の一人などの、個人を特定しているとは思えないHNは無記名と看做して不掲載とするローカルルールの設定しています。』
と繰り返し書いている。
今回の様な、タイトル無しは困るのです。

3・11のフクシマのレベル7の核事故発生から4年半が経過したが、いよいよ最終局面が迫っているのは間違いない事実ですよ。
旧ソ連ですが、3年目までは今の日本と同じで『安全・安心。心配ない』と誤魔化していた。
ところが、3年後に1ミリシーベルト以上の放射能汚染地域からの全住民の退避を開始している。
今のフクシマですが、小児甲状腺がんの発症率でみると、29年前のチェルノブイリよりも100倍以上想像以上にとんでもなく悪いのですよ。
それでも今までは何と日本共産党までも含む、文字どうり挙国一致、一致団結して必死に隠していたが、これからますます幾何級数的に加速度が付き悪化する。
もう、駄目なのです。
ですから、福島県だけでは無くて、たぶん宮城県北部も大部分は強制疎開地域になる可能性が有る。
核燃料デブリの再臨界も、ほぼ間違いないでしょう。
ただし、、今後大爆発するかしないかは不明ですが、危険性が高いことを関係者の全員が心配しているが、核でデブリの位置が一切不明で、今の人類の技術水準では手の打ち様が何も無いのです。
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Unknown (農婦)
2015-09-21 05:00:50
ずーと気になっていました。地下にもぐった溶融核燃料が再臨界状態の可能性が大きと言うことなんでしょうか。宮城県北部ももう住めないようになるのでしょうか、不安です。震災にあって、ようやく家を再建迄こぎつけたところです。
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