逝きし世の面影

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スペンスマルク効果(資料)

2009年06月18日 | 地球温暖化
地球温暖化物質としては大気中381ppm(0・038%)ほどの濃度の二酸化炭素(CO2)よりも水蒸気(H20)の方が、より影響が大きいのですが、どれ程温室効果があるかの計算が難しい。
炭酸ガスの様に単純に『多ければ温暖化』とは成らず、大気中の気体である水蒸気が、上空で水や氷の結晶(雲)に相変異すれば『温暖化』ではなく反対に太陽の輻射熱を遮り(太陽光を反射して)地球は『寒冷化』する。
カール・セーガンの『核の冬』論も地球規模の核戦争で出来た大量の塵が成層圏上空まで高く舞い上がり太陽からの輻射熱を遮り結果的に地球は寒冷化するとしています。
今までの例でも、巨大火山の噴火で大量の火山灰が舞い上がッた為に太陽光を遮り、地球が寒冷化して飢饉が起こっている。



『雲(遮蔽物)の多寡が大気の温度を決定付ける』

地球温暖化物質で一番大事な要素である水蒸気は、CO2と違い一筋縄ではいかないので、IPCCでは簡単な二酸化炭素が最重要とする気象モデルで計算しているが、地球の温度は全面的に太陽から供給される熱量の多寡によって左右されている。

太陽黒点は太陽活動の強弱と密接に関連しているが、地球に届く地表面積あたりの熱エネルギーの変化幅は地球大気の温暖化の変化幅ほどには大きくなく、極小さい値でしかない。
それで従来、ICPPでは太陽黒点の変化と気象変化(温暖化)の相関関係は無いとされて来た。





『スベンスマルク効果』

デンマークの宇宙物理学者ヘンリク・スペンスマルクが1997年に『宇宙空間から飛来する強力な銀河宇宙線(GCR)が地球の雲の形成を誘起している』とする仮説を発表する。
原理的には霧箱の仕組みを地球大気に当てはめたもので、大気に入射した高エネルギー宇宙線は空気シャワー現象によりミュー粒子などの多量の二次粒子を生み、その二次粒子を核として雲の形成が促進される。

太陽磁場は宇宙線が直接地球に降り注がれる量を減らす役割を果たしている。
そのため、太陽活動が活発になると太陽磁場も増加し、地球に降り注がれる宇宙線の量が減少する。
その結果、地球の雲の量は減少し、太陽光の反射率が減少した分だけ暖かくなる。

気体である大気中の水蒸気は雲(水や氷などの液体や固体の粒子)ではない。
この気体の水蒸気が固体に変異して雲に成る為には、飽和水蒸気に『何らかの刺激が加わり』一気に相変異する必要があるが、この時大気中を浮遊する小さな塵を核にして水の微粒子となると考えられている。



『銀河宇宙線は太陽磁場の強さで決まる』

太陽磁場が強いと、荷電粒子である銀河宇宙線は磁場に捕まって、太陽の両磁極方向に誘導されたり、進む方向を逸らされたりする。
従って地球にやってくる銀河宇宙線は減る。
太陽磁場が弱いと逆に地球に飛来する銀河宇宙線は増える。





『銀河放射線と地球の雲』

空気中において、宇宙線によって放出された電子が雲の核形成の触媒として作用することが明らかとなっている。

実験段階では、アルコールなどの飽和蒸気を満たした箱の中をアルファ粒子などの放射線が通過すると、通過したところの飽和蒸気が刺激されて霧となり、放射線の軌跡の通りに、霧の筋ができる。
高エネルギーの銀河宇宙線が大気上層部に到達し、その中を飛ぶと、大気中の水蒸気が凝結し、それが核になって雲ができる。
太陽からも様々な粒子線が地球に吹き付けているが、エネルギーが小さいので雲を生成するには至らない。


『説明でき無い不思議な雲』

地球の成層圏のさらに上の、大気も浮遊するチリも殆んど無い中間圏と呼ばれる高さでも雲は発生する。
最近では地球の中間圏と同程度に大気の薄い火星でも雲が観測されている。
これ等の雲の原因に関しては、惑星物理学者や高層大気の研究者たちは『宇宙線ぐらいしか考えられない』としている。

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2 コメント

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H2O (ましま)
2009-06-18 09:39:20
人類のエネルギー依存体質を改善するという範囲内のCO2削減なら啓蒙的意味で賛成ですが、水素燃料がいい、バイオマスがいいなどは疑問ですね。
CO2が減ってもそれにも増してH2Oが増えるわけですから。
返信する
植物にとっては水(H2O)もCO2も貴重な資源 (ブログ主)
2009-06-18 11:31:17
コメント有り難う御座います。

『限りある資源を大切にする』なら、大昔から質素倹約を旨として生きてきた日本人が長年やってきた事で、いまさら欧米人に教えられることでは無い筈です。
水素燃料やバイオマスですが、何やら話が違うようですよ。
水素電池の試作車は一億円以上の超高価。量産すれば十分の一程度には経費を押さえる事が出来るとか。
従来方式よりも断然高くつく。

従来よりも費用が低いから『節約』や『質素倹約』と成る筈です。。
高くなるなら其れは『贅沢』であり『浪費』です。

そして今は、その手の省エネとかリサイクルとかの節約タイプ?の『浪費や贅沢』が罷り通っている不思議な世の中です。

『人類のエネルギー依存体質を改善』に関して言えば誰よりも(欧州人の何倍も使う)アメリカ人に責任が有る。
今のような乾いた雑巾(日本人)を絞るようなやり方ではどだい前提に無理がある話で、成功率は低い。
世界の人々の何倍も無駄に浪費している全てのアメリカ人が、今の使っているエネルギーを半分にすれば簡単に解決します。
ぼとぼとの雑巾をそのままに放置して乾いた雑巾を絞るのでは理屈に合わない。
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