スタジオSZ8のブログ

スタジオSZ8(鈴八)のぬるめの日常

「ミスト」を観てみました

2009-05-25 | 映画、ドラマ、テレビ
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
 あの、安西先生の名台詞が頭に響きました。

 これは、やっぱり、前に見た「クローバーフィールド」と、どうしても比較してしまいます。
 どちらも全体の世界観が登場人物(観客)にはわかりません。
 目の前で起こっている事は判るけど、なぜ、こんな事になったのかは、さっぱり判りません。
 途中で別れた人の消息も、わかりません。ミストには一人、例外がありましたが…。
 また、「ミスト」では、そうなったいきさつが、多少語られるシーンがありますが、それすら、本当のことかもわかりません。

 と、全体的に似ているのですが、「クローバーフィールド」は、登場人物の極限状況が淡々と綴られているのに対して、「ミスト」では、極限状況で、人間心理、群集心理が変化していく様を映像化し、恐怖を描いている点で違います。
 「クローバーフィールド」では、ごく限られた視点でしか物を見ないので、ものすごく閉塞感があるのですが、「ミスト」では、もう少し俯瞰でみているので、そういった閉塞感は、「ミスト」では薄まっています。

 ただ、なんていうのか、「後味の悪さ」が、嫌な感じで心にべた付いています。
 「クローバーフィールド」は登場人物のとっぴな思考と、言ってしまえば、冒頭で結末が”大体”読める事(多分、製作者の意図)から、だいぶ引いた目で見てしまうのですが、「ミスト」はその反対。
 ただし「クローバーフィールド」で「恋人」を「家族」に置き換えたら、僕も同じような状況下で、同じような行動をするかも知れないなあ、とは思います。

 閑話休題

 「ミスト」では、主人公の行動は実に合理的で理性的。
 自分も同じ状況になれば(理性が保たれれば、の話ですが)、同じような行動をすると思います。
 なのに、ひとつ選択を間違えただけで、こんな悲劇的な話になってしまうとは…。
 普通、正しい行動をすれば、主人公は助かるじゃんか!!(あ、主人公は助かってるのか…)

 自分も、そういう結果になってしまった。という置き換えをしてしまうんです。

 そして冒頭の台詞。
 「あきらめたらそこで試合終了ですよ」


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