切腹のマネをして一飯の乞うほどに落ちぶれた浪人が、藩の騒動に巻き込まれ、それを手際よく片付けるまでをユーモラスに描いているのが表題の「日日平安」。法について考えさせられる「しじみ河岸」ほか11編が納められている。山本周五郎が戦前、戦中、戦後の代表的な作品で、氏の個性を理解するのに最適だろう。