どんな激戦に臨んでもいつも生きて還ってくるために、臆病者とさえ誤解されながら、なおも行き続ける兵庫源八郎。その最新にして豪胆な戦いぶりに託して、”玉砕”が叫ばれていた太平洋戦争末期に作者山本周五郎の信ずるところを強く打ち出した「日本士道記」シリーズの表題作だ。ほかに、さわやかに完結する短編ばかり、12編が収められている。