山本一力得意の意外性がある設定の江戸物語だ。研ぎ師の太吉が事件に巻き込まれそれを岡引が解決していくまではいつものストーリーだが、違うのは太吉だ。腕っ節は強そうだがそれが前面に出てこない。その分後半は全く違う物語になった感がする。でも、読み応えはあるね。包丁を研ぐ「シャッキッ」「シャッキッ」の表現は木工をこよなく愛す者にはよく分かる。で、いつの間にか私は切出しを研いでいたのです。