純粋な心を持ちながらも、女の"性"ゆえに男から男へわたらずににはいられないおさん----。世にも可愛い友が、その可愛さのために不幸に引きずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた「おさん」。不思議小説の傑作「その木戸を通って」ほか10編が収められている。昭和17年から37年までの短編集だ。