せつないラブストーリー。人を拒む瀬田山と、その瀬田山の千畳敷に咲く『雷桜』、1歳そこそこで誘拐された「遊」そして徳川の用人と殿。主人公は用人か遊か。時代に翻弄されたのは紛れも無く「遊」だろう。人々が自らの生きる道を清々しくそして緻密に描く、宇江佐真理の代表作だ。