南原幹雄の連作長編シリーズ。江戸で日に千両の大金がおちるところといえば吉原。快楽の夢に酔いしれたつけは、翌朝になれば待ったなしにまわってくる。その貸金取り立てを請け負う、馬屋の二代目を、見事な器量のおえんが継いで、けなげにそして逞しく生きてく姿がいい。