表題を読めば直ぐ判ると思いますが、この小説は由井正雪の半生を描いたものだ。 中学生の時に「由井正雪の乱」として学んだ記憶はあるが、浪人を集めて幕府に 叛いたくらいしか記憶が無い。本編では架空ではあると思うが、キリシタンを絡め 人間の諸問題を軸に、乱への軌跡をうまく描いている。山本周五郎50代前半の 長編大作だ。