世のため人のためならば、貧乏でも浪人暮らしが性に合うという曽我平九郎、剣は強いし情にも厚い。自然、人助けから恨みを買ったりホレられたり、これでなかなか忙しい。長屋の隣人・松吉に紹介されて質屋の寝ず番に雇われるが、そこにいたのは金亡者と評判の若後家・お世紀。とびっきりの美人だが、世辞も色気もない上に言いたいことはずばずば言う。ある日、平九郎がついうとうとしていたところへ強盗が忍び込み、お世紀の首に魔の手がのびる…。次第に平九郎に惹かれていくお世紀。気風のいい女たち、ひと癖もふた癖もある男達に囲まれた平九郎に、今日も賊の影が忍びよる。
