山流しとはサラリーマンで云えば「左遷」。いやな言葉だ。辞書で左遷を引くと「昔、中国で、右を尊び左を卑しんだところから低い地位・官職におとすこと」らしい。 主人公:矢木沢数馬、無役の小普請だったが組頭に目をかけられ幸運にも組頭の息女を妻に迎え、とんとん拍子に出世をしていくのだが、それをねたんだ同僚たちの仕業で濡れ衣をきせられ、甲府勝手小普請へと流される。出世にこだわる数馬がどう変っていくか・・・。サラリーマンには見につまされる小説だね。