K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

アリーチェ・ロルヴァケル『幸福なラザロ』

2019年05月19日 | 映画
その人は疑わない、怒らない、欲しがらない。 みなさま令和を如何お過ごしですか。私は連休明け早々にトルコ出張に始まり、度重なる研修で苦しんでおります。観たい映画が自由に観られないってこんなにストレスなんですね!? 今回は連休中にBunkamuraで鑑賞した『幸福なラザロ』を紹介します。 《Story》 渓谷で外の世界と隔絶されたインヴィオラータ村(「汚れなき村」の意)。村人たちは領主であ . . . Read more

今更ながら第91回アカデミー賞について

2019年04月26日 | 映画
今更ですが今年発表された第91回アカデミー賞について、つらつら感想を書いていこうと思います。 と言っても、毎年賞レースを分析しているわけではないので、圧倒的主観によるコメントであること悪しからずでございます。 個人的に推しに推していたヨルゴス・ランティモス。最多10ノミネート(助演女優賞で2人ノミネートのため部門数は9部門)だったにも関わらず、受賞はオリヴィア・コールマンの主演女優賞のみ。 . . . Read more

ヨルゴス・ランティモス『女王陛下のお気に入り』

2019年03月26日 | 映画
こんばんは。花粉症に苦しむただけーまです。 もう桜が咲き始めたとか。一年のなんと早いことでしょう… 今回は、残念ながらアカデミー賞で猛威を震えなかったヨルゴス・ランティモス監督の『女王陛下のお気に入り』の鑑賞録です。 《Story》 18世紀初頭、宿敵ルイ14世のフランスと交戦中のイングランド。揺れる国家と女王のアンを、彼女の幼馴染で女官長を務めるレディ・サラが操っていた。そこに、サラの . . . Read more

【2018年】個人的映画ランキング

2019年01月05日 | 映画
新年あけましておめでとうございます。みなさまの2018年はいかがだったでしょうか。 私の2018年は大きな変化もなく割と「凡」な1年かと思いきや、年末麻雀にて緑一色を上がってしまい『2018年が「凡」だった理由はてめえか~』となりました。 まあ、麻雀の中でも最も好きな役なので良しとしましょう。2019年の目標は九蓮宝燈を上がることです(大嘘) というわけで(?)毎年恒例!独断と偏見による年間映 . . . Read more

ミハル・アヴィアド『ワーキング・ウーマン』

2018年12月23日 | 映画
前々回より続くTIFF2018オススメ作品紹介です。一応、今回で個人的ベスト3の紹介が終わるので、今年のTIFF投稿は今回で終わりです。 《Story》 夫と3人の子どもと暮らすオルナは、夫の始めたレストランがなかなか軌道に乗らず、苦しい家計を助けるために建築関係のオフィスで働くことになる。しかし、有能な彼女を気に入った雇い主から執拗なセクハラを受けるようになり、ついにパリ出張の夜に耐えが . . . Read more

アディルハン・イェルジャノフ『世界の優しき無関心』

2018年12月20日 | 映画
少し時間が空いてしまいましたが、TIFF作品紹介第2弾です。今回はカザフスタン出身のアディルハン・イェルジャノフ監督の『世界の優しき無関心』です。 《Story》 美しい自然に囲まれた屋敷に暮らすサルタナットの父親が亡くなる。多額の借金が残され、このままでは家が没落してしまう。 都会に住む叔父に肩代わりを頼むべく、サルタナットは自分の身が引き換えとなる覚悟を抱いて家を出る。強靭で心優しい使用 . . . Read more

パールフィ・ジョルジ『His Master's Voice』

2018年12月09日 | 映画
というわけで、今後3回東京国際映画祭の詳説です。最も面白かったパールフィ・ジョルジの『His Master's Voice』から。 ハンガリーに暮らすペーテルは、アメリカで起きた謎めいた事故のドキュメンタリーの中で自分の父親を見つけたような気がした。 父親は70年代に共産主義政権下のハンガリーから亡命し、以来、消息を絶っていた。父を探しにアメリカに向かったペーテルの前に、米軍の陰謀が立ちはだ . . . Read more

第31回東京国際映画祭まとめ

2018年12月04日 | 映画
ご無沙汰しております。忙しくもないのになぜか筆不精となっておりました。 仕事は閑散期のため秋は芸術の秋!ということで映画祭に参戦しまくりましたのでそのレポートをいたします。 今年は12本鑑賞。去年は有給取り消しや休日出勤等でほとんど観られなかった悔しさもあり、今年はがんばりました。 今年観たラインナップは以下の通り。 フルーツ・チャン『三人の夫』 リウ・ハオ『詩人』 アディルハン・イェル . . . Read more

吉川美和『永い言い訳』

2018年07月12日 | 映画
『万引き家族』関連でまた疑似家族ものをひとつ。吉田美和監督の『永い言い訳』です。個人的にはこちらの方が胸にジーンとくるものがありました。 人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)は、妻が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。その時不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族―トラック運転手の夫・陽 . . . Read more

ジョーン・ベイカー『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

2018年07月09日 | 映画
梅雨入りですね。洗濯物が乾かない苛立ちをどうにかしたいただけーまです。   今回はジョーン・ベイカー監督の『フロリダ・プロジェクト』の鑑賞録。『大人は判ってくれない』や『ヒューゴの不思議な発明』、『パンズ・ラビリンス』『怪物はささやく』等、純真な子供が活躍する映画が大好きなので鑑賞。   フロリダの貧困問題に焦点を当てた社会派映画だった……が、実写にも関わらず溢れ出る前半のファンタジー感が素晴らし . . . Read more