福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

全滅の田んぼで

2019-10-10 22:41:50 | 日記
 わが家の畑(マッチョ大家さんの畑だが)の隣の田んぼは今、無残な状況となっている。稲穂がすべて倒れ、地面にぺったりとくっついてしまってちょうど1カ月ぐらいたつか。
 この田んぼを世話している恰幅のいいご近所さんによると、夏から秋にかけて繰り返し降った大雨の影響なのだという。確かに、初めの大雨時はごく一部が倒れているだけだったが、避難勧告が出るほどの雨が続くうち、いつの間にか見事に全部倒れてしまっていた。春から育ててきた稲が、最後の最後でこんな仕打ちに遭うなんて、自分ならペコンとへこみそうだ。
 「ノーサイに被害の調査に入ってもらうけえね」。9月下旬、田んぼを世話する一員の別のご近所さんが、いつも通りひょうひょうとした顔で言っていた。ノーサイ(農業共済)に現地調査してもらい、被害が認定されれば、共済金で補償してもらえるのだという。
 数日後、ノーサイの調査員らしき見慣れない男2人(ここでは隊員の方が「見慣れない男」だが!)が器具を抱え、稲ぺったりの田んぼに入っていそいそと何か調べていた。翌日、田んぼの脇に「12月中旬に損害評価を最終決定します」と書かれた立て札があった。
 いまだに稲ぺったり状態が続く田んぼを日々、痛々しい思いで見やる。そのうち隊員は、密かに企み始めた。
 ここ借りちゃう? ここで米作りたいな。
 計画中の「こども農園」の一環であるのに加え、そもそも隊員自身がアラフォー隊員となって「働き方と暮らし方の転換」を目指そうとした動機のひとつに、「原発事故や世界飢饉が起きてもうろたえんよう、家族が生き延びる食いもんぐらいは自分で作るぞ!」と逆ギレぎみの計画があった。家のすぐそばの田んぼなら、文句なし!
 実は、この田んぼはわがマッチョ大家さんの土地。大家さんの両親が亡くなり、田んぼを世話する人がいなくなったため。地域のグループに貸して米を作ってもらっているのだ。その地域グループも高齢化が進み、たくさんの田を請け負うのは大変らしい。これは狙い目。
 田んぼ、やらねばならんのです。

えんがわで草刈り

2019-10-10 03:30:38 | 日記
 地元の「えんがわ広場」で、朝から草刈り機をふるった。来る14日の祝日に広場で開かれるイベントを前に、草を刈って見栄えを良くしておこうと、地域の人たちで集まったのだ。
 秋晴れの空の下、20~70代(かな?)のおっさんたちがそれぞれの自慢のマイマシンを黙々とふるう。隊員も、ホームセンターの特価品のイエローマイマシンを気分良く動かす。「こないだは、2カ月近く前に刈った」という広場の草たちが、ばっさばっさと刈られていく。気持ちいい。
 1時間余りで終了。配られた無添加のお茶をぐいっと飲み干す。「あんたの機械は馬力がええね」「音が違うね」「やっぱり、背負うタイプのが楽じゃ」。おっさんたちは草刈り機の品評会。新調したゴルフクラブや釣り竿について語り合うように、山里では草刈り機が話のネタだ。
 川沿いにあるその広場はもともと、耕作放棄地だったとのこと。地域が借り受け、広場に整備したという。手造りのピザ窯、山々の稜線をあしらったデザインの常設テント、電源用の太陽光パネル、正体不明のかわいらしい小屋―がある。
 14日午前にあるのは「えんがわマルシェ」というイベント。隣の畑で催されるイモ掘り会と併せ、手作りピザ、焼き芋、骨董品の販売、竹とんぼづくりなどが用意される。そばには町の物産館「しゃくなげ館」があり、取れたて野菜や手作りの豆腐、特産エゴマのオイル、ドレッシングなども買える。秋のドライブがてら、おっさんたちの草刈りの仕上げの品定めにでもお立ち寄りください!