もう随分と昔のことだが、とある生協で数年間活動をしていた。その活動をすることで、毎月いくばくかの活動費をもらっていた。使うことなく放置してたけれど、ある時ふと通帳を見たら(というか記帳してみたら)、まとまった金額になっていた。
「何に使う?」
数カ月考えて思いついたのは、海外一人旅。自分でも、何でそんなこと思い付いたんだろ?そんなことできるの?って感じだった。
たまたま女性一人旅の本を読んでた。たまたまご近所さんから、出張で海外へ行った話を聞いた。そして私の好きな作曲家が、昔ウィーンで活躍していた。そんな偶然の重なりがあったからか。
ご近所さんの話の中で私が「いいですね~」と羨ましがったら、「どこに行きたいの?」と聞かれた。間髪入れずに「ウィーンかなあ」と答えてた。答えてから気付く。私、行きたかったんだ。
そんなわけで、行先はウィーン。旅をしながら、ずっとメモを取り続けていた。いつかまとめようと思いつつ、ずっと本棚の奥に押し込んでた。昔々のことなので、思い出せるのか心配しつつ、ウィーン珍道中のはじまり、はじまり。