さて、この後私はどこへ行けばいいかと、きょろきょろ。ルフトハンザのカウンターを見付ける。案外すいていると思いきや、ファースト・ビジネスクラスのレーンだった。エコノミーは行列。こんな所でクラスの差を見せつけられるとは…。並んでいると、私の順番直前にビジネスクラスのカウンターから声を掛けられる。空いているからこっちで手続きOKということらしい。スタッフは日本人。それだけでホッとしている。
「荷物の重さを量るからそこに置いて」
そこってどこ?まごまごしていると、ベルトコンベアを指される。コンベアが計量器だったんだ。へえ、便利だね。規定より重たいと、そのままコンベアで運ばれる仕組みらしい。
私の荷物は軽かったので、機内持ち込み。次へ行くよう促される。次って?そっけない態度のスタッフにどこへ行くのか聞くのもためらわれて、その場を離れたものの、どこへ行く?誰か通らないかな。暫く佇んでいると、エコノミーの列で手続きしていた人が、前を通り過ぎた。後について歩いていくと、またゲート。
「搭乗券を見せてください」
スマホをかざすが反応なし。係員がしばらくして画面を明るくしてと。えっ?どうやって?思わず聞いてしまう。おばさん的態度丸出しで、ちょっと恥ずかしい。後ろに人が並んでいたので、脇によけて画面の操作ボタンを探す。うーん、スマートじゃないなあ。明るくできたものの、列がなかなか途切れないので、しばらく待ってゲートをくぐる。
今度は審査。パスポートを見せ、特に問題なく通過。ここから先は、日本であって日本でない場所。変な感じ。人間が便宜上決めただけの境界線。こうした人間の勝手な決め事が、人間を縛りもするし、争いの種を作り出す。