たけのこ新聞の事件簿

離婚をきっかけに、今まで心に溜めていたことを書いています。離婚、エコ、世間の常識(のようなもの)についての疑問などなど。

行くぞウィーン ひとり旅 9ウィーン初日③

2023年04月30日 | 旅行

門の呼び鈴(ブザー)を鳴らす。インターホンで「予約をしていて、名前は~」と一生懸命言う。「入って」と言われ、玄関の鍵が開いた模様。入ると正面にエレベーター。確か一階は一階でなく、イギリス方式で2階が1階だったはず。ややこしい。待ってもなかなかエレベーターは来ない。何回かボタンを押す。1分以上待ったか、ガコン、ガコンと随分のんびり動くエレベーター。後日、別の場所で乗ったエレベーターも、こんな感じだった。

思ったよりこじんまりした受付。フロントのおじさんは親切だった。朝食の場所と、鍵の説明を受ける。雑談も少し。半分くらいは理解できたか。

「もう一泊ここで泊まらないか?安くしとくよ」

連泊を勧められるが、

「明日の宿はもう決めている」

と断る。部屋にも連泊の案内や、直接宿に予約を申し込むと安くなる(私はブッキングドットコムを通して予約した)お得情報チラシが置いてあった。また次に来た時、お世話になるかもね。今度は迷わずに来れると思う。

部屋に案内され、ここはレディースフロアだと言われる。共同風呂、共同トイレ。共同風呂と聞いてびっくりしたけれど、行ってみると、みんなで入るのではなく、個室の風呂を一人一人順番に使う方式。

とにかく布団と部屋にありつけて良かった。布団と部屋がこれほどありがたいと思ったことはない。もしホテルを見付けられなかったら、と思うとゾッとする。部屋に入って、ベッドに倒れこむ。22時間ほとんど寝ていないので、さすがに疲れた。このまま倒れていると寝てしまいそうなので、起き上がって風呂の準備をする。廊下を出て右、突き当りのドアを開けてみる。まだ時間が早いせいか、私が一番乗りだったようだ。ドアの鍵をかけ、湯を張る。明日から泊まるアパートメントは風呂なし(シャワーのみ)なので、念入りに洗う。とは言え、眠ってしまいそうなので、適当に風呂を切り上げ部屋に戻る。明日のアパートメントの場所を確認して、眠りにつく。もう、夕飯を買いに行く元気も、食べる気力もない。


行くぞウィーン ひとり旅 9ウィーン初日②

2023年04月30日 | 旅行

バスはだんだん街の中心部へ向かう。夜8時近くになってもまだ明るく、人もたくさん歩いている。道路にまで席があふれている大通りで、友人たちと夕飯や酒を楽しむ人たち。そんな賑やかな通りでバスを降りる。

さて、地図を開いてペンションを探そうか。ペンションという名がついているが、日本でいうペンションとはちょっと違う感じで、実際は、小さいホテルと言った方が意味が近い。空港でスマホが使えなかったので、嫌な予感。電源を入れるが、やはり動かない。仕方がないので地図だけを頼りに歩く…が、見つからない。この辺のはずなんだが?

見つからないと、余計に荷物が重く感じられる。散々歩き回ったが、空は次第に暗くなり、ガイドブックの大雑把な地図が心もとなく感じられる。こうならないように、バス停の近くに宿を取ったのに。近くには来ているはずだが、自力で探すのは諦めて、目の前で客待ちをしているタクシー運転手に話しかける。

「○○というペンションはどこでしょう?」

運転手は知らないらしい。日本語の地図しかないので、運転手に現在地を聞くこともできない。

「スマホが動かないので、探せない」

と言うと、親切にスマホを貸してくれる。ありがたい!のだが、ドイツ語バージョンのスマホが読めるわけもなく、そもそもホテルの綴りが分からず…二人で困ってしまう。

「ホテルなら、そこにもあるから聞いてみたらいい」

と、別のホテルを教えてくれる。ほかに方法もなく、ホテルへ行ってみる。受付で聞くと、ホテルの綴りが分からなくても(というか、口頭で尋ねただけで)パソコンで調べてくれる。私の発音ばっちりだった?フロントに置いてある地図を示しながら教えてくれる。お礼を言って、言われたとおりに道を行く。やっぱりないなあ。夕闇が深くなり、焦る私。

教えられた道の先に、細い道が奥に続いている。いかにも『悪人が潜んでいるでしょ』と思うほどに細い道。まさかねと、こわごわ進む。

 

…あった。泣きたくなるほど嬉しい。

すっかり暗くなった小道で、もう一度看板を確かめる。看板と言っても、表札くらいの小さな看板。分かるかー!!

ホテル自体はこの建物の一部分だけらしく、一般人が住む集合住宅の表札の中に、ホテルの表札(ちょっと大きめ)がある図を想像してもらいたい。いかにもホテルと書いてある大きい看板と建物をイメージしていただけに、この慎ましさに、ズッコケる。