訳あって現在の家に引っ越した時、旧住居に生えていた植物をいくつか一緒に連れてきた。挿し木をした子、根っこごと植え替えた子、どの子も『枯らし名人』の私と共に来たことは試練だっただろうと思う。
植え替えた途端、しゅんと下を向いてしまったオオムラサキツユクサや、ちっとも根付かないローズマリーにゼラニウム。おかしい。丈夫な植物と言われているはずなのに、なぜ元気に大きくならない?考えられるのは、土のせいか?特に土を買う訳でもなく、敷地内の石ころだらけの砂や、草むしりした時の枯れ葉、クリーンセンター(ごみ処理場)で無料配布している剪定チップ、そんなものを適当に植木鉢に押し込んで植えているので、土が合っていなかったのかもしれない。
元気はないが、それでも枯れずにいるので、そのまま経過観察…というか、忘れかけていた頃に花を咲かせた!驚いたし、嬉しかった。ゼラニウムなんて今では大きくなりすぎて、剪定しなくてはいけないほど。オオムラサキツユクサだって、3カ月くらいずっと咲き続けている。新しい環境、新しい土に馴染んで成長するのには時間が必要だったんだ。
ボタン一つでエアコンをかけ、ご飯を温め、買い物ができる生活に慣れすぎて、時間をかけること、かかることで完成する世界があることをつい忘れてしまう。タネを仕掛けて待つことの面白味、ワクワクするような期待って、生きていることを楽しくすると思う。クリスマスプレゼントを待つ子供のように、そして日常生活に埋もれて忘れかけていた頃にひょっこり咲き出す花のように。
ところで、話は全く変わる。先週、職場での紙の大量消費について書いた。書いたことで、私の心に強く意識付けられたのかどうかは分からないが、紙を節約するアイデアを提案してみた。あっけないほど簡単に、許可された。言ってみるものだ。ちょっぴりエコに前進。嬉しい。