ネットの Cat pressより
むかし、私がまだ小学生の低学年の頃です。
家には、「ミコ」というメスの茶トラの猫がいました。
とても気が強いネコで、近所の子どもが嫌いで、
そばにくると「ふわぁ〜!!」と本気で怒って追いはらっていました。
したがって、近所の子どもは、ミコを怖がって
ミコがそばに来ると逃げたりしていました。
もちろん、飼い主の家族である私とは仲良しでした。
というより、私はミコにとって、できの悪い子ネコと思っていたみたいです。
昔は、ネコを家から出さない「家飼い」なんてなくて、
飼いネコでも、自由に家と外を出入りしていました。
そんなミコが私が寝ている間に、枕元にプレゼントを置いていったのです。
朝起きると、枕元に何かあり、なんとスズメの死骸でした。
メスネコは、スズメを捕ってもしばらく放り投げたりして遊んでいますが、
そのうち、「そうだ、うちの出来損ないの息子に、お土産に持って行こう」
「そろそろ、狩りの練習をさせなくては・・・」と本気でそう思って、
スズメの死骸を寝ている、狩りの下手な、出来損ないの息子(私)の練習用にもって帰ってきたのです。
出来損ないの息子は、朝に、目覚めてスズメの死骸を見て、叫び声を上げます。
せっかくミコがもってきた狩りの教材は、悲鳴とともにゴミ箱に消えます。
こうして、出来損ないの息子は、スズメを狩ることを練習することなく、成長して、今に至っています。
いまだにスズメを見る度にミコを思い出し、ネコの出来損ないだった頃がなつかしいこのごろです。