プラタナス(スズカケノキ)の実とミスジマイマイ
おまけ(宮澤賢治に関する話題です。興味のある方は読んでみてください。)
宮澤賢治とプラタナス
空気は澄みきって、まるで水のやうに通りや店の中を流れましたし、
街燈はみなまっ青なもみや楢の枝で包まれ、電気会社の前の六本のプラタヌスの木などは、
中に沢山の豆電球がついて、ほんたうにそこらは人魚の都のやうに見えるのでした。
「銀河鉄道の夜」より
プラタヌスはプラタナスのドイツ語読みだそうですが、
1928年6月に上京した時に作られた詩、「高架線」にもプラタナスが出てきます。
「プラタヌス グリーン ランターン」
このグリーン ランターンは、実を指している、葉を指していると
解釈が分かれていて、おもしろいと思いました。
「高架線」の全文は青空文庫にありませんでしたが、「宮澤賢治 高架線」で検索すると
読むことができます。
作品の中でプラタヌスが最初に出てくるのは、1916年に上京した時詠んだ短歌です。
大使館、低き煉瓦の、塀に降る、並木桜の朝の病葉。
錦町、もやを通れる晨光の、しみじみ注ぐ、プラタヌスかな。
八月も、終れる故に、小石川、青き、木の実の降れるさびしさ。
東京よ、これは九月の青苹果、あはれと見つゝ汽車に、乗り入る。
毛虫焼く、まひるの火立つ、これやこの、秩父寄居のましろき、そらに。
『校友会会報 第32号』(1916/11/25)より抜粋
(2012-01-10)