多聞月記

シルクドゥソレイユのドラリオンをきっかけに中国雑技、サーカス好きになったおっちゃんの月記

身体障害者による雑技チームの話

2018-08-04 18:24:11 | 杂技の雑記
中国には大小様々な雑技団や雑技チーム、そして個人で活躍する人もいます。
そんな中で今回少し紹介したのが身体障害者による身体障害者の雑技チームです。
この雑技チームを立ち上げたのがこちらの卢洪彬さん75歳

卢さんは15歳のころに村の雑技団とともに故郷を離れ、その後軍隊に入隊し
そこで様々な演技を披露してきました。そして復員した卢さんですが、その後脳梗塞に倒れ、
片手と片足が不自由になるという障害が残ってしまいます。
それでも雑技を演じる情熱を捨てきれなかった卢さんは
このような状態では一人の努力だけではどうしようもないと
障害者が自らの力で生活し、そして故郷の伝統芸を伝えるというのを目的に
身体障害者の雑技チームの結成を決意します。
そしてこの雑技チームのために、自分で様々な道具を作り上げるだけでなく
生活保護から捻出し衣装や太鼓などの道具を揃えます。
そして卢さんの村やその周辺の村々を巡って雑技やマジックの習得に興味がある
障害者を探し出し、2017年10月についに身体障害者による雑技チームを結成します。
現在団員は11名。毎日午後と夜に練習し、そして不定期で各地で公演も行なっています。
身体障害者ということで体がもともと強いわけではないので、暖かい日に外で雑技を練習して
寒い日は屋内でマジック練習をするなどの工夫も行なっています。
例えば、62歳の卢风华さん。この方はろう者で両親を幼い頃に亡くし、一人で社会に養われて
育ってきました。そんな卢风华さんを励まし、チームに誘いそして厳しい訓練を経た彼は
今では“钢筋缠脖”や“气断钢丝”といった演目に熟練しているそうです。
ちなみにこの演目はこんな感じの演技です
钢筋缠脖

气断钢丝

中国雑技団やいわゆる日本で名前を聞いてピンとくるような雑技団では
なかなか見られない演目です。

《障害者の人々が自立し、雑技を演じることで自分たちの生活を変え、村の生活を豊かにし、観客に楽しい時間を与えると同時に雑技を伝承する》
卢さんが目指したものが今まさに実際に進んでいます。
吴桥にもう一度行く機会があればこういう小さな雑技も訪ねる機会を作ってみたいです。
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