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なんて楽しそうな夏休みだこと。コロナ禍の日本ではとてもとても体験できそうもないイベントが盛り沢山に綴られたラッセ・ハルストレム監督の出世作だ。コップのミルクや水がなぜかまともに飲めない変わり者の男の子イングマルが、病弱な母親の元にいては治る病気も治らないと、夏休みの間田舎に住むおじさん宅に預けられる。本人その気がないのになぜか騒動を引き起こす問題児だが、田舎の人はそんな些細なことで差別したりしない。というか、イングマル以上に変わった人だらけの田舎で少年は貴重な一夏を過ごすのである。
運動神経抜群の男の子にしか見えない少女サガ、緑色の髪をした少年に、ガラス工場につとめるおじさんは同僚の金髪グラマーの(裸の)ことで頭が一杯だ。寝たきりのじいさんはイングマルに女性下着カタログのコピーを読んでもらうことが唯一の楽しみ。自宅の屋根を一年中修理している隣家のじいさん、冗談好きの綱渡り名人、ガラス工場につとめる芸術家の拘りは女性のおっぱいだ。そんな個性豊かな変人たちに囲まれて、少年イングマルは自分が決して“宇宙に送られて餓死してしまったライカ犬”のように惨めな存在ではないことに気づくのである。
クリスマスプレゼントを渡す前に天国へ上っていった母さん。母さんが死んでしまったのはぼくのせい?そんな思いに苛まれ一時的に落ち込んだイングマル。再びおじさん宅に預けられた少年は、田舎の住人たちに快く迎えられ次第に元気を取り戻していくのである。ぼくの話を大笑いして聞いてくれた母さんや愛犬シッカンはもういないけど、ぼくにはこんなたくさんの友だちができたんだよ、母さん。ぼくもう寂しくないからね。それは、スウェーデンがサッカーW杯大会で3位に入り、イングマル・ヨハンソンがボクシング世界選手権で優勝した1950年のことだった。
マイライフ・アズ・ア・ドッグ
監督 ラッセ・ハルストレム(1985年)
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