韓国の名優イ・ソンギュが永眠した、48才だった。麻薬使用を疑われての自殺だったという。よく通る声が印象的なこの俳優さん、ホン・サンスやポン・ジュノ作品で見かけることが多かったように記憶している。『エクソシスト』を彷彿とさせる本スリラーでは“夢遊病”におかされた夫を演じていて、発作的に自殺未遂をおこすシーンなどもあるので、ソンギュの死をある意味予言していたのかもしれない1本なのだ。
市川実日子似の可愛い奥様は妊娠中、夫のイ・ソンギュは脇役として脚光を浴びはじめた演劇出身のTV俳優を演じている。てっきり俳優としてのプレッシャーのせいで夢遊病を発症したのかと思いきや、夜中寝ている間に奇怪な行動をとるものの、仕事や生活におけるストレスなど感じずに基本的にはぐっすり眠れているようなのである。この辺りはおそらく、実生活のイ・ソンギュとはかなり隔たりがあったのではないだろうか。
ユン大統領の戒厳令発令から弾劾裁判可決報道を見るにつけ、刑が確定する以前からもはや弾劾確定のような韓国マスゴミの先走りがとても気になっていたのだが、イ・ソンギュの麻薬疑惑についても、警察の捜査以前から使用確定のような報道がされていたらしい。米国大統領選挙の偏向報道が問題になったばかりだというのに、いまだに韓国のマスゴミは憶測を事実として報道する姿勢を正していないようなのである。日本を敵性国家と呼ぶ前に、まずは報道の公平性について韓国マスゴミは猛省しなければならないだろう。
さて、映画に話を戻そう。夜中に大きな物音をたてたり、冷蔵庫の生肉を食らったり、○○を冷凍してしまったり、はては生まれた赤ちゃんにまで.....これは単なる“夢遊病”の範疇を優に超えている。恐怖で夜もおちおち眠れなくなった奥さんは、母親の知り合いでもある祈祷士に徐霊を頼むのだが....。ここからは韓国映画によくありがちな展開に終始するため、特段驚いてビックリなんてこともないだろう。個人的には奥様の夢遊病返しがオチなのかなぁと予測していたのだが、それもハズレてしまったのである。
何せ既に帰らぬ人となっていた俳優が、スクリーンに登場し“あの世に行ってしまう人”を1人2役で演じている姿に、なぜかこの世ならざらぬ感覚を禁じえない不思議なホラー映画なのである。しかし、この奥さん家族を守るためとはいいながら、いくらなんでもこれはやり過ぎだ。器物損壊に誘拐監禁罪、傷害いや下手をすれば殺人未遂でブタ箱行きはおそらくまぬがれないだろう。ついでに○○を脅迫した罪も上乗せできるのかな?
SLEEP
監督 ユ・ジェソン(2023年)
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