人民同士は、共通の目標のために、連帯しなければならない。だが、中国共産党指導部は、自分たちの思想に普遍性があると信じている。中国ほど拝金主義思想に覆われた国はない。これは、よく耳にする。資本主義は責任ある自由人の経済活動なので、現在の中国の様相とは違う。
なぜなら、政治体制は一党独裁である。中国共産党以外の政党はない。言論はおろか、信教の自由もない有様である。精神世界の、自由な思考さえ、許さない。中国共産党の方針だけが、国の方針である。中国共産党が、人民の生命と財産を守る、世界で唯一の政治指導組織である。
日本以上にねじれを生じる国である。これまた、しつこく書いているが、自由な経済活動と独裁政治は、相容れない。根本矛盾が生じている。世紀の大社会実験である。
しかしながら、この社会実験活動が国内でとどまっている間は、周辺地域と世界への影響が少なかった。だが、世界第二位の経済力を持つと、拡大主義が、顕わになっている。軍事力を、拡大の道具に使う。この中国共産党は、当然、その影響力の拡大を続ける。他の政党の存在を許さない思想なので、他の国の制度も認めない。共産党という、組織に縛られた政党なので、組織の維持と拡大(これを我己という)が自己目的になっているからだ。この共産党が自己変革か崩壊しない限り、世界の先行きは暗い。