意思による楽観のための読書日記

上村松園 新潮日本美術文庫 ****

先週のBS放送で、「序の舞」を演っていたので見た、ちょっと古い作品で1984年公開だったというが、主演の松園役が名取裕子、母親が岡田茉莉子、松園の師匠が佐藤慶、松園の学校の先生で若い絵の先輩が風間杜夫、という配役だったが、名取裕子の演技が強烈な印象だった。松園は京都の生まれで、その息子が上村松篁、その娘が、京都府立鴨沂高校、私の母と同級生だったとのことで、身近に感じていた。部屋の明かりのロウソクがランプになり、電灯になる、街の灯がガス灯から電気になる、などと映画の背景にも目が行った。星4つは映画の評価。

大昔、高島屋で展覧会をやっていたのを見た記憶があり、その時に画集を買ったのを引っ張りだして見ていたら、なんだか本を買いたくなって買ってしまったのがこれ。今の時代には少し合わない気もするが、一番気に入っているのが「姉妹三人」という絵で、松園28歳の時の作品。三姉妹が並んで立って、三人で本を読んでいるのだが、構図としては、長女と三女の顔しか見えない。それでも、長女が蝶々髷、次女が島田、三女が丸髷という風に年齢が分かるようにしている。そして、三女の着物は振袖でピンク色、次女と長女は袖が短く、色も渋い青と黒、という風に次女の顔は見えなくても三姉妹の風情がよく出ているのである。細かい所では、次女はそっと三女の肩を抱いていて、仲の良い三姉妹を表現している。

美人画では、奥村土牛を見に記念美術館を訪れたが、やはり松園の方がいい。鏑木清方も良いが、画家本人が美人という松井冬子という人もいる、と話がそれた。本人が書いたという「青眉抄」も読んでみようと思う。


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