飛び加藤、果心居士の幻術の二話も幻術使いと忍者の話であり、幻術使いが戦国武将たちをたぶらかす話はおもしろい。また下請忍者では伊賀忍者たちの悲惨な生活と老後を描き、下忍たちがどのようにして教育され仕事をしてきたのかが分かって興味深い。白戸三平の影丸伝よりもこちらの方がリアリスティックである。牛黄加持では真言密教の安産祈願で藤原得子の安産を祈って得子の産道に精液と牛の角を混ぜ合わせた液体を塗り祈祷する、という奇想天外な描写に驚き、外法仏では異形の僧侶の首を手に入れたい女がどのようにしてその僧侶の首を手にしたかという奇妙きてれつな話、いずれも手が込んだ話である。
ペルシャの幻術師 (文春文庫)
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