ここから波多野の教え子ひろみ探しが始まる。わずかな手がかりからひろみにつながる情報をたぐりよせていく。捜索のプロセスで、12年前に大学を追われる原因となった結婚相手の雅子に出会う。今は六本木でクラブを経営していた。雅子は多くを語ってはくれないが、波多野は今でも雅子を愛していることを認識する。雅子は波多野を自分のマンションに案内し、自分も今でも波多野を愛していることを告げる。波多野は京都の田舎に雅子を連れて帰ることを約束。しかしゆかりの探索はやめられない。さまざまな話をたどっていくと、ひろみを連れて逃げようとしている男の存在が浮かび上がり、その男は敬愛女学園の経理部長だったことが分かる。ゆかりはその男に金を与えられたり、欲しい物を買ってもらい、男が海外に逃亡する道連れにされようとしているようなのだ。
話は敬愛女学園の不正経理と理事長夫人殺人事件のもみ消しなどが絡んできていることが分かってくる。こうした秘密を嗅ぎまわる波多野は学園で秘密を持つ側が邪魔になり、口を封じにかかる。波多野は半殺しの目にあいながら学園の秘密をあばき、ひろみを見つけ出し、連れて帰ることができる。雅子も波多野の愛情に応える。
ミステリー小説であり、波多野と雅子の純愛ストーリーでもある。プロットは手が込んでいて読んでいて引きこまれてしまうテクニックはさすがであり、シミタツのファンなら必読である。
行きずりの街 (新潮文庫)
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