「墟の連続切片」、ニセのデータを使って書いた論文が学園紛争で取りざたされ、論文執筆筆頭教授との確執、妻との確執、医局のメンバー、若手医師と教授連との確執が描かれる学園紛争時代の物語。
もうひとつは「頭蓋に立つ旗」、筆者のデビュー作だという。学園紛争時代の九州の大学医学部でのおはなし。学生を容赦なく落第させる鬼教授が実は個人的なコンプレックスをもち、戦争犯罪を自分も犯したのではないかと悩む。
筆者の作品の「カシスの舞」、「安楽病棟」「閉鎖病棟」「アフリカの蹄」「三たびの海峡」「総統の防具」「逃亡」といずれも非常に印象に残る作品である。それらの出発点を感じる中編集である。
空の色紙 (新潮文庫)
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