意思による楽観のための読書日記

韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由 百瀬格 ***

挑発的なタイトルであるが、内容は韓国人のいいところも悪いところも客観的に手厳しく書いている。これが韓国でも30万部売れた理由であろう。「理由」を要約すると、第1に政治論理が経済論理より優先している。韓宝鉄鋼工業の倒産で明らかになったように、体力を越えた借金、評価の定まっていない工法の導入など、あらゆるビジネスに賄賂が絡んで、合理的な判断がなされていない。それを主導したのが大統領の息子、本来なら責任を取って大統領が辞職して当然の事件。手抜き工事で、デパートや橋の崩壊が問題になったが、近代社会にはそぐわない不条理が、いまだ横行しているのである。第2は、国民が自分の利益を考えるだけで、他人を思いやらないこと。ソウルオリンピック当時、街はごみ一つなくきれいだったが、それが終わると誰もゴミを拾おうとしなくなった。著者は、住んでいる町の自治会で町内の掃除を呼び掛けたが、賛成されなかった。自動車が接触事故を起こすと、路上でいつまでも言い争いをして、そのために渋滞が起こっても知らん顔。信号が変わるとわれ先に飛び出すので、ソウルは世界でも最も交通事故の多い都市の一つになっている。

著者としては、「韓国は日本の後追いをせず、独自の得意分野を政財界が協調して作れ」という主張のようだ。著者は商社マンとして、30年韓国でビジネスをし、浦項製鉄所の建設では、外国人としてただ一人大統領から表彰されている。本書は、その体験を語ったもので、韓国では当たり前のことばかり。日本人によるこの本が、この題で韓国で出版され、30万部のベストセラーになり、著者は特に迫害されるわけでもないらしい。 このタイトル、韓国を日本にして日本をアメリカにしたら日本人はどうするか。想像の世界だが、売れるかもしれませんなあ。著者は講演に引っ張りだこの人気という事実に、少しほっとする。
韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由
やっぱり韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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