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意思による楽観のための読書日記

日本の古典を読む11 大鏡 栄花物語 

「大鏡」は長命な老翁である大宅世継と夏山繁樹が清和天皇から後一条天皇までの天皇記を紹介していき、その時代に活躍した摂政関白である藤原北家の代表的な人物を紹介、エピソード的に列伝を語るというもので歴史書となっている。一方の「栄花物語」は大鏡と同様に道長の政治と活躍を肯定的に紹介するものではあるものの、宇多天皇から堀河天皇までを歳月を追いながら紹介する形式で、歴史書というよりはエピソード集。

大鏡は栄花物語よりもずっとあとになって編集されたものであり、天地人という巻に分類され、天の巻で天皇を紹介した後に列伝として冬嗣から師尹までを紹介。地の巻で師輔から兼家、道隆、道兼を紹介、人の巻で道長が執政者となってから出家し亡くなるまでをカバーする。

栄花物語でも同じような展開が見られるが、道長の時代がより詳細に紹介される。時代としては安和の変以降が詳細になり、花山天皇出家の経緯、道長の結婚、道隆の政治、中関白家の没落として道隆の薨去、道兼の7日関白、長徳の変とその結果としての伊周と隆家の配流、定子懐妊、彰子入内、定子の死と続く。道長栄華の時代として、敦平親王誕生、五十日の祝、敦平親王立太子、後一条天皇即位、頼政への権限委譲、道長出家、法成寺建立、道長薨去と続く。

大河ドラマ「光る君へ」を彩る毎週のエピソードはこうした栄花物語、大鏡で紹介されたエピソードをなぞりながら、記述がない部分(道長とまひろの関係、双樹丸の登場など)をドラマとして膨らましていることがわかる。毎週の各場面や俳優たちの顔を思い浮かべながらの読書が面白い。
 

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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